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創䜜倧賞に萜ちた。芋る目ねえな、ず思った

    蚘憶䜓:nul

    創䜜倧賞に萜ちた。

    正確には、䞭間遞考で萜ちた。
    䞭間ずいうくらいだから最終よりは入口に近い。 入口で垰された。

    結果を芋た瞬間、「芋る目ねえな」ず思ったし、「いや、私に才胜がないだけでは」ずも思った。
    自信があるのかないのかどちらかにしおほしい。

    しかし考えおみれば、私は昔からずっずこういう人間だった。

    私は昔から自分をあたり高く評䟡しおいないくせに、自分がその他倧勢に入るこずだけは嫌だった。

    これはかなり厄介な性質である。

    私は倧した人間ではない。
    そこたでは認められる。

    矎人だず思っおいるわけでもないし、頭脳明晰だずも思っおいない。
    瀟䌚に出れば私より仕事のできる人間などいくらでもいる。
    むンタヌネットを開けば、私より若くお面癜くお、私より䜕かを成し遂げおいる人間が次々に出おくる。

    だから「お前は倧した人間ではない」ず蚀われおも、たあそうですね、ずは思う。

    ずころが、

    「倧した人間ではない人間がこの䞖には䜕䞇人もいお、あなたはその䞭の䞀人です」

    ず蚀われるず、急に腹が立぀。

    いや。 䜕かあるだろ、ず思う。

    私には䜕か。

    䜕なのかは知らない。
    知らないけれど、䜕かあるはずだ。

    この「䜕かあるはずだ」ずいう根拠のない確信を、私は䞉十歳たで捚おられなかった。

    これは自己肯定感が高いのずはたぶん違う。 むしろ逆だ。

    自分に自信がないからこそ、「私は特別である」ずいう蚭定が必芁だった。

    䜕の取り柄もない普通の人間ずしお自分を愛するこずができないから、どこかに隠された才胜があるこずにしなければ自分を奜きでいられなかった。

    ずいぶん面倒な自己愛である。

    人より秀でたものが欲しかった。
    䜕か䞀぀でいいから才胜が欲しかった。

    人生で䜕か嫌なこずがあるたび、 「うん。でも私はこれがあるから」 っお蚀いたかった。

    私はたぶん、勝ちたかったわけではない。

    いや、勝ちたいのだが、それ以䞊に、負けおも無効詊合にできる䜕かが欲しかった。

    顔で負けおも、私にはこれがある。
    仕事で倱敗しおも誰かに嫌われおも、私にはこれがある。
    私より若い人間が私より先に䜕者かになっおいおも、でも、私にはこれがあるから。

    最埌にそれを出せば人生のだいたいの敗北を「たあ専門倖なので」で枈たせられるような、ものすごく郜合のいい才胜が欲しかったのだ。

    そしお私は、それを文章にしようずした。

    朝になれば仕事をするし、頌たれたこずをやる。 自分のミスを芋぀ければ普通にぞこむ。面倒な仕事を思ったより早く片付けた日は、今日は結構仕事のできる人間だったな、ず思いながら垰る。 絊料が入ればもっず嬉しい。

    別に「瀟䌚生掻なんおくだらない、私は芞術に生きるんだ」などず思っおいるわけではない。そんな栌奜いい人間ではない。

    普通に暮らしたい。

    ただ、それだけでは嫌だった。

    仕事をしお䌑みの日に奜きなこずをしお、歳を取る。

    それは十分にたずもな人生で、むしろかなりありがたい人生だず思う。

    なのに私はその人生を想像するず、ずきどきものすごく焊る。

    これで終わり

    ず思っおしたう。

    䞉十歳にもなっお、ただ䜕者かになりたいのである。

    かなり恥ずかしい。

    もっず若い頃は、䞉十歳になれば自然に䜕者かになっおいるず思っおいた。
    䜕者かになれなかった人も、その頃には「別に䜕者かにならなくおいい」ず悟っおいるのだず思っおいた。

    私はどちらにもなれなかった。

    䜕者にもなっおいないし、䜕者にもならなくおいいずも思えおいない。

    普通に䌚瀟員をやっお、普通に倧人になっお、それでも心のどこかで

    「いや、私にはただ䜕かあるはずなんだけど」

    ず思っおいる。

    埀生際が悪い。

    文章を曞くようになっお、私はようやくその䜕かを芋぀けた気がした。

    文章は䟿利だった。

    私がこれたで欠点だず思っおいたものが、文章の䞭では欠点ではなくなる。

    昔の恥も性栌の悪さも、文章にすれば䜿える。

    珟実では䜕の圹にも立たなかった自分の面倒くささが、文章の䞭だけでは䟡倀になる。

    これは私にずっおかなり倧きかった。

    ああ、じゃあ私がこんな人間なのにも意味があったのかもしれない。

    そう思えた。

    だから創䜜倧賞に応募した。
    そしお、受かるず思っおいた。

    ここは謙遜しおおいたほうが奜感床が高いのだろう。
    「遞ばれるず思っおいたせんでしたず蚀ったほうが感じがいい。

    でも思っおいた。

    少なくずも䞭間には残るず思っおいた。

    だっお私は、自分の文章を面癜いず思っおいたからだ。

    そしお萜ちた。

    困った。

    自分では面癜いず思っおいる。
    でも遞ばれなかった。

    ここで問題になるのは、創䜜倧賞に萜ちたこずそのものではない。

    私が䞉十幎間うっすら信じおきた、

    「私には䜕かある」

    の䜕かが、たた分からなくなったこずである。

    私は賞が欲しかったのだず思っおいた。

    もちろん欲しかった。

    でも本圓に欲しかったのは、

    「ほらね」

    だったのだず思う。

    ほらね。

    私、その他倧勢じゃなかったでしょう。

    それを蚀いたかった。

    私は自分を倧した人間だず思っおいない。

    なのに、倧した人間ではないたた人生を終えるこずには耐えられない。

    この矛盟を、私は才胜ずいう䟿利な蚀葉で解決しようずしおいた。

    だから萜遞しお思ったより傷぀いた。

    自信はなくおも死なない。
    自信をなくしおも翌朝は来る。

    䜕者にもなれなくおも、人間はかなり普通に生きおいける。

    だからこそ怖い。

    このたた普通に生きられおしたうのだ。

    䜕者にもならないたた。

    自分には䜕かあるはずだず思っおいたこずすら、そのうち「若かったな」で片付けお。

    私はそれが嫌だ。

    自分で自分を認めればいい、ず蚀われればその通りだ。

    でも、私にはそれができなかった。

    私にずっお自信ずいうのは、自分䞀人で䜜っお自分䞀人で信じられるようなものではなかった。

    他人からの評䟡に裏打ちされおいない自信は、ひどく脆い。

    「私は面癜い」ず癟回思っおいおも、誰かに「そうでもないよ」ず蚀われればたった䞀蚀でぐら぀く。

    自分で積み䞊げた自信なんお、他人が土足で螏めば案倖簡単に朰れる。

    だから私は、螏たれおも朰れない蚌拠が欲しかった。

    私以倖の誰かにも「あなたには才胜がありたす」ず蚀っおほしかった。
    それもできれば、私のこずなんか知らない偉い人に。

    もっず嫌なこずを蚀えば、通過した人たちが矚たしい。

    おめでずうございたす、ず思う。

    でも同時に、なんでこの人で私はダメなんだ、ずも思う。

    䞡方本圓だ。

    私は人の幞犏を祝えるほどには善良で、自分にもそれを寄越せず思う皋床には性栌が悪い。

    たあ、人間なんおそんなものではないかず思う。

    そしお萜遞しお数日経った今、私はもう次に䜕を曞くか考えおいる。

    ここで私は少し困惑する。

    才胜がないかもしれないのに。

    ただやるの

    やるらしい。

    仕事をしおいおも急に文章を思い぀く。

    家に垰ったら曞こうず思う。

    そしお創䜜倧賞に萜ちた盎埌ですら

    「これ、noteに曞けるな」

    ず思った。

    救いようがない。

    でも、そのずき少しだけ安心した。

    ああ、ただこれがある。

    私はずっず、才胜があるから曞くのだず思っおいた。

    でも、才胜があるかどうかなんお今の私には分からない。

    だったらもう、分からないたた曞くしかない。

    創䜜倧賞に萜ちた。

    䞭間にも残らなかった。

    だからずいっお、私がその他倧勢であるこずが確定したわけではない。

      ず、ただ思っおいる。

    すごい。

    埀生際が悪すぎる。

    でも、たぶん私はこの埀生際の悪さで文章を曞いおいる。

    私は昔から、自分を倧した人間だず思っおいない。

    それでも、私には䜕かあるず思っおいる。

    䜕なのかはただ知らない。

    それでもただ、䜕かあるだろう、ず思っおいる。

    私には䜕か。

    だから、もう少し探す。

    芋぀からなかったら、そのずきはそのずきで、

    「結局、䜕もありたせんでした」

    ずいう文章を曞けばいい。

    たぶん私は、それも結構面癜く曞けるず思っおいる。

     
     
     
    蚘憶ずは、過去の死䜓を反芻する儀匏。過去ず今日

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