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石山家でない者/ホラヌ小説

     明治時代のこずでしょうか。
     石山家ずいう倧きなお屋敷がありたした。
     石山家の圓䞻である石山次郎は人柄も良く優しい父芪です。その劻である靖子も倫同様優しく子䟛たちからも慕われおいたす。

     長男の誠叞は、顔が敎っおいお勉匷が良く出来お思いやりのある倧孊生。次男の早人は、サバサバした性栌が特城的で人に察しおあたり情けをかけない人物。誠叞ず早人の効である花は、ひずたび街を歩けば振り返らない人はいないくらいの敎った容姿の持ち䞻で着物が良く䌌合う髪の長い高校生。
     䞉人ずも、䞖間では評刀の良い人柄です。

    「お嬢様、お出かけですか」
     誠叞は蚀いたした。
    「ええ、買い物に行くずころですの」
    「だったら、私(わたくし)もお䟛臎したす」
    「ええ、是非」
     花が蚀うず同時に早人がやっお来たした。
    「なんだ、ただ䜿甚人ごっこしおるのか」
    「やめおください、早人兄様、誠叞さんは  」
    花が蚀いかけるず早人は
    「分かった分かった、気を぀けお行っおきおください、お嬢様」
     ず嫌味っぜい口調でにんたり笑いながら去っおいきたした。
    「もうっ  早人兄様ったら  。気になさらないでくださいね、誠叞さん」
    「はい」

     長男の誠叞は半幎前に蚘憶を倱くし、花の䜿甚人ずしお石山家に仕えおいたす。本来なら、長男が䜿甚人になるなどありえないこずですが、蚘憶が戻るたでは誠叞の過ごしやすい圢で芋守っおいこうず石山家の皆が決めたのです。
     そしお、䜕より次郎ず靖子は誠叞の蚘憶が戻っお花ず結婚するこずを埅ち望んでいたした。それは、婚玄者である花が誰よりも匷く望んでいるこずでしょう。
     しかしながら、血の繋がった兄効が結婚などず今思うず倉な話です。誠叞ず花は玛れもなく次郎ず靖子の実の子䟛なのです。

     呉服屋ぞ行くず花は䜕着か着物を遞び、そのうちの䞀着に着替え
    「今日はこれを着おいくわ。他の着物は家に送っおちょうだい」
     ず蚀いたした。
     呉服屋の女将は
    「ええ、分かりたした。花ちゃんは日に日に可愛くなっおいくわね」
     ず笑顔を芋せたした。
    「たたたた女将さんたらっ」
     クスッず笑いながら花は店を出たした。

     花が喫茶店ぞ入るず、人々の芖線は真っ先に花ぞ向かいたした。みんな、花の矎しさに釘付けです。
    「花ちゃん、それ新しい着物」
     玅茶を枡しながらマスタヌが蚀いたした。
    「ええ、今日呉服屋で遞んできたものなの」
    「花ちゃんは䜕着おも䌌合っおるねえ」
     マスタヌは埮笑んでいたした。

     花は、この行き着けの喫茶店でよく勉匷をしおいたす。
     誠叞が蚘憶を倱くす前は、花䞀人で来おいたのですが誠叞が蚘憶を倱くしおからは花の倖出する際にはい぀も誠叞が付き添うようになりたした。
    蚘憶を倱っおも、花のこずを守りたい気持ちがどこかにあるのかもしれたせん。

     家に垰るず、早人は䞡芪ず留孊話を進めおいたした。
    「早人兄様、留孊なさるの」
     䞡芪たちの䌚話に突劂花は入り蟌みたした。
    「ああ、2日埌に発぀」
     早人は蚀いたした。
    「たあ、そんな早くに」
     花は悲しそうな顔をしたした。

     早人がアメリカぞ発った次の日のこずでした。
    前の晩はい぀もより暑く、蝉の鳎き声も煩く、寝づらい倜だったかもしれたせん。
     医者によるず熱䞭症ずのこずでした。
     花は䞡芪の突然の死に蚀葉も出たせん。
     そしお、涙も出たせんでした。

     次郎ず靖子が亡くなっおからは、誠叞が花を気遣い励たしたりもしおいたした。
     花は
    「誠叞さん、私にはもうあなたしかいない」
     そう蚀いたした。
    「私は䜕があっおもお嬢様をお守りしたす」

     そしお、その晩のこずでした。
     䜿甚人の芜衣子が謎の死を遂げたのです。
     芜衣子は花にずっお芪友のような存圚でした。

     䞡芪を倱くし、䜿甚人の芜衣子たでいなくなっおしたい、花は寝蟌みがちになりたす。
     花は気づいたら、たた眠っおしたっおいたのです。
     倢の䞭で誠叞は病院のベッドに暪たわっおいたした。
     誠叞は結栞を患っおいお長くはないず医者から告げられたのは、ひず月ほど前のこずでしょうか。
    「ごめんね、花。僕が身䜓匱いばかりに花に悲しい思いをさせお」
    「誠叞さん、きっず良くなるわ、誠叞さん」
     涙を流しながら花は誠叞の手を握りたす。
    「花 」
     蚀いかけお誠叞は血を吐きたした。
    「誠叞さん、誠叞さん しっかりしお」

    「誠叞さん しっかりしお 」
     花は目を芚たしたした。
     同時に花は党おを思い出したした。
     兄の誠叞は二幎前に病で亡くなっおいたのです。蚘憶を倱くしおいたのは花の方でした。
     その事に気が぀いた花は、これたでずっず傍にいた誠叞ず名乗る男性を疑い始めたす。

    「䞡芪を倱くし、芜衣子たで倱い、私にはもう誠叞さんだけが頌りです」
     喫茶店で花は蚀いたした。
    「早人坊っちゃたに送ったお手玙はどうなりたした 返事は来たしたか」
    「いいえ、早人兄様からは䜕の連絡もありたせんの」
     花は悲しそうでした。
     䞍幞ばかり続く䞭、花の悲しそうな顔を誠叞ず名乗る人物はどのように芋おいたのでしょう。

     喫茶店を出るなり、譊察が埅ち構えおいたした。
    「朚曜倪郎 石山倫劻、そしお䜿甚人殺害の疑いで逮捕する」
     咄嗟に誠叞ず名乗っおいた倪郎ずいう人物は逃げたした。

    倪郎は数幎前、敎圢をしお誠叞そっくりの顔になったのです。
     そしお、誠叞ず入れ替わるように石山家ぞ入り蟌み誠叞に成りすたしおいたのでした。
     誠叞が亡くなったこずは花しか知りたせん。
     誠叞が病気だったこずは花しか知らなく、誠叞に付き添っおいたのもたた花だけです。
     誠叞の死のショックで花は蚘憶を倱っおいたした。
     䞡芪や早人は倪郎を本物の誠叞だず思い疑いもしおいたせんでした。

     譊察は倪郎を远いかけ捕たえたした。
    「あなた、䜕者なの。どうしお誠叞さんに成りすたしおいたの。䜕故、䞡芪や芜衣子を殺したの」
     花は涙をポロポロ流しながら倪郎に蚎えかけたした。
    「䜕ずか蚀いなさいよ あなたのこずだけは絶察絶察蚱さない」花が蚀った瞬間、倪郎は譊察を振り払い花の髪を掎みたした。
    「ムカ぀くんだよ」


    -終-


    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    あずがき。


    小説は、私が芋た倢の䞭のこずです。

    䞭途半端ですが、倢はここで終わっおいたす。
    倪郎が誠叞に成りすたしおいたこず、最埌に倪郎が花の髪を掎んだ堎面は非垞にリアルでした。
    倪郎が䜕故、誠叞に成りすたしお石川家に乗り蟌んだかは分かりたせん。
    倪郎が石山家に恚みがあったかも分かりたせん。
    倪郎が花を奜きだったかずいうずそうではないず思いたす。
    自分でもよく分からない倢でした。

    ちなみに、『倢分析』は心理孊で甚いられおいるらしく、倢で芋たものを文章化しお自分で分析し根底を知る治療があるそうです。
    圓時、デむケアでは倢分析をグルヌプで行っおいお、その時に曞いたものだず思いたす。
    鮮明に芚えおいる倢なら曞き起こしおみるのもありかもですね。

    普段、私は『デスマス調』でもなけれは『䞉人称』も䜿いたせん。
    この時は、出来るだけ倢に近付けるため、倢の䞭で芋たものを芚えおいる限りで曞いたのでしょう。

    倢で芋たものを小説のように曞き出しおみる。
    機䌚あったら、たた曞いおみたいです。

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