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山本蛇内さん作『トリオ、デ、遺っ書め一緒め』を解説&短編小説化しました

    こんにちは、きのころです。

    ヘッダー画像は、山本蛇内 さん作成のイラストを、
    私が画像生成AIを使って「きのこ化」したものです。

    先月終了した「続きを考えませんかコンテスト」、
    通称:きのころ300日祭り。

    その中で、私の『続きは読めない』という書き出しについて、
    山本蛇内さんに、続きとなる作品を投稿していただきました。

    トリオ、デ、遺っ書め一緒め|きのころチャレンジ「続きは読めない」

    この作品に、私、ものすごい衝撃を受けたんです。

    ところが。

    この作品、ちょっとわかりにくいところもありまして。
    「意味がわからない」という人が続出したのです。

    それで、私、作者の山本蛇内さんから直々に、
    解説記事の作成を依頼されておりました。

    自分自身の「セルフきのころチャレンジ」も終わり、
    ようやく少し余裕が出てきたので、
    今日は、宿題となっていた解説記事をお届けします。

    ちなみに、蛇内さんの作品は、
    私の書き出し100文字に合わせて、
    「100文字で締める」チャレンジィ\(^^)/
    となっています。

    どこまで、粋いきな人なのか……!

    まずは、山本蛇内さんの作品を全文掲載します。
    書き出しから通してお読みください。
    全部読んでも、たった200文字しかありません。
     


    「続きは読めない」(作:きのころ)

    今朝、郵便受けに入っていた一通の手紙。
    差出人の名前はない。
    胸騒ぎに、震える手で封を開ける。
    中に入っていたのは、
    途中まで書かれた私の遺書。
    覚えはない。
    だが、間違いなく私の筆跡だ。
    日付は明日になっていた。


    「トリオ、デ、遺っ書め一緒め」(作:山本蛇内さん)

    (冗談よせ)
    首都高飛ばす。
    アクセルに乗せる足、震える。

    万波ない。
    水谷私。
    そして俺、清宮読めない。
    お笑いトリオ。

    水谷の部屋駆け込む。

    …はいはいやられた。
    「続きは任せた⭐︎」
    「トリオの未来はお前の筆次第」!

    (了)

    「100文字で締める」チャレンジィ\(^^)/
    「遺っ書め一緒め」……志村けんを国民的スターダムへ押し上げたという、「東村山音頭」のワンフレーズ
    「いっちょめ、いっちょめ♪」
    へのオマージュです。

    画像
    画像作成:山本蛇内さん

    以上、山本蛇内さんパート終了です。
     


    ここから、再び、きのころパートです。

    画像

    おわかりいただけましたか!?

    この作品を読んだ直後に、
    私が書き込んだコメントがこれです。

    う ま い ! !
    これは…感動しました。
    やば。

    「水谷私」
    「清宮読めない」
    この2人はすっとわかったんですが、

    「万波ない」
    この人の役割がわかったとき、
    世界が反転する感覚がありました。

    全部で200文字の完成形。
    ある意味、最終回答かもしれません。

    もはや、すごすぎて。
    脱帽です。
    帽子かぶったままですが。
    このたびは、本当にありがとうございました!

    蛇内さんの作品のすごいところは、
    お笑い芸人に、特徴的な「名前」を設定することで、
    「私の文章の意味そのものを変えてしまったこと」です。

    お笑い芸人の名前となっているところに「●」を打ちます。
    冒頭100字、もう一度お読みくださいね。


    「続きは読めない●●●●」(作:きのころ)

    今朝、郵便受けに入っていた一通の手紙。
    差出人の名前はない●●。
    胸騒ぎに、震える手で封を開ける。
    中に入っていたのは、
    途中まで書かれた私●の遺書。
    覚えはない。
    だが、間違いなく私●の筆跡だ。
    日付は明日になっていた。
     


    どうでしょう?

    もう「完全にわかった!」という方。
    なんとなく「わかってきた」という方。
    まだ「どうもよくわからない」という方。

    まちまちだと思います。

    大丈夫、一人も取り残しません!


    蛇内さんは、
    ご自分の作品も100字にまとめられました。

    これは、本当にすごいことです。

    ただ、その副作用で、元々超絶技巧的な作品が、
    文字数を削りに削ったことで、
    意味が伝わりにくくなっているのも事実です。

    そこで!

    勝手に!!


    私が、言葉を付け足し、行間を埋め、
    全体を「短編小説化」した作品を創作しました。

    以下に全文を掲載します。
     


    <短編小説版>

    「続きは読めない」×「トリオ、デ、遺っ書め一緒め」
    (作:きのころ、設定・プロット:山本蛇内さん)

    俺の名前は「清宮読めない」。
    ——そんなお笑い芸人みたいな名前があるかって?

    そうツッコミたくなるのも無理はない。
    だが、俺は現役のお笑い芸人で、
    実際にツッコミとネタ作りを担当している。

    俺が所属しているのは、
    「トリオ・デ・遺っ書め一緒めいっしょめいっしょめ」という、
    どうかしている名前のお笑いトリオだ。

    他の二人の名前は、
    万波ない。
    水谷私わたし。

    芸人でなければ、存在すら許されないような名前だが、
    俺たちは本気で、この三人で売れようとしていた。

    一生、一緒。「一」蓮托「生」いちれんたくしょう。
    トリオ名には、そんな願掛けも込められている。

    ——いや、込められていた、というべきかもしれない。

    少し前から、俺は部屋に引きこもっていた。

    スマホの電源を切り、
    万波からの着信も、水谷からのメッセージも、
    全部無視した。

    笑えなくなったからだ。
    ネタも書けない。人にも会えない。
    トリオも、このまま終わるんだろうと思っていた。

    そんなある朝。
    郵便受けに、一通の手紙が入っていた。

    今どき手紙なんて珍しい。
    そう思いながら封筒を裏返す。

    差出人の名前は「万波ない」——

    嫌な予感がした。

    電話もメッセージも通じないとはいえ、
    あいつがわざわざ手紙を使ってまで、
    どうしても読ませたい用事って何だ?

    震える手で封を切る。

    中に入っていたのは——

    「水谷私わたし」の遺書だった。

    俺への逆ギレみたいな文言が並び、
    最後は途中で途切れていた。

    筆跡は間違いなく「水谷私わたし」のものだった。

    なんだよ、これ。

    日付は明日になっていた。

    ——明日。

    ということは、まだ間に合うのか。

    いや、間に合うかどうかじゃない。
    行くしかない。

    俺は部屋を飛び出した。

    久しぶりにエンジンをかけた車は、俺の手みたいに震えていた。
    首都高に乗ってからも、胸のあたりがずっとざわついていた。

    水谷の部屋に駆け込む。
    鍵は開いていた。

    部屋の中では、水谷私と万波ないが、
    二人そろって笑っていた。

    俺は立ち尽くした。

    「よかった。ちゃんと来た」

    万波が、安堵したように言った。

    「続きは任せた☆」

    水谷が、テーブルの上の原稿用紙を指で弾いた。

    そこには、俺に届いた遺書の続きがあった。
    いや、正確には、続きの余白があった。

    「トリオの未来は、お前の筆次第」

    万波がにやにやしながら言う。

    名前に「遺書」を持つトリオが、「遺書コント」をやる。
    しかも、その締めを書けるのは、ネタ担当の俺しかいない。

    はいはい、やられた。
    最低だ。最悪だ。
    けど——ちょっとだけ、救われた。

    読めないままだった続きが、急に見えてくる。

    俺たちの未来も、この先のオチも、まだ「読めない」。

    だからこそ、書くのは——俺だ。

    <了>


    どうでしょう?

    今度は、完全にわかっていただけたのではないかと思います、

    一応、山本蛇内さんが、
    後で追加した「人物設定」も踏まえていますので、
    私の勝手な解釈ではありません。
    ——たぶん。

    もう一度、山本蛇内さんの作品を貼っておきます。
    「人物設定」資料などは、こちらからどうぞ!


    以上、山本蛇内さんの作品解説&短編小説化、でした。

    【追記】
    山本蛇内さんが
    アンサー記事を書いてくださいました!

     
    <お知らせ> 
     私が自分自身で書いた「続き」はこちらです。

    全力投球です。
    未読の方は、ぜひお読みくださいね!

    ちなみに、ネタ枠で書いた別の「続き」もあります。

    『劇場版キューティーセラミー』の物語(全3作)です。
    上から順にお読みくださいね。


    <「書き出しで魅了する作品」受賞時の記事>

    今回は以上です。
    お読みいただきまして、ありがとうございました。



    たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
    ありがとうございました。
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    関西在住。1級FP、独立系司書。50代でFIREを達成し、 何があっても「この先、生きのころー!」をテーマに 自称「マルチ・ポテンシャライター」(多趣味ライター 的な造語)として活動。今まで読んだ5000冊以上の本 から生まれたアイデアをもとに、童心で楽しむ日常 や創作を発信中。

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