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魂日蚘 「゜ワ゜ワが止たらない 番倖線・りツワ日蚘」


    自分はりツワ。
    そう。所詮人間なんお、魂の入れ物噚にすぎないず思っおいる。
    いや、そんな颚に実感したい。ず思っおいるだけの凡人だ。
    魂ず觊れ合ったり、共鳎した感芚は䞀床もない。
    ただ。魂やご先祖さた、あらゆるものに宿る神さたの力を信じおいる。

    そんな自分の父芪が、亡くなった。
    自分は日蚘を䞉日ず続けるこずのできない䜓たらくな人間だが、このこずは備忘録ずしおでも、曞き留めおおこうず思う。

    臚終には立ち䌚えなかったが、亡くなった父の病宀に家族の䞭で䞀番に到着したのは自分だった。
    その堎に居おあげられなかったこずを謝眪したり、泣きじゃくったりした埌。
    病宀内を芋回しお話しかけおみた。
    「ひょっずしお、その蟺に浮いおない」
    魂が抜けお父芪が自分を芋おいるのではないかず、想像したのだ。
    でもやはり、なんの返答もなかった。
    凡人には䜕も芋えないし、䜕も聞こえないし、䜕も感じない。
    その埌、母芪ず兄ず合流し、忙しなく時が過ぎた。

    葬儀屋は事前に決めおいた。
    父芪が老人斜蚭に入所䞭、感染症が蔓延。父芪だけ重節な症状ずなり救急搬送され、担圓医からその時を芚悟しおおくように蚀われたためだ。
    来幎には卒寿を迎えるほどの高霢。躊躇なく、葬儀屋のパンフレットを事前に甚意するこずができた。
    母芪ず同じく、その芚悟は䞇党だった。
    それでも、いざその時が来るず、痛いず勘違いするくらいに心臓が激しく錓動を打った。
    葬儀屋ぞの本の電話も、携垯電話を持぀手ず声が震えた。

    「はい。かっ、火葬匏プランでお願いしたす」

    火葬匏ずは、通倜や告別匏を行わずに火葬堎に盎接搬送される、費甚が最小限に抑えられる葬儀プランだ。
    このプランを遞んだ理由は、
     ・父芪の貯金が䞀切なかった
     ・子䟛のいない自分も同じような葬儀プランでいい、ずいうか、そうなるであろうず思っおいた
    この2点に尜きる。別に父芪の死を軜んじおいたわけではない。
    湯灌故人の身䜓を掗い枅め、癜装束を着せお死化粧をするこずをしおもらい、お花や家族それぞれからの手玙を棺桶の䞭に入れた。
    珟実的には、読たれるこずがないであろう手玙を曞いた。
    その行為は葬儀屋さんからの提案であったものの、故人ぞの思いを文章にするこずで、残された者の心を敎理するずいう意味では非垞に有効な手段であるず思った。䞀般論ずしおだが。

    裕犏な家に生たれ育った父芪だずいうこずは、耳にタコができるほど母芪から聞かされお育った。
    それは決しお自慢ではなく、「今はこんな貧乏生掻なのに 」ずいう皮肉が蟌められおいた。
    倫婊喧嘩の声ず父芪の愚痎を济びるように聞かされお育った自分は、物事を斜めから芋るこずが埗意な、少し卑屈な人間に仕䞊がっおいた。
    家を出お䞀人で暮らすようになっおも、母芪からの父芪の愚痎シャワヌは続いた。
    自分はその愚痎を垞に正面から受け取り、母芪ず共に憀り、どうすれば改善されるのか、解決策を考えおは提案した。

    ある時、母芪ず二人で父芪の実家に赎く機䌚が䞎えられた。
    䞀人で父芪の実家を守っおきた、病床の叔母を芋舞うためだ。父芪には䞋に䞉人の効がおり、その叔母は父芪の䞀番䞋の効にあたる。
    その䞊の二番目の叔母が、幌い時しか蚪れたこずのない父芪の実家を自分に芋せおおいたらどうか、ずいう心遣いで母芪に声をかけたようだ。
    それは、父芪の実家が近い将来、継ぐ者も家屋も党おなくなるこずを意味しおいた。
    察しが぀いた自分は、父芪の実家に行くこずを了承したものの「ほが勘圓されたず同然の長男の嚘が、どんな顔しお䞀人で家を守っおきた叔母に䌚えばよいのか しかも父芪は䞀緒に来ないのに」たた「父芪の代わりに詫びを入れるべきか、挚拶だけに留めおおいた方がよいのか 」ず、真剣に思い悩んだ。
    しかし、そんな心配は無駄に終わる。
    叔母の枕元から少し離れた所で、ずりあえず正座をしお手を着き、深々ず頭を䞋げ、ご挚拶ず父芪が来ないこずのお詫びをした。
    するず、二番目の叔母の支えで䞊半身を起こしおくださり、そんなこずどうでもいいわよず蚀わんばかりに、服のセンス非垞に地味だったはずだがや持参した手土産に、明るく、優しく、「気が効く子だね〜」ず自分を耒めおすらくださった。

    それからたもなく、父芪の実家は売りに出され、お墓は移転された。それらは党お、父芪ではなく二番目の叔母が取り仕切った。倧倉なご苊劎だったず思う。
    この方は実家を離れ、我々家族ず近い地域に䜏んでいた。ほが芪戚付き合いのない家庭に育った自分にずっお、実態を䌎った唯䞀無二の芪戚の叔母さんだった。聡明で快掻、ハッキリずした物蚀いの叔母が、滅倚に䌚うこずはないが倧奜きだった。その二番目の叔母も、その数幎埌この䞖を埌にされた。

    様々なご苊劎を党お効さんたちに抌し付けお生きおきた父芪は、認知症を患い母芪にさらなる重荷を背をわせる。
    認知症介護の匷烈なストレスの䞭、母の愚痎は父芪だけに終わらず、父芪の介護担圓の方にたで範囲を広げおいった。
    自分はあいも倉わらずその愚痎を党力で匕き受け、共感し、解決策を探した。
    介護に関しおは、少なからず母芪の手助けになる解決策を提案するこずはできたが、実際の介護にあたる母芪の負荷を党お取り陀くこずは到底できなかった。
    父芪が認知症になっお十数幎、いよいよ母芪の介護に限界がやっおきた。
    ベッドから萜ちた父芪を抱き起こすこずができず、仕方なく母芪は救急車を呌んだ。
    そんなこずで救急車を呌んではいけないず隊員の方に怒られおしたったそうだが、結果、連れお行っおもらった病院の医垫から家での介護は難しいず刀断され、ずりあえずの老人犏祉斜蚭に入所するこずずなった。
    これで母芪の介護生掻はようやく終わり、父芪ぞの愚痎は急激に少なくなった。

    父芪が老人犏祉斜蚭で暮らし始めお間もなく、䞀番䞊の叔母が亡くなったこずが知らされた。
    それず同時に、その方の財産の䞀郚を父芪が受け取る暩利があるずいうこずも。
    法埋がどうであれ、実家を党く顧みなかった父芪に財産を貰う暩利なんおない ずすら思っおいたが、老人犏祉斜蚭に入所したずなるず話は別だ。
    なにせ、䞡芪が二拠点生掻ずなるずお金がかかる。父芪ず母芪の幎金を合わせお、毎月の生掻費に赀字が出るのは必至だった。盞続の曞類が届くず、即座に母ず共に父の居る斜蚭に出向いた。
    斜蚭に着くず、介護士の方が父芪を連れおきた。
    簡玠な挚拶で終わるず思いきや、その時の担圓の介護士さんはやたらず父のこずを耒め出した。生掻態床だけではなく、内容はその容姿たでに至った。そういう斜蚭においお賄賂ずなり埗る菓子折などは持ち蟌み厳犁ずいう䞀般垞識を持ち埗おいた私は、䞀切䜕も持参しおいなかった。それでもやたらず耒めおくるずいうこずは、個別賄賂が欲しいのかずさえ勘ぐった。物事を斜めに受け取っおしたう、歪んだ性栌の珟れだ。
    ずにかく、その日の母ず自分の重芁ミッションは困難を極める。担圓の介護士さんの耒め殺しは適圓にあしらい、瀟亀蟞什も早々に切り䞊げた。
    案の定、認知症の父芪に文字を曞かせるのは困難で、母ず必死になっお父芪に事情を説明し、盞続曞類に眲名させた。

    その数ヶ月埌、父芪は亡くなった。
    その埌の諞々の手続きを䞀通り枈たせ、母芪の今埌の生掻に぀いお母芪ず兄ずの䞉人で盞談をした。
    母芪の生掻費を党お算出し、䜕か倧きな出費の時だけ子䟛らがフォロヌすれば、遺族幎金だけで生掻しおいけるず刀断できた。職を転々ずしおきた父芪だったが、䌚瀟勀めであったこずが功を奏した。
    そしお、貯金を䞀切残しお行かなかった父芪の、最倧の懞念であったお墓問題に぀いおは、䞀番䞊の叔母からの盞続で賄うこずができた。父芪の実家から移転したお墓には入れないず、二番目の叔母から蚀われおおり圓然だ、父芪のためのお墓を賌入せざるを埗ない状況だったため、非垞にありがたかった。
    事務的な話が終わるず、兄が父芪の人ずなりを回想し始めた。

    「お父さんっお、他人を悪く蚀ったりしない人だったよね」

    母芪がそれに応えお

    「そうそう。瀌儀正しく“ありがずうございたす“っおよく口にするし、誰に察しおも気を䜿っお、優しい人だったねぇ」

    えっ、や、優しい人っ 散々、倫婊で眵り合っおたじゃない なんだったのアレ
    あたりの驚きに、二人の䌚話に远随できなかった。その埌も、父芪の笑い話などに二人は花を咲かせおいた。
    自分は母芪からずっず、父芪の悪業を聞かされお育った。
    父芪に、冷たく圓たっおきた。
    兄ずは、なぜあんな父芪になっおしたったのか、原因を二人で考察したりしおいた。
    なのに、なのに 
    二人共そんなこず無かったかのような口振りだった。

    “亡くなった人のこずを悪く蚀っおはいけない“

    ずいった道埳芳念なら理解できる。それなのか それだけで、今たでの愚痎や悪口はチャラなのか 
    だずしたら今、父芪を耒めおいるのは故人ぞの瀟亀蟞什みたいなものなのか
     頭が混乱しおいた。
    それを口にも出せず、気づかれもしないたたその堎はお開きずなり、兄ず自分はそれぞれの垰路に぀いた。

    駅たでの道すがら、考えおいた。
    なにかがおかしいず。父芪が亡くなるにあたっおの道筋が、すべお“できすぎ“おいるず。
    老人犏祉斜蚭の介護士さん、臚終を迎えた病院の看護垫さん、そしおたった今、母芪ず兄からの父芪ぞの耒め蚀葉。
    今たで抱いおいた父芪ぞの悪印象は幻だったのか。
    それは母芪からの愚痎だけで自分が勝手に䜜り䞊げた虚像だったのか。
    父芪ずいう“立堎“からは耒められたものではないにせよ、人間の本質的にはなんら問題のない優しい人だったず受け止めればよいのか。
    そしお、最も匕っかかっおいたのが䞀番䞊の叔母からの盞続。
    父芪が亡くなる少し前に盞続手続きが完了、ずいうタむミング。
    父芪が認知症になる前だったら、盞続しおも自分の奜きなこずに党お䜿っおしたっおいたかもしれない。
    たるで母の手元に残るように、お墓を買うために䜿っおず蚀わんばかりに入っおきたずしか思えない、絶劙なタむミングだった。
    通垳はすっからかんだったが父芪は結局、家族になんの埌腐れも残さずこの䞖を去っおいった。
    思い返せば思い返すほど、“できすぎ“感が吊めない。
    䜕か芋えない力が働いおいたのではないか     

    んん〜。 でも   これ以䞊考えおも仕方がない。
    自分は芋えないものは芋えない、ただの凡人だ。
    でも魂やご先祖さた、神さたの力を信じおいる。それだけだ。
    だから。心からの感謝を蟌めお、空を芋䞊げお蚀い攟った。

    「パパ〜っ みんながパパのこず、“いい人だった“っお蚀っおたよ〜〜〜 よかったね〜〜」



    すっかり萜ち着いた生掻をしおいた母芪から、かかっおくる電話が頻回になっおきた。
    内容は、ご近所の元気なスヌパヌお婆ちゃんに関する愚痎だ。
    母芪に、かなりの“おせっかい“をしおくるらしい。
    あいも倉わらず自分は、党力で話を聞き、嫌なら付き合うなず解決策を提案する。
    そしおその愚痎を受け止めながらも、スヌパヌお婆ちゃんに心の䞭では感謝する。
    䞀人暮らしの母に、おせっかいしお䞋さっお“ありがずうございたす“ ず。


    魂さんたちに感謝を蟌めお。
    《「゜ワ゜ワが止たらない」おわり》

    「魂日蚘」は䞍定期だけどこれからも曞くよbyワレ

     
     
    曎幎期の䞍調を理由に無職を貫き、䞻婊業の傍ら「趣味を仕事にする」こずをスロヌガンずしお掲げるも、䞀歩進んでは二歩䞋がる、の繰り返しで党く前進できない日々。そんな己の䞍甲斐無さを感じ぀぀生きる埌期䞭幎女性の、倢を叶えるための奮闘蚘。己の魂になった぀もりで綎りたす。

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