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Photo byarayan12

【家族のこと】オッサンの晩酌episode3

    ウバといいます。
    訪ねていただきありがとうございます。


    むすこ君が なかまに なりたそうに こちらをみている!

    ①なかまにする
    ②しない



    うん……②だな。

    「むすこ君よ、もう寝る時間ではないのかね?寝る子は育つ。大きくなりたいんだろう?なら寝なさい」

    わたしは父親だ。少しくらい厳しくしないとな。てか、もうこれ以上は晩酌を邪魔しないでくれ。

    オッサンは、いつも晩酌の邪魔をされて困っている。男ってのは、独りで呑みたくなる日があるのだ。

    「おとうさん、いっしょにゲームしよ?」

    この家の人間は、ほんとうに人のはなしを聞かない。育ちが悪い。こんな時はだいたい親が悪い。親の顔が見てみたい。

    「聞いてたかい小僧?オチビは寝る時間だ。ここから先は、おとなの時間なんだ。さあ、早くお布団に行くんだ」

    むすこ君は小学4年生。少しくらい強いことばを使っても問題ないだろう。そんなオッサンの強いことばも、むすこ君は当たり前のように無視する。

    「おとうさんはマリオ使っていいよ〜。おいはピーチ姫、いや、ピノキオでいくから」

    なにを好んでオッサンがオッサンを操作しないといけないのだ。わたしにピーチ姫を操作させなさい。そもそも、話を聞け。

    「ちょっと待て。さっきからおとうさんにばかり赤い甲羅が飛んできてるぞ。ほらあ、また最後に抜かれた」

    1時間後、そこにはむすこ君よりも熱中してるオッサンがいた。駄目だ、本気で流されてる。晩酌どころではない。

    「おとうさんがいつも1位だからダメなんだよ。おいは最後に頑張るタイプなんよ、おとうさん弱すぎ」

    いつも1位なのに弱すぎときたか。確かにゴールする時は5位とかだ。なんだよ、最後に頑張るタイプって。その歳で大器晩成を語るな。

    むすこ君は、なるほどゲームがじょうずだ。このまま負け越しは許されない。たとえゲームとはいえ、父親とは越えれぬ壁であるべきた。

    「おとうさん、すこしハンデあげようか?」

    オッサンの心の奥で、地雷が踏み抜かれる音がする。こども特有の無邪気さとでもいうのだろうか、むすこ君はオッサンを覚醒させる。

    「1週遅れでスタートできませんか?」

    プライドとは、ダサい人間の言い訳でしかない。そんな言葉に隠れて、勝負から逃げてはいけない。どんな形でも勝てばいいのだ。

    「いいよお、ならボクも本気でいこうかな」

    まさか、まだ強くなるのか!?こ、こいつ、できる!!熱くなってきたぜ……いや、違うやん。早く寝てよ。晩酌やねん。呑みたいねん。

    いつもそうだ。わたしはいつも他人の意見に流される。自分を持ってない。まだ自立できてないのだ。

    だが、むすこ君とのゲームも大切だ。こんなに男2人でテレビゲームをする時間なんて、実はあまり残されてないのだろう。

    そう考えると、お酒なんて呑んどる場合ではない。いま、この瞬間を全力で楽しむのが子育てな気がする。きっとそうだ。

    「よし、ならおとうさんも本気を出そう。負けたら寝ろよな?いいか?負けたらおネンネだ」

    そういいながらも、今日は呑みたい。男同士の時間とかどうでもいい。はやくわたしの胃袋にアルコールを浴びせたい。

    「おとうさんさ、本当にヘタいね。眠たいしおやすみ~」

    おわりは突然だった。勝ち逃げというやつか。時刻は23時、オッサンも眠い。ああ、今日も晩酌はできなかった。

    「あんたたち、夜遅くにうるさい。いいかげんにしなさいね」

    寝室に行ったオッサンは、いつものように嫁さんにおこられるのだった……


    ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
    おとこには、独り呑みたい夜がある


    それでは、佐世保の隅っこからウバでした。




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