
【家族のこと】オッサンの晩酌episode3
ウバといいます。
訪ねていただきありがとうございます。
むすこ君が なかまに なりたそうに こちらをみている!
①なかまにする
②しない
うん……②だな。
「むすこ君よ、もう寝る時間ではないのかね?寝る子は育つ。大きくなりたいんだろう?なら寝なさい」
わたしは父親だ。少しくらい厳しくしないとな。てか、もうこれ以上は晩酌を邪魔しないでくれ。
オッサンは、いつも晩酌の邪魔をされて困っている。男ってのは、独りで呑みたくなる日があるのだ。
「おとうさん、いっしょにゲームしよ?」
この家の人間は、ほんとうに人のはなしを聞かない。育ちが悪い。こんな時はだいたい親が悪い。親の顔が見てみたい。
「聞いてたかい小僧?オチビは寝る時間だ。ここから先は、おとなの時間なんだ。さあ、早くお布団に行くんだ」
むすこ君は小学4年生。少しくらい強いことばを使っても問題ないだろう。そんなオッサンの強いことばも、むすこ君は当たり前のように無視する。
「おとうさんはマリオ使っていいよ〜。おいはピーチ姫、いや、ピノキオでいくから」
なにを好んでオッサンがオッサンを操作しないといけないのだ。わたしにピーチ姫を操作させなさい。そもそも、話を聞け。
「ちょっと待て。さっきからおとうさんにばかり赤い甲羅が飛んできてるぞ。ほらあ、また最後に抜かれた」
1時間後、そこにはむすこ君よりも熱中してるオッサンがいた。駄目だ、本気で流されてる。晩酌どころではない。
「おとうさんがいつも1位だからダメなんだよ。おいは最後に頑張るタイプなんよ、おとうさん弱すぎ」
いつも1位なのに弱すぎときたか。確かにゴールする時は5位とかだ。なんだよ、最後に頑張るタイプって。その歳で大器晩成を語るな。
むすこ君は、なるほどゲームがじょうずだ。このまま負け越しは許されない。たとえゲームとはいえ、父親とは越えれぬ壁であるべきた。
「おとうさん、すこしハンデあげようか?」
オッサンの心の奥で、地雷が踏み抜かれる音がする。こども特有の無邪気さとでもいうのだろうか、むすこ君はオッサンを覚醒させる。
「1週遅れでスタートできませんか?」
プライドとは、ダサい人間の言い訳でしかない。そんな言葉に隠れて、勝負から逃げてはいけない。どんな形でも勝てばいいのだ。
「いいよお、ならボクも本気でいこうかな」
まさか、まだ強くなるのか!?こ、こいつ、できる!!熱くなってきたぜ……いや、違うやん。早く寝てよ。晩酌やねん。呑みたいねん。
いつもそうだ。わたしはいつも他人の意見に流される。自分を持ってない。まだ自立できてないのだ。
だが、むすこ君とのゲームも大切だ。こんなに男2人でテレビゲームをする時間なんて、実はあまり残されてないのだろう。
そう考えると、お酒なんて呑んどる場合ではない。いま、この瞬間を全力で楽しむのが子育てな気がする。きっとそうだ。
「よし、ならおとうさんも本気を出そう。負けたら寝ろよな?いいか?負けたらおネンネだ」
そういいながらも、今日は呑みたい。男同士の時間とかどうでもいい。はやくわたしの胃袋にアルコールを浴びせたい。
「おとうさんさ、本当にヘタいね。眠たいしおやすみ~」
おわりは突然だった。勝ち逃げというやつか。時刻は23時、オッサンも眠い。ああ、今日も晩酌はできなかった。
「あんたたち、夜遅くにうるさい。いいかげんにしなさいね」
寝室に行ったオッサンは、いつものように嫁さんにおこられるのだった……
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
おとこには、独り呑みたい夜がある
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。