
高校野球怪談【毎週ショートショートnote】
息子と一緒に、母校を応援するため甲子園に来ていた。試合は母校が1回表に1点だけ挙げる『スミイチ』の展開だった。
「甲子園には魔物が棲んでいるんだぞ」
「うっそだー」
「地面から手を出して、選手の足を掴んで邪魔したりするんだ」
「やめてよ…」
試合は9回裏、一死満塁のピンチを迎えていた。県大会を勝ち抜いてきた不動のエースにも疲れがみえる。
打者が高く打ち上げた。球審がインフィールドフライを宣告。投手と3塁手の間に落ちてくる。お見合い。落球。慌てた3塁走者がホームに向かって走る。投手がボールを拾ってホームベースを踏んで捕手と抱き合って喜ぶ。3塁走者はホームベースを踏んでうなだれた…
しかし、球審は手を横に広げて同点を認めた。
「何が起きたんだ?ダブルプレーじゃないの?」
『インフィールドフライは走者に進塁義務はない。だから、3塁走者にタッチしないとアウトにならない』
息子は一点を見つめ、まるで魔物に取り憑かれたかのようにつぶやいた。
(410文字)
野球のルールって難しいですね。
でも、そこにドラマが起こります。
田原にかさんの企画に参加しています。
毎週ありがとうございます。
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