ある男の記録
寒空の下、神社の近くのある土地に人間が2匹
がやってきた。
毎日この土地を監視している私は、珍しい客の登場に興味を持ちながらも、人見知りな性格もあってか、気がつくと物陰に隠れるように見ていた。
棒や紐のようなものを引っ張りながら、何かしゃべりながら、方や何か頷いている。
その日は太陽がてっぺんに上がるまでには去っていった。
その後、人間たちは、その土地の草花を切り倒し、白い粉を撒いていた。
あの粉はなんだろうと思い、撒いた場所に立ち入り、少しなめてみたが、特に感覚に異常はない、
毒ではないようだ。
休暇のためこの場を長期間から離れていたので、
再び戻ったときには、その土地は大きく地形が変わって恐怖を覚えた。
桜が舞い落ちるころ、人間に見つかった。
『しまった』
近づいてくる人間に、恐怖で動けないでいる私は
その場で動けずにいる。
人間は頭から尻尾の先をまじまじと見ながら、何かぼそっと言うと作業に戻っていった。
この頃から、人間は私の近くで座ったり、そこで
水を飲んだりするようになった。
何か言っているのだが、何かはわからない。
悪い人間ではないようだが、やはり怖い。
春が少し過ぎると、草花が芽吹き始め、
荒地に近い状態だったこの土地も緑に染まる。
今年は初めて見る動植物も見える。
少し前にできたフィアンセからも、
『私、あの土地に住みたいの。
あなたも怖がらないで一度引っ越してみましょうよ』
どうも腹を括らないといけないようだ。
少し切れた尻尾の先を見つめ、深くため息を
ついた後、愛するフィアンセとともに、
この土地に立ち入った。
続く
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