
「螺旋プロジェクト」おすすめの読む順番を徹底解説|人気作家の文芸競作を楽しむ
螺旋プロジェクトは、8組9名の作家による壮大な文芸競作プロジェクトです。古代から未来までの時代を舞台に、「海族」と「山族」の対立を描いた物語が連なっています。
どの順番で読むべきか迷っている方に向けて、時系列順のおすすめの読む順番や、作品同士のつながりについて詳しく解説します!
螺旋プロジェクトとは?
螺旋プロジェクトは、中公文庫が企画した大規模な文芸プロジェクトです。
8名の作家が、それぞれ異なる時代を舞台に「海族」と「山族」の対立を描いています。
作品ごとにストーリーは独立していますが、全てを読むことで大きな流れが見えてきます。
作品の特徴と共通ルール
「螺旋プロジェクト」の作品は、以下の3つのルールに従って、古代から未来までの日本で起こる「海族」と「山族」の闘いが描かれています。
ルール① 「海族」と「山族」、2つの種族の対立構造を描く
ルール② 全ての作品に同じ「隠れキャラクター」を登場させる
ルール③ 任意で登場させられる共通アイテムが複数ある
「海族」と「山族」の対立とは?
物語の中心にあるのは、「海族」と「山族」という2つのグループの対立です。
彼らはそれぞれ異なる価値観や文化を持ち、歴史を通じて争いながらも、時に共存を模索していきます。
この対立が、時代ごとに異なる形で描かれているのが、螺旋プロジェクトの最大の魅力です。
螺旋プロジェクトの読む順番を解説
時系列順に読むことで、物語の流れを自然に理解でき、より深く楽しめます。
① ウナノハテノガタ(原始)大森兄弟
② 月人壮士(古代) 澤田瞳子
③もののふの国(中世・近世) 天野純希
④ 蒼色の大地(明治)薬丸岳
⑤コイコワレ(昭和前期)乾ルカ
⑥シーソーモンスター(昭和後期) 伊坂幸太郎
⑦ 死にがいを求めて生きているの(平成)朝井リョウ
⑧ スピンモンスター(近未来)伊坂幸太郎
⑨天使も怪物も眠る夜(未来)吉田篤弘
① 原始編:『ウナノハテノガタ』大森兄弟
「いいか、島でのこと、だれにも話してはいけない」
海の民の少年オトガイは、父から代々伝わる役目を引き継ぐ。
山の民の少女マダラコは、生贄の儀式から逃れて山を下りる。
死を知らぬ海の民イソベリ、死を弔う山の民ヤマノベ。
二つが出会い、すべてが始まる。これは、対立の運命を背負わされた海族と山族の神話を描く、原始の物語。
〈巻末座談会〉「八作家が語る、〈螺旋プロジェクト〉のいままで」を収録。
物語の発端となるのが『ウナノハテノガタ』です。
精霊と人間が共存していた時代に、「海族」と「山族」の最初の出会いと対立が描かれます。
ここから全ての物語が始まるため、まず最初に読むことをおすすめします!
② 古代編:『月人壮士』澤田瞳子
「全き天皇であること」
――その何人にも推し量れぬ孤独。
756年、東大寺大仏を建立した首(聖武)太上天皇が崩御。
道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、
その言に疑いを持つ者がいた。
中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探ることになるが、
ゆかりの人々が語り出したのは、
母君との尋常ならざる関係や隔たった夫婦のありよう、
御仏への傾倒など、死してなお謎多きふるまいや
孤独に沈む横顔ばかりで――。
国のおおもとを揺るがす天皇家と藤原家の相克を背景に、
聖武天皇の真実をあぶり出す!
伊坂幸太郎、朝井リョウをはじめとする人気8作家による
競作企画〈螺旋プロジェクト〉の1冊としても話題。
奈良時代を舞台に、東大寺大仏の建立と「海族」「山族」の関係が描かれます。歴史好きにはたまらない作品ですね。
③ 中世・近世編:『もののふの国』天野純希
武士とは、何だったのか?
千年に亘る戦いの系譜を一冊に刻みつけた、驚愕の傑作歴史小説。
〈螺旋プロジェクト〉中世・近世篇。
負け戦の果てに山中の洞窟にたどり着いた一人の武士。死を目前にした男の耳に不思議な声が響く。「そなたの『役割』はじきに終わる」。そして声は語り始める。かつてこの国を支配した誇り高きもののふたちの真実を。源平、南北朝、戦国、幕末。すべての戦は、起こるべくして起こったものだった――。
〈巻末付録〉特別書き下ろし短篇
源平合戦や戦国時代を背景に、「海」と「山」の戦いが武士の歴史と絡めて描かれます。
④ 明治編:『蒼色の大地』薬丸岳
薬丸岳の新境地。 壮大なスケールで贈るエンタメ巨編! 〈螺旋プロジェクト〉明治編。 時は明治。幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人はそれぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は灯を探し、謎の孤島「鬼仙島」に辿り着く。交わることのない運命に翻弄され、三人はやがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていく。
友情、恋慕、嫉妬、裏切り――戦争が生む狂気の渦の中で、三人の運命が交錯する。
日本の近代化が進む中、「海族」と「山族」の伝統と新時代の価値観の衝突が描かれます。
⑤ 昭和編(前期):『コイコワレ』乾ルカ
大戦末期。東京から宮城の田舎へ集団疎開した浜野清子は、そこで那須野リツと出会った。対立する「海」と「山」の呪縛か、無意識に忌み嫌い合うふたりの少女。だが、戦争という巨大で最悪の対立世界は、彼女たちから、大切な存在を奪ってゆく……。宿命に抗いはじめた少女たちが願う、美しき未来とは――。
特別書き下ろし短篇収録。〈解説〉瀧井朝世
戦時中の疎開先で、対立する少女たちの物語。
戦争と青春が交錯する切ないストーリーが印象的です。
⑥ 昭和編(後期):『シーソーモンスター』 伊坂幸太郎
バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。(「シーソーモンスター」)
アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手檜山に追われる。(「スピンモンスター」)
時空を超えて繋がる二つの物語。「運命」は、変えることができるのか――。
バブル時代のサラリーマン社会と、「海」「山」の対立が家庭内で描かれるユニークな作品です。
⑦ 平成編:『死にがいを求めて生きているの』 朝井リョウ
誰とも比べなくていい。
そう囁かれたはずの世界は
こんなにも苦しい――
「お前は、価値のある人間なの?」
朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語
植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。
二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは?
毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。
交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、
目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。
今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。
近年の社会問題をテーマにした作品で、シリーズの中でも異色の雰囲気があります。
⑧ 近未来編:『スピンモンスター』 伊坂幸太郎
未来の国家的陰謀を巡る物語。 『シーソーモンスター』に収録されています。
『シーソーモンスター』との繋がりを楽しみながら読めます。
⑨ 未来編:『天使も怪物も眠る夜』 吉田篤弘
めくるめく未来版「眠り姫」の物語
――吉田篤弘が挑む、かつてない群像劇!
2095年、東京は四半世紀前に建てられた〈壁〉で東西に分断されていた。曖昧な不安に包まれた街は不眠の都と化し、睡眠ビジネスが隆盛を誇っている。
そんな中、眠り薬ならぬ覚醒タブレットの開発を命じられた青年・シュウは謎の美女に出会い――。
文庫版特典として、「あとがき」と「もうひとつのエピローグ」を収録。
伊坂幸太郎、朝井リョウをはじめとする人気8作家による
競作企画【螺旋プロジェクト】の1冊としても話題!
2095年の東京、すべての対立が収束するラスト作品です。
シリーズ全体を締めくくる壮大なストーリーが展開されます。
螺旋プロジェクトをより楽しむポイント
螺旋プロジェクトをより楽しむポイントを見ていきましょう。
① 隠れキャラクターと共通アイテムを探そう
全作品に共通する「隠れキャラ」や「アイテム」が登場します。
これを探しながら読むのも楽しいですね!
② 作品同士のリンクを楽しむ方法
「シーソーモンスター」と「スピンモンスター」など、直接的につながる作品もあります。
時代を超えたつながりを見つけると、より深く楽しめます!
③ 考察好きにおすすめの読み方
螺旋プロジェクトは伏線やメタファーが豊富。
読後に考察することで、より奥深さを味わえます。
まとめ|「螺旋プロジェクト」おすすめの読む順番を徹底解説|人気作家の文芸競作を楽しむ
螺旋プロジェクトは、古代から未来までの壮大な物語がリンクする競作シリーズです。
読む順番としては、時系列順がおすすめですが、気になる作品から読んでも楽しめます!
シリーズのリンクや共通キャラを探しながら、ぜひ全作品を読んでみてください!