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人間だけが歪んで見えた夜:動物と景色だけは、歪まず見えた。



実は先日、
私はかなり危険なところまで落ちた。

人間の言葉が、
全部「死ね」に聞こえた。

実際に言われたわけではない。

でも、
その時の自分には、
そうとしか受け取れなかった。

「必要ない」
「迷惑」
「早く消えろ」

そんな声が、
頭の中でずっと反復していた。

⸻

不思議だったのは、
人間だけが歪んで見えたことだ。

動物と景色だけは、
比較的まともに見えた。

ムサシは足にまとわりついてきた。

テレビ番組で描かれていた
色鉛筆の絵は、
素直に「綺麗だ」と思えた。

草花の写真も、
比較的まっすぐ見れた。

でも、
人間だけはダメだった。

ぐにゃっと歪んで見えた。

⸻

夜には久しぶりに、
社会福祉士の
「刑事司法と福祉」の授業を開いた。

DV。
被害者。
加害者。

その単語だけで、
身体が反応した。

画面を暗くして、
音を小さくしても、
動悸が止まらなかった。

知識として見れない。

全部、
自分の神経へ直撃してくる。

⸻

子ども達が昔よくお世話になっていた駄菓子屋さん

そんな中でも私は、
娘を迎えに行き、
一緒にお菓子を買った。

テレビ番組を見た。

noteを開いた。

完全に「死にたいだけ」なら、
たぶん、
そういう行動は消える。

人間は壊れる時、
案外、
こういう小さな現実に、
繋ぎ止められているのかもしれない。

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