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働く手と、アクセサリーのこと





    歯科衛生士だった頃、私の手は「おしゃれをする手」ではなく、「働く手」だった。

    患者さんの口の中に入る手だから、爪はいつも短く切る。

    ネイルはもちろんできない。

    職場によってはピアスも禁止で、透明ピアスさえ認められないこともあった。

    ピアスホールが安定するまでは外せないから、絆創膏で隠して出勤していた人もいた。

    私は結局、仕事中は小さなピアスをつける程度。

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    ピアスは左右2つ空けています。

    指輪も結婚指輪くらいだった。

    毎日つける使い捨てグローブも、私の手にはあまり優しくなかった。

    ゴムなのか、手袋の粉なのか。

    長時間つけていると手がかゆくなり、赤くなる。

    それでも患者さんを待たせるわけにはいかないから、新しいグローブをはめて仕事を続ける。

    手荒れも、水仕事も、職業の一部だった。

    だから、ネイルサロンに通うことは少し憧れだった。

    40歳の誕生日をきっかけに、ようやくサロンへ通い始めた。

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    爪小さいんです😭

    でも、お店が移転してしまい、通えなくなってしまった。

    あの頃は少し残念だったけれど、それも今では懐かしい思い出だ。

    仕事をしていない休日だけマニキュアを塗ったり、ペディキュアを楽しんだり。

    そんな小さな楽しみが精いっぱいだった。

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    仕事を離れてからも、すぐにアクセサリーを楽しめるようになったわけではない。

    入院中、浮腫で結婚指輪が外れなくなったことがある。

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    その経験が怖くて、しばらく指輪そのものをつけなくなった。

    ピアスだけが、唯一身につけるアクセサリーだった。(しかもすぐに落としたりする為、最終的にはステンレスかチタンのお買い得なものになった)

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    それが最近、少しずつ変わってきた。

    左手には結婚指輪と、作家さんのシルバーリング。
    右手にはティファニーとグッチ。
    ブランドを集めたかったわけではない。

    仕事柄、長い間アクセサリーを楽しむ機会が少なかったからこそ、今は「この手に似合うもの」を少しずつ選ぶ時間が楽しい。

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    今は不思議なくらい手荒れが少ない。
    ハンドクリームは冬場だけで済む。

    ネイルもしていないし、爪だって人生で一番ずぼらかもしれない。

    欠けたら切る、そのくらい。

    でも、それは手を大切にできるようになったからではない。

    毎日水仕事をするわけでもなく、何十枚ものグローブを交換する仕事もしていないからだ。

    だから、きれいになった手を見るたびに、少し複雑な気持ちになる。

    働いていた頃の手は荒れていた。

    でも、その手は、誰かの口の中を守るために毎日働いていた手でもあった。

    今、その手には少しだけリングが増えた。

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    新旧混合

    もしかしたら、これは「おしゃれを楽しめるようになった」という話ではないのかもしれない。

    長い間働き続けてきた自分の手を、

    「今日もお疲れさま。」

    そう思いながら、ようやく少しだけ大切にできるようになった。

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