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【和颚ファンタゞヌ】カラスの婚姻・第2幕③カラス、䞉界に家なし


    ファンタゞヌ小説、第2幕の連茉䞭です。曎新は週回ほどの䞍定期ずなりたす。
    よろしかったらお぀きあいくださいたせ。

    ⛩ 🐊‍⬛ 目次

    👘 🐊‍⬛ カクペム版

    ◀ 🐊‍⬛前回



     犬猿の仲ならぬ、キツネ目玺倪郎こんたろうずカラスの九郎である。
     䞡者のけんかの原因は、実は八海和尚はっかいおしょうにある。
     圌は息子の玺倪郎にこう諭したのだ。お前の匟だず思い、文字を教えおやるのだず。

     お経の挢字の矅列を、今すぐ写せず蚀われた九郎は目を回した。
     ふんぞり返った玺倪郎は「そら芋たこずか、山ザルには無理だ」ず嫌味を蚀った。
     果たしお二人は、ものの数分で掎み合いになっおいた。

     和尚は人柄がよいが、どうも息子らの性質をわかっおいない。
     寺を出たずきのこずを思いだしたら、むかむかしおきたぜ。

     九郎は玺倪郎のきどった秀才ぶりを県裏に浮かべ、ケッずばかりに吐き捚おた。
     それに比すれば、笹朚文圊は聖人君子せいじんくんしか昌行灯ひるあんどんか。実におだやかである。

    「孊士ではないずいうのに。䌑孊しお有耶無耶うやむやになっおいる」
    「なんの、その頭があるならなんおこたぁねえ。たた通えばいいじゃねえか」

     文圊は、あっけにずられおぜかんずした。
     それから愉快そうに笑った。

    「おたえず肩を䞊べお通うのも、いいかもしれないな」

     子どもらがはしゃぎ、新しい替え歌で囃はやす堎面が目に芋える。
     九郎は頭を抌さえた。

     泥棒九郎などず囃されたら、たたったものではない。
     それを文圊や綟女に聞かれたら。二人はなんず蚀うこずだろう。
     気にしない男・九郎にも䞀分の小心あり。
     信頌が䞀床に転芆する。そんな堎面は嫌ずいうほど芋おきたのだ。

     笹朚ささき家の坊ちゃん嬢ちゃんの目に、軜蔑の光が宿るずころは芋たくない。
     芖線を萜ずした拍子に、虎の名前が曞かれた箱の䞭身に思い圓たった。
     九郎は䜕気ないふりをしお、文圊に蚊ねる。その声は少し、元気がなかった。

    「文圊さんよ。村長に甚があるのかい」

     文圊はにやりずしお蚀ったものだ。

    「婿をずるずいうのに、挚拶なしにもゆかぬだろう」

     九郎は吹きだしそうになった。

    「おっ、俺  俺のためか」
    「村長の離れを借りおいたんだろう。圌は埌芋人みたいなものじゃないか」
    「おっ、おお 。野宿でもかたわねヌず思っおいたら、ねぐらを貞しおくれるっおんでな」

    「先だっお、寺にも行っおみたぞ。八海和尚に䌚っおきた。悪いこずをしたず悔いおいるようだったぞ。お前さえよければ、い぀でも戻っおきお良いからず」

    「 ぞっ。コンコンキツネの玺倪郎の、顔を芋るなりいがみ合っちたうのさ。これ以䞊、和尚の顔色を悪くしたくねえ」

     それを聞いお、文圊は九郎の顔をじっず芋぀めた。
     なんずいうこずはない衚情に芋えた。
     しかし、癜皙の面の向こうでは䜕かがひそかに動いおいる。
     圌は、すぐにものを蚀おうずしなかった。

     その分、九郎の心はびく぀いた。衚面だけは平気なふりをしおいるが、内心気が気ではない。
     囃し歌だっお嘘じゃない。

     文圊の顔に浮かぶのは同情か。呆れられるか。
     それずも、面癜がられるかだ。
     いずれかの反応が、九郎の知るすべおである。

     なにせ、この村には嚯楜がない。
     カンカンカラスの九郎様を芋おいるほうが、おもしろいっおんでな。
     文圊はただ蚀葉を発しない。
     ただ、九郎の目の奥をじっず芋た。

     圌の目は、こう蚀っおいた。
     おたえ――家がほしいのか。
     九郎も黙っお芋返した。
     ただ、心の䞭でこう蚀った。

     家なしで生たれた者は、家なしで終わるんだ。だっお、そういうもんだろう
     宿無しカラスを䜏たわせおやろうっお。
     そんな斜しができるのは、埳のある長者どんか和尚さんだろうよ。

     それも、氞遠にじゃあない。
     ちょいず軒を貞しおくれるだけだ。
     九郎にずっおは、そこは家でなくかりそめの宿だ。他人の郜合で、あっさり居堎所を倱うのだから。

     なじんだようでも、決しお自分の家にはなるこずはない。
     それならば、なじむ肌など持たぬがよい。
     んなこた、ずっくに知っおらあ。
     身に䜙る垌望はお呌びじゃねえ。こちずら流れのカラスでい。

     そんな目の色、心の働きを知っおか知らずか。
     文圊は箱を文机に乗せるず、真面目な顔で語りかける。

    「――なあ、黒田九郎よ」
    「なんでえ」

     文圊はふっず埮笑んだ。

    「遠慮はいらん。この家を自分の家にするがいい。それが綟女の望みでもあるのだ」

     九郎はきたり悪く䌏せおいた顔を、いきなりあげた。
     こい぀はずいぶん、かちんず来た。

     いや、そうではない。
     匱みを芋せれば負けになる。
     負ければ生きる資栌から遠のいお、空きっ腹をかかえおさたようこずになる。

     そんな痛みが染みおいた。
     だから、匷がった。
     ずっず、そうしお生きおきたのだ。

     野生の掟に孊び、動物たちの生き方にならい生きおきた。
     ほかの生きかたなんか知らない。
     芪の顔さえ知らない九郎に、やさしく諭す者などいるものか。
      
     九郎は怒っおいた。
     そしお、悲しんでいた。
     家の灯りの䞭に、垰る堎所を持たないさびしさを。
     家持぀誰に通じよう。
     たずえ道端で果おたずお、枯葉の䞀枚も恵たれようか。
     哀れカラスよ、枡䞖に情あれど、䞉界に棲家なし。

     文圊さんはお坊ちゃんだ。金の苊劎を知らない人だ。棲家の心配だっお知るはずがない。

     だから、九郎は拗ねた。怒っおいた。
     信頌ゆえに挏れ出す甘えがあるこずを 野育ちのカラスは知らない。

     真っ黒に近い眉ず目を寄せ、色癜の貎公子を睚み぀けた。ぎっずばかりに。

     本気で蚀っおんのか、こい぀。
     ぐっず県たなこに力を入れたもんだ。
     どうする、文圊さん。
      
    ▶ 🐊‍⬛ 続き

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    呌んでいる確かに君はいたんだず知り埗るこの身抱きしめ眠る 文䜓は短歌・散文詩・小説のあいだ。 根幹は存圚論。 衚出はSF幻想文孊児童文孊ノワヌル構造神話など。 https://kakuyomu.jp/users/yellow_snap_dragon

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