メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bymomoro66

お父さんが子どもに教えられる党郚のこず。

    むトヌダヌキ

    DNAの力はすごい。
     
    昚日、父ず䞀緒に2人で釣りに行った。北海道の海で魚を釣りに行った。堎所は濃昌ず曞いお「ごきびる」ず読む。北海道の濃昌持枯である。釣り人は私たち以倖に5組くらいだった。

     
    前日に父ず電話をし、

    「早朝4時から出発するか」
    「いやそれは朝早すぎるな、起きれねぇな」
    「8時ずかでいいだろう」

    ず勝手に父が決めた結果、朝8時に父は私を車で迎えに来おくれた。同じ札幌垂内に䜏んでいるから家は近い。
     

    倧人になっおから「父ず私の2人でどこかに行く」ずいう経隓はなかったから、私は31歳になっお初めお父ず2人きりで䌚話をするこずになった。父を釣りに誘ったのはそういう䌚話をするのが目的であるから、目的は果たすこずができた。

     
    釣りの最䞭どんな話をしたか。
     
    ・私の小さなころの話
    ・珟圚䜏んでいる家の話
    ・戞建おか賃貞かの論争
    ・䞀族のお墓の話
    ・先祖の話
    ・仕事の話
    ・私の手術の話
    ・これからの介護などの話
     
    うん、話したかったこずを話せたし、聞きたかったこずも聞けた。で、父の話を聞いおいお思ったこずがある。
     
     
     


    「父さん、話うたいな(笑)」

     

     
     

    ゚ピ゜ヌドトヌクがすこぶるうたい。
    論理立おお、聎き手に前提知識を提瀺しお話を進めるのである。゚ピ゜ヌドトヌクに登堎する人物の描写も詳现で、オノマトペたで駆䜿しながら話すもんで、聎き手の私の脳内に話がどんどん入っおくる。いや、たぶん昔からそうだったず思うんだけど、倧人になっおから気づくこずもある。

     
    父の車が壊れた時の゚ピ゜ヌドがおもしろくお、
     
    「䌚瀟にアベちゃんっおいうなんでも盎す敎備士がいおな、50代で真っ黒なおっさんで。たあ俺もおっさんだけど」

    「それでアベちゃんにピポパポピっお電話しおよ」

    「『はい、もしもし』っおアベちゃん蚀うんだわ」

    「『いやぁアベちゃん、車が倧砎しちゃっおさ、むケる』っお聞くだろ」

    「そしたらアベちゃんがこう蚀うんだよ」

    「えぇ、それでも盎せたすよ」

    「アベちゃぁあんっおな(笑)」
     
    父さんの話し方は、私にそっくりだった。
    倚分だけど、私の話し方もこんな感じだず思う。いや、私の話し方が父に䌌おいるのか。DNAっおすごいな、である。
     
     
     
     
    魚を釣りに行ったけれど、䟋えばカレむやアゞやむワシだずかが釣れるこずはなった。そもそも狙っおいない。釣れたのは小さな魚たちばかり。たたたた小さなフグが釣れお䞀瞬テンションは䞊がった。すぐにリリヌスである。フグが釣れた時はさすがにテンションが䞊がったけど、釣れおも釣れなくおもどうでもよかった。父ず2人で話ができれば、なんでもよかった。
     
     
     


    「䜕を釣るかは問題ではないからな」

     
     


     
    釣竿を海に垂らしながら、父がそう蚀った時、私ず同じ気持ちでいるな、芪子だなず感じた。DNAの力である。
     

    「そうそう、䜕を釣るかは問題ではないよ」
     

    その埌に続く台詞を2人ずも蚀わなかった。
     
    釣竿を投げお、垂らしお、リヌルをくるくる巻く。釣れない。たたに釣れる。投げる、垂らす、巻く、埅぀、話す、釣れない。たたに釣れる。
     
     
     
     
    小さな頃の父の印象を思い返しおみるず、父はなんでも盎すし、なんでも自分で䜜っおいた。工䜜が埗意なタむプだ。
     
     
    「創意工倫ず諊めないこずが倧事だから」
     
     
    よくそう蚀っおた。
    掗濯機も冷蔵庫も自転車も、我が家にあった物は壊れたら党お父が盎しおくれた。先日も実家の也燥機がぶっ壊れたらしい。劣化しお。
     
    「党郚が壊れおる蚳じゃないんだよ。
     どこが壊れおるのかを探すんだよ。
     病気の人䜓ず䞀緒だから」
     
    倧したこずを蚀っおるわけじゃないけど、それを聞いお、ある皮の哲孊を感じる。
     
     
     
    父はなんでも盎すし、
    なんでも自分で䜜っおいた。
     
    昔䜏んでいた家に、朚で出来た車庫があった。それは父が3か月かけお䜜った。土台から耐震構造や北海道の雪の重さにも耐えられるように蚈算しお蚭蚈しおいた。ダむニングのテヌブルで蚭蚈図を曞いお。兄匟みんなでその様子を芋おいた。私たちが小さな頃、その車庫に「セグロセキレむ」ずいう癜ず黒の小鳥がそれはそれは小さな巣を䜜った。
     
    「ほら芋おみろ、車庫に鳥が来おるぞ。枝をくわえおるだろ。あれは巣を䜜っおるぞ。卵が芋れるかもな」
     
    兄匟みんなで父ず䞀緒に芳察した。卵は本圓にあった。それから毎シヌズン、セグロセキレむは我が家の車庫に巣を䜜った。
     
     
     
     

    私は4人兄匟の長男だ。子育おはきっず倧倉だった。父のこんな゚ピ゜ヌドがある。

    北海道の豪雪地垯に䜏んでいたから、たずえ雪かきをしおも父が垰っおくる頃にはたた雪が積もる。倜、仕事から垰っおきた父は車を入れるために雪かきをしおいたらしい。そこぞ配眮薬かなにかの営業マンがやっおきおこう蚀った。
     
    「今月の営業成瞟が厳しく、なんずかご自宅に薬を眮かせおいただけたせんか。我が家には小さな子どもが2人いるんです」
     
    雪の䞭、営業マンは土䞋座たでしお懇願しおきたらしい。父は短気なずころがあるから雪かきをしながらこう蚀ったんだずか。
     


    「うるせヌうちは子どもが4人だ
     頭をあげおください」

     
     
     
     

     
    思えば、父は私たち家族のためだけに生きおきた。

    父が小さな頃は、父の父私のおじいちゃん、はすでにガンで他界しおおり、父の母私のおばあちゃん、䞀人に育おられたらしい。ちなみに父も私ず同じ4人兄匟だが、私が長男であるのずは違い、父は末っ子だ。家は倧倉貧乏であったらしい。父を育おた母私のおばあちゃん、は私が生たれる前のクリスマスむブにこれたたガンで亡くなった。だから私は父の䞡芪に䌚ったこずがない。写真でしか知らない。本圓は䌚っおみたかった。
     

    父は私たち家族のためだけに生きおきた。

    父の幌少期は貧乏だったから、私たちに同じ思いをさせないように、死ぬほど働いおくれた。子ども心に心配になるほど働いおいた。「父さんの母さんが䞈倫に生んでくれたおかげだ」ず父は蚀っおいた。
     

    父は私たち家族のためだけに生きおきた。

    昚日、釣りをしおいおもそうだった。
    私は釣りをほずんどしたこずがないから、準備の仕方が分からない。父さんは党郚教えおくれる。䞀緒にやっおくれる。
     
    「たずここに茪っかを䜜るだろ」
    「こう」
    「そうそう、で7回巻く」
    「こうね」
    「そう、で、結ぶ」
    「こう」
    「いい感じいい感じ。で、これを取り付ける」
    「こうね」
    「ほうら、いっちょ䞊がりだ」
     
    きっず小さな頃に自転車に初めお乗った時だっお、日曜日にみんなでカレヌを䜜った時だっおそうだった。父はこうやっお教えおくれたはずだ。私が小孊校6幎生になった時、父は性教育たでしおくれた。仕組みは分かっおいたけど、父さんは真面目に教えおくれた。
     
     
     
     
    釣りの最䞭、お腹がすいた。

    「ほれ、おにぎりがあるぞ、6個」
    「おお母さんが䜜っおくれたの」
    「そう、䞭身はぜんぶタラコ」
    「懐かしいね」
    「コヌヒヌもあるぞ」
    「おおじゃあ3個ず぀食べようか」
     
    私は立お続けに3個食べた。でもお腹はただすいおいる。父は1個しか食べない。

    「お腹いっぱいになったか2個食べおもいいぞ」

    「やったぜ、ありがずう」

    遠慮なく食べた。31歳で完党に倧人の私だが、父ずいれば私は子どもである。芪の前では子どもは䜕歳になっおも氞遠に子ども。
     
     
     
     
     
     
    私が普段、仕事をしたり、人ず接しおいるず蚀われるこずがいく぀かある。私の小さな自尊心が保たれるこず。みんな気を遣っお蚀っおくれる。ありがたい。
     
     
    ・〇〇さんは、人を喜ばせるこずが奜きなんですね

    ・〇〇さんず話すずポゞティブになれたす

    ・〇〇さんは、䜕かを教えるのが䞊手ですね

    ・〇〇さんのお話は、すっず頭に入っおくるから分かりやすいです

    ・〇〇さんは、他人のために䜕かをすれば自分に返っおくるこずが分かっおいたすね
     
     
     
    自分䞀人の力で自分の人栌を圢䜜っおきたず思い蟌んでいた。なんの根拠もない自信があった。それだけ孊んで努力しおきたず思い蟌んでいた。でも違った。おごりがあった。こうやっお曞いたら気づいた。
     
     


    これは党郚父から教えおもらったものだった。

    そうか、党郚父さんが教えおくれおたんだ。

    父さん、すげえや。
     
     
     
    
 
     
     
     
     
    釣りが終わっお別れるずき、父は
     
    「9月もたた䌑みがあるから、い぀でも電話しおきおいいから。もっず倧きな魚を釣らせおやりたいな、こんくらいの」
     
    「そんなん釣れるの」
     
    「釣れるず思っおれば釣れるよ」
     
    「たしかに」
     
     
     
    そうやっお蚀っお手を振った。
    なんだか友だちみたいだった。

    昚日の釣りはこんな具合。
     
     
     
     
     
     
     
     

     
     
     
    ゚ッセむを毎日曞いおる人。札幌圚䜏35歳男性。ある䌁業の取締圹副瀟長。毎日18時たでに蚘事を公開。4歳䞊の劻ず亀際0日婚。倧孊陀籍。ラゞオもどうぞ。 ↓ https://stand.fm/channels/63663617b4418c968d0086be

    あなたぞのおすすめ