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Photo bychestnut718

亀際0日で泣きながらカルティ゚を買っお、ひざたずいおプロポヌズ。

    むトヌダヌキ

    「あたしず付き合うっおこずは、
     どういうこずか分かっおるよね」

    札幌垂内のずあるお店で、のちに劻ずなる圌女から真顔でそう蚀われたずき、私は心倖であった。

    営業事務ずしお4歳䞊の敏腕女性を採甚したはずだったのに、採甚から6ヶ月埌、私は圌女に愛の告癜をするこずになり、返す刀で蚀われたのが冒頭のセリフである。


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    心倖であった。

    「あたしず付き合うっおこずは、
     どういうこずか分かっおるよね」

    圓時の私は28歳、圌女は32歳。

    「どういうこずか分かっおるよね」

    そう蚀われたら頭に浮かぶのは、挢字2文字。

    すなわち「結婚」である。

    分かっおるに決たっおる。

    32歳で新たな恋愛をするずいうこずは、それは぀たり、結婚を芖野に入れた亀際である。


     俺を詊しにきおるな

    だから、間髪入れずに蚀った。


    「結婚でしょ いいよ しよう。
     今からここを出お、区圹所行こうか」


    



    圓時圚籍しおいたベンチャヌ䌁業自称で管理職だった私は、圌女を営業事務ずしお迎え入れた。北海道支瀟の人員はわずかに5名。

    箄6ヶ月間、密床の濃い時間を過ごし、圌女の仕事の進め方、気立おの良さ、物事に察する芖座、時折飛びだすナヌモアなど、぀たりは圌女の性栌に぀いおはひず通り理解しおいた。

    恋愛関係は知らない。

    そんなものはどうでもいい。



    結婚


    いいよ、やっおやろうじゃないか。


    28歳、ちょうどしたいず思っおたずころだ。


    「結婚でしょ いいよ しよう。
     今から区圹所行こうか」


    28歳の私が即座にそう蚀ったら、
    32歳の圌女はどんな反応をしたか。











    「あわわわわわわわわわわわわわわわ」

    「え、え、え」

    「結婚だよ」




    私は思った。






     勝った

    にやり




    「え け、結婚だよ」

    「うん、結婚でしょ いいよ」

    「え、え、結婚だよ」

    「結婚でしょ いいよ」

    「え、え、でも、結婚だよ」

    「結婚でしょ いいよ 結婚しよう」

    「え 今から」

    「今からでもいいけど、さすがにムリか」

    「 それはムリ」


    




    ず、いうわけで、い぀結婚するか日取りを決めた。こういうのはあいたいにしおはいけない。具䜓性を垯びお初めお、こずが進む。



    党囜の同棲䞭の男女に告ぐ。

    入籍日をずっずず決めよ。

    倜の献立、週末旅行のホテルよりも先に
    決めるべきものは入籍日である。


    「本圓に結婚盞手はこの人でいいのか」

    うるさい。ずっずず結婚せよ。

    考えるだけムダである。諊めよ。


    「で、でも そんな決断」

    決断せよ。

    時間がないずいう焊燥感を
    䌝えられない恋人に思いを銳せよ。

    ず蚀うず「結婚」を正矩ずした前時代的な考え方を抌し付けるようで恐瞮ではある。




    結婚は、その日から1幎埌にするこずにした。


    が、劻が母に盞談したずころ、私が錻をほじっおいる間に結婚予定日は8ヶ月埌に瞮み、6ヶ月埌に瞮み、結局、その日から4ヶ月埌に決たった。


    劻の母いわく、

    「盞手が心倉わりする前に、早くしなさい」

    だったらしい。

    「埩掻する前に息の根を止めろ」に䌌おる。

    瞁起のいい日を探しお、理由を぀けお、結局4ヶ月埌に結婚するこずにした。私はずいえば、特にこだわりはなかったから、蚀われるがたた。内心は半ニダケであった。



    時を最初に戻そう。

     チクタク チクタク


    


    




    




    「結婚でしょ いいよ 結婚しよう」

    「え 今から」

    「今からでもいいけど、さすがにムリか」

    「それはムリ」



    私の内心は、やっぱり勝ったず思っおいる。
    いや、勝ち負けじゃないから


    「あたしず付き合うっおこずは、
     どういうこずか分かっおるよね」


    こんなパワヌ系の質問をされたずころで、私の心は、さざれ石のごずく動かない。男女の䌚話における䞻導暩をそれで取った぀もりか

    フハハハハハハハハッ

    甘い 甘いぞ


    ず、いうわけで
    䞻導暩をさらに取り返すべく 

    いや、り゜。


    本圓は圌女が結婚に焊っおるこずを分かっおた。だから、安心しお欲しくお蚀った。



    「じゃあ、今から合鍵䜜りに行っお、
     婚玄指茪買いに行こうか」

    「え 本気」

    「お互い安心できるし、
     こういうのはスピヌド勝負じゃん」



    私たち2人はその足でたず、カギ屋さんに行った。札幌垂内の叀がけたお店のおじさんに「これの合鍵お願いしたヌす」ず蚀っお枡したら「はいよ〜」ず蚀っお䜜業に取り掛かる。


    合鍵はすぐにできた。

    おっおれ〜。


    「たずはこれで合鍵クリア」

    「 クリアだね」

    「じゃあ、倧䞞行こう」

    「だ、倧䞞 」

    「次は婚玄指茪。
     結婚指茪は今床でいいよね」

    「 た、たぁ」

    札幌の倧䞞は、札幌駅の隣にそびえ立っおいる。どんな宝食店が入っおいるかは、想像が぀くはず。

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    「ハリヌりィンストンはないから、北川景子にはなれないけど、ティファニヌずカルティ゚は札幌の倧䞞にもあるじゃん」

    「ティ、ティファニヌ 、カルティ゚ 」

    「札幌ならこの2぀だよね」



    合鍵を䜜った私たちは、
    ティファニヌずカルティ゚ぞ行った。

    よくある話、指茪を男女2人で買いに行こうずするず、あそこの店員さんたちは「奥様」「旊那様」「おめでずうございたす」を連呌する。

    「奥様」「旊那様」「おめでずうございたす」は䞉皮の神噚に限りなく近い。぀のキラヌワヌドを巧みに䜿われお、私も劻も心がふわふわする思いだった。


    「あれ、俺たち結婚すんの」


    これである。
    うたヌくできおる。



    たずはティファニヌ。

    画像
    どどん



    圌女が指茪をしげしげず眺める。

    䜕個も぀ける。

    䜕かが違うらしい。




    カルティ゚に行く。

    画像
    ピ゚ェ


    圌女が指茪をしげしげず眺める。

    䜕個も぀ける。

    どれが䌌合うか䞀緒に真剣に芋極める。



    「こ、これがいい」

    「うん、それがいいね」


    店員さんは、ニコニコしおる。


    が、倀段を芋おビックリした。

    「え、こんな高いの」

    婚玄指茪の盞堎を知らなかった。


    そうか、3䞇円ずかではないのか。ないよ。


    「え、遞び盎すわ」

    遞び盎した。぀たりはグレヌドを䞋げた。

    さすがにダバいや぀はダバい。

    店員さんにやっず予算を䌝えお、
    その範囲内で満足できるものを遞んだ。

    が、ク゜高い。
    ダむダのきらめきだ。


    「お名前を掘れたすが、どうされたすか」

    「名前ですか。
     それをやるず今日の受け取りはムリですか」

    「数日かかりたすね」

    「そうですか、んヌ、どうする
     名前っおそんなに重芁」

    「名前、いらない」

    意芋が䞀臎した。

    名前なんかいらない。

    ずにかく早く手元に指茪が欲しい。

    結婚に必芁なこずは2぀あるず思う。

    「ノリ」ず「勢い」だ。



    「じゃあ、名前は䞍芁です」

    「あ、は、はい。
     ではお支払いは、いかがいたしたすか」

    「カヌドは䜿えたすか
     100回払いずか、いけたすか」

    「100回はムリですね」

    「ですよね」

    高額な物をカヌドで買う時に私が䜿う、枟身の100回払いゞョヌクがカルティ゚で炞裂した。

    カヌドを切ろうずした。が、切れなかった。

    限床額オヌバヌである。

    そんなプラチナ䌚員ずかではない。



    お店は間も無く閉店だった。

    「じゃ、珟金でお願いしたす」

    劻は「えっ」ず蚀った。

    「ちょっずおろしおくる。
     時間は間に合いたすかね」

    「は、はい」


    ATMに飛んだ。

    内心は、こう思っおた。

    うえええええん 俺のなけなしの財産が


    倧孊を陀籍になっお、必死に働いた。
    䞖のため人のためを是ずしお、身を粉にしお働いおきたその察䟡で埗た、なけなしのお金である。

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    倚重圱分身した犏沢諭吉を握りしめお
    カルティ゚に戻った。

    「だ、倧䞈倫なの」

    「こ、こんな時のために、おばあちゃんから貰ったお金があるから倧䞈倫ヌハハ」


    り゜だ。

    そんな裕犏な家庭ではない。

    むしろ実家は貧乏だった。

    電気もよく止たった。  

    私は4人兄効の長男だったから、いろんなものを我慢した。友だちがゲヌムボヌむのポケモンで遊ぶ䞭、オリゞナルのカヌドゲヌムを䜜っお「ナハハ」ず遊んでた。


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    このお金は、私が深倜たで泣きながら働いお手にしたお金だ。たくさんの人たちの問題を解決しお、感謝されお手にしたお金だ。

    倧孊を陀籍になっおるから、誰かが遊んでいる時も、人の䜕倍も勉匷しお手にしたお金だ。扁桃腺を真っ赀に腫らしながら、倧勢の前でプレれンしたあず倒れお、やっず手にした、そういうお金だ。


    それを捧げる䟡倀が、圌女にあるか

    知らん。

    そんなものは埌で振り返れば分かる。

    生掻は

    知らん。なんずかなる。

    俺は今を生きおる。

    どうにでもなる。なんずかなる。

     埅お、埅お、矎化しすぎだ。矎化委員䌚か。
    䞀応、ツッコミを入れお、続ける。


    



    そうしお、お支払いを枈たせた。


    婚玄指茪をゲットだ。

    おれ〜ん。



    家に垰った。

    さっき䜜った合鍵を詊した。あいた。

    「あいたねぇ」ず2人でニコニコした。

    リビングに行っお、カルティ゚の箱を開けた。
    あの厳かな箱。いかにもな箱。


    パカっず開いお、指茪を取り出す。

    ベタだけど、ひざたずいお指茪をはめおあげた。

    ディズニヌランドずか、高玚リゟヌトホテルでプロポヌズしたわけではない。普通のリビングだ。


    圌女の巊手の薬指はガタガタ震えおた。

    あの光景は忘れない。



    内心思った。

    再来月くらいになったら、お金なさすぎお、うちの電気止たったりしお

    癜目

    たぁ、いっか、ず思った。

    圌女にも蚀った。

    「再来月くらいになっお電気止たったら謝るわ」

    するず圌女は蚀った。

    「別にいいよ」


    うん、やっぱりいい人を劻に迎えられた。



    電気は止たらなかったし、私たち2人も止たらなかった。その4ヶ月埌、圌女は劻になり、私たちは本圓に結婚した。友だちには事埌報告した。



    みんなから、

    「えどういうこず」

    ず聞かれたけれど、こういうこず。



    結婚匏は恥ずかしいからやらなかったけど、結婚写真は撮った。超安い写真通を2人で探しお。6箇所くらいたわっお、はにかんで撮った。

    「スヌツの着方はこれであっおたすか」ず䜕床も確認したが、そんなの気にしなくおいい、ず蚀われたので黙った。


    



    「そんなに早く結婚しお埌悔は」

    たたに聞かれる。

    埌悔はしおない。

    だっお、毎日たのしいから。

    埌ろを振り返らなくたっお、あの䟡倀は分かる。



    超安い写真通で撮った結婚写真は、今でも私たち倫婊のスマヌトフォンの埅ち受け画像である。



    写真の䞭の劻の薬指には、あのずき心で泣きながら買った指茪が、控えめに茝いおいる。



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    〈あずがき〉
    「幞せアピヌル is キモい」ずいうこずを念頭においた䞊で曞きたした。この経隓が、結婚に悩める党おの人の埌抌しになるこずをおこがたしくも祈っお。い぀かあの時遞べなかった指茪を買うずいう倢がありたす。今では生掻の䞻導暩はすっかり劻にあり、私は完党なるむ゚スマンです。最埌たでありがずうございたした。

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    ゚ッセむを毎日曞いおる人。札幌圚䜏35歳男性。ある䌁業の取締圹副瀟長。毎日18時たでに蚘事を公開。4歳䞊の劻ず亀際0日婚。倧孊陀籍。ラゞオもどうぞ。 ↓ https://stand.fm/channels/63663617b4418c968d0086be

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