
星を買う(実話) #シロクマ文芸部
数年前のこと。
僕は星を買ったんだよね。
お米の半分くらいの大きさのヤツ。
隕石なんだけどさ。
隕石自体は玉石混交、本物も偽物もあちこちのお店で売ってる。
僕はネットの海で本物しか扱っていない鶯谷のお不動様のご近所の
ちょっと大分、相当不思議なお店を見つけたんだ。
ギャラクシーって言うお店。
口下手なお兄さんとよく喋るお姉さんがやってる、銀河なんてギラギラしたようなイメージとは真逆な落ち着きのある古民家で。
パッと見た感じ普通の古い一軒家。
入ろうとしたら通りすがりの人に
「此処は何のお店なんだい?」
って聞かれたので隕石屋さんですって答えたけど怪訝な顔をされた。
そりゃ日常で隕石って単語自体滅多に口にしないもんなぁ。
行く時は予約が必要だから興味ある人は気をつけてね。
多分、世界で唯一だと思う。
隕石のエネルギーとお客さんのエネルギーをマッチングさせて販売するお店は。
お店の中に案内されたら窓にサンキャッチャーが下がっていて部屋に虹が散らばっていたのが印象的だった。
宇宙人のぬいぐるみ(彼が店長らしい)よりもね。

僕が星を買いに行った時はお兄さんと店長が店番してた。
「なんのお仕事されてるんですか?」
って聞かれたので、PCのヘルプデスクやってるって答えたら
「ウソでしょ?
エネルギーが凄い大きいからそんな仕事違うでしょう。」
的なこと言われた。
(嘘じゃないもん、ヘルプデスクで日銭稼いでるもん。)

お兄さんに
「今日は何を買いに来たんですか?」
って聞かれたので隕石が欲しいことを伝えると
「あなたは元のエネルギーが大きいから隕石持っても意味ないかもしれません。」
だって。
思わず僕は商売下手だなーって思った。
(1ポイント信用度アップ)
「それでも折角ですから」
と言うことで星が入った小さなショーケースを幾つか見せてもらった。
ハートに成形した銀色に不思議な模様が浮かび上がってるヤツとか
銀色の中に焦げた黄緑色の石が斑らに入っているヤツ、
大気圏で真っ黒に焦げちゃったみたいな凸凹したヤツ。
ロマンチックが沢山詰まってる。

やっぱりね星はお値段が高い。
そりゃぁ手を伸ばしても空は高く届かない。
偶に空から落ちてきても全部燃えて無くなっちゃったり、燃え残ったとしても海に落ちちゃって見つからなかったりするのだから超貴重。
無理もない。
世界中に隕石ハンターがいて一生懸命集めてくるらしいよ。
虫取り網で流れ星を捕まえるわけじゃないらしい。

僕のお財布の中身でも買えそうな小さな隕石を幾つか取り出してくれた。
「これ持ってみてください。
多分合わないけど。」
そう言われて持たされたけど、もうバイアスで合わない気満々。
そうやってあーでもない、こーでもないと解説してもらう。「合わない」と言っても星が悪いわけじゃなく単純に相性が悪いだけ。
人とひとの関係と一緒。
ほら、一緒にお茶するのはイイけど食事はしたくないとか、恋人にはイイけど結婚はしたくないとかそういうの…と一緒か?
知らんけど。
そうやって幾つか試したけど不思議と一つだけしっくりくるのがあった。
お兄さんにも
「あぁ、それ持つと更に芯が通った感じになって一番イイですね。」
お墨付きをゲット。
でもここからがまた長い。
持つにも持ち方があるって。
この米粒の半分くらいの隕石はペラっとしていて、表と裏があるって。
「こっち側を表にしてズボンの左側のポケットに入れてください。
もしどっちか分からなくなっちゃったら写真送ってお知らせください。」
凄いアフターケア付き。
それって一生物のケアじゃない?
知らんけど。(2回目)

僕はこの子をお買い上げ。
お値段は鑑定料も含めて1万円しない位だったかな。
高いと思うか安いと思うかはあなた次第。
お米の半分位の金属のカケラのお値段。
お会計も終わり良い買い物をしたーって充実感を味わっているところにお姉さん登場。
「なんのお仕事されてるんですか?」(2回目)
PCのヘルプデスクやってるって答えたら(2回目)
「ウソでしょ?
エネルギーが凄い大きいからそんな仕事違うでしょう。」
的なこと言われた。(2回目)
(嘘じゃないもん、ヘルプデスクで日銭稼いでるもん。)(2回目)

きっと大事なことだから2回言われたのでしょう。
昨日、占星術を実践してたらフツーの仕事は向きませんってトドメを刺されたところ。
ま、そう言うこともあるよね。
数年に渡りこの星のカケラをポケットにいつも入れて過ごしてたんだけどさ、
去年、戸隠の九頭龍神社へ行く途中、ポケットから流れ星が更に流れてしまった。

その時、ボディバッグのベルトに付けてたコンチョのついた皮革のカッコいいキーホルダーに熊鈴の代わりに付けた江島神社や三峰神社、安房神社、車折神社の龍のお守りを沢山付けてたんだけど、
これも気づかないうちに消えてた。
空へ泳いでいった?
常に手に触れる位置で鈴がジャラジャラ鳴っていたのにね。
もしかしたら龍神さんが星を追っかけて飛んで行っちゃったのかもね。
ちなみに紛失保証はない。
(`・ω・´)
おしまい。
と思ったけど、どうして落としたのか易を立ててみよう。
コレ、もう自分には不要になったという九頭龍からのメッセージなのかな?
とか、龍が欲しかった、必要だったのかな?って。
火之御子社から中宮に向かっていくときに無くなったので一応歩いてきたところを少し戻りながら探したけれどそう思い浮かんで
「もういいや」ってなった。
さて、掛は….
本卦:雷天大壮(強い力が働く)
賓卦:天山遯(山に隠れる)
裏卦:風地観(神意を観る)
互卦:沢天夬(切り離す)
解釈
「大壮」=龍の力が旺盛に働いた。
「遯」=隕石やお守りが山の中に退いて隠れた。
「観」=神意としての出来事。奉納のような形。
「夬」=自分と持ち物の縁が断たれた。
つまりこれは偶然ではなく、龍に見込まれて奉納になったと読むのが自然。
「それはもう君には必要ない」「龍が預かる」といったニュアンス。
実際、その後の行程は驚くほどスムーズに進み、九頭龍社参拝から善光寺、十一面観音との縁まで繋がった。
かるらヒーリングのサイキッカーみつえさんにも「九頭龍が憑いている」と告げられ、流れとして腑に落ちる。
落としたのではなく、龍神に捧げたことで道が開けた出来事だったようだ。
隕石を買ったエピソードの締めくくりに、「九頭龍が受け取った」と思えば、物語はきれいに繋がる。
ってなわけだ。
ということは、僕のポケットから星は旅立ち、九頭龍のものとなった。
今度こそおしまい。