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「自信がついたらやる」は、たぶん逆

    ――俳優思考・第十五回

    この性格どうにかならんもんかのぉ…なんてお悩みの方、結構いるんじゃないですかね?

    性格って、そう簡単に変えられるもんじゃないですよね。
     
    演技をする上で、理論として、「感情」そして「行動」という順序があったりします。

    「ふざけんな!」という感情があって、机をたたく、みたいな感じです。

    当然、感情がわいて、行動に移行していくのが好ましいわけです。
    感情もわいていないのにこのシーンをやったら、寒過ぎて見てられません。

    ただね、先に行動をやってみると、感情がわいてきたりすることがあります。

    机をたたいてから「ふざけんな!」って叫ぶ具合です。

    一回やってみてください。(あ、今、外出中の人はやらないでくださいね。周りにビックリされるのでね。)

     
    はい、最初のは「ふざけんな!」という感情が机をたたかせてるのに対して、後のは、机をたたくという行動が、「ふざけんな!」という感情を引っ張り出してるってことになるんですね。

    もちろん、実際の演技はそんな単純な話ではありません。

    でも、人間って案外、行動に感情が引っ張られる生き物なんですよ。

    で、これ、別に演技の話だけじゃないんです。
    実生活でも、かなり同じことが起こっています。
     
    よく啓発本とかで、「内面を変えろ!」「自信を持て!」「強い心を持て!」なんて言葉を見かけます。

    別に間違ってないんですよ。
    でもね、困ってるのは【今】なんですもんね。
    そんな急に中身変わらんよって話でもある。

    だったら、先に外側を変えてみればいいんじゃないですかって話。

    髪型を変える。服装を変える。姿勢を変える。話し方を変える。
    何なら、整形してみる。

    全部、行動です。

    で、不思議なことに、人間って外側が変わると、少しずつ内側も引っ張られていくんですよ。 

    例えば、ずっと猫背だった人が、背筋を伸ばして歩くだけでも、少し気持ちが変わったりする。

    暗い色の服ばかり着てた人が、急に明るい服を着るだけで、周りの反応が変わったりする。

    周りが変わると、自分の認識も少し変わる。
    そうやって、人って案外、行動から変わっていったりするんですよね。

    だから、「変わりたいのに変われない」ってところで止まり続けなくてもいいと思うんです。変わる気になるまで待たなくてもいい。

    とりあえず、やってみる。
     
    もちろん、全部うまくいくとは限りません。
    「何か違うな」ってなることもあるでしょう。
    でも、それも含めて前に進んでるわけです。

    自分が求めてる場所さえ、何となくでも見えているなら、道中なんて多少ぐちゃぐちゃでもいいと思っています。

    綺麗に変わろうとしなくていい。

    変な固定観念があるなら、とっとと捨てて、いろいろ足掻きましょうよ。

    次回はこちら→『「もっと良くしたい」のに、その「もっと」が分からない』
    前回はこちら→『不公平は嘆くものではなく、使うもの』
    まとめはこちら→【俳優思考】


     
     
     
    俳優、演出、脚本、劇団主宰、演技講師。 いろんな現場で培ってきた経験をもとに、人間関係や考え方について書いています。一見、俳優の世界は遠く感じるかもしれませんが、日常や仕事にも使えることだらけです。「俳優思考」が皆さまの何かしらになればと思っています。

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