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[スピンオフ1] 交通費くらいは働けよ

    「お前さ、さっきの商談は何なの? どんな価値を生み出したの?」
    私「すみません・・・」

    過去に働いたどこかの会社で起きた、私の価値観を変えた話。

    パワーワードですが、令和のお話。

    数年経った今も忘れない。夏のあの日。

    珍しく上司と往訪先のエリアが被った。
    いつもは上司が一人で出歩く事はないのですが、たまたま出かけてた。
    しかも私と同じエリアに。

    空港のラウンジ。
    「おー菅原。早い時間から空港着いて何してんの? 朝キャバ?」
    喫煙所から出てきた上司とばったり遭遇。
    私「キャバは行かないです。〇〇に行きます」
    「何時から? 午前なら空いてるから一緒に行こうよ」
    昼のMTGがあるから、早めに移動してたらしい。

    私は、上司も知っている老舗企業への訪問。
    隔週で顔を合わせるようにしてたので、用があっても無くても来ていた。
    この日は大した用はなかった。

    先方の事務所が入るビル近くの喫茶店。
    私はタバコは吸わないが、上司に合わせタバコが吸える喫茶店へ。
    アイスコーヒー1杯を注文し、上司がタバコを吸い終わるのを待ち、いざ先方事務所へ。

    商談では現状ヒアリングがメインだった。
    新しい提案はできずとも、課題発掘が1つできた商談だった。
    用がなかった割には、収穫はあった。

    「では、良い夏休みを」
    先方とエレベーターでお別れをした。

    まだタバコの匂いが残る上司とエレベーターで二人。

    「お前さ、さっきの商談は何なの? どんな価値を生み出したの?」

    私「えっ?」

    「えっ? じゃねーよ。どんな価値を生み出したのかって話」

    私「課題発掘ができたと思います」

    「んなのわかってんだよ、同席してんだから」

    私「と、言いますと・・・」

    「あのさー。その課題発掘は電話でよかったんじゃないの?」

    私「確かに・・・」

    「じゃあ、今日はわざわざ来なくても電話で良かったんじゃないのって話だよ」

    私「確かに・・・・・・」

    「普段どんなコミュニケーションしてんの? 事前に電話で課題発掘して、仮説の1つや2つ持って提案しに行けよ」

    私「すみません・・・」

    「すみませんはいらねーから。交通費くらいは働けよ」


     
     
    大学中退。4年間ほぼゲームだけ。それでも今は、上場を目指す会社で事業グロースに携わっています。 子どもたちに残したいのは、「何度でも前へ進める」という希望。その実話を書いています。

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