失敗の数だけ学びの数がある
前回の記事では、
「自分を責めることはできても、自分を知ることはできていなかった。」
そんな私の話を書きました。
では、自分を知るためには、何をすればいいのでしょうか。
私が最初に取り組んだのは、
自分の人生を振り返ることでした。
正直に言うと、最初は気が進みませんでした。
過去を振り返ったところで、何が変わるのだろう。
むしろ、思い出したくない出来事の方が多かったからです。
仕事で思うような結果を出ず苦悩したこと。
怒りに振り回され、転職を繰り返したこと。
人間関係に悩み、誰にも相談できずに苦しんだこと。
親の介護や友人との死別など、人生の中で大きな出来事もありました。
当時の私は、その一つひとつを「失敗」や「つらい出来事」としか受け止められませんでした。
だから、
「これまで失敗ばかりの人生だった。」
そう思い込んでいたのです。
しかし、心理学を学びながら、自分の人生を振り返ってみると、不思議なことに気づきました。
営業として二十年以上働いた経験。
工場での管理業務や現場作業を経験したこと。
接客の仕事や三度の転職。
どの仕事でも、苦労したこともあれば、学んだこともありました。
失敗した経験も数えきれないほどあります。
それでも、その失敗のたびに、
「次はどうすればいいのか。」
「同じ失敗を繰り返さないためには何が必要なのか。」
悩みながらも考え、少しずつ前へ進んできました。
人生を一本の線として振り返ってみると、
それまでバラバラに見えていた出来事が、少しずつつながり始めました。
これまで経験してきたすべてのこと、
そして、怒りや不安に苦しんだからこそ、心理学を学ぼうと思えたこと。
どれ一つとして、無駄な経験ではなかったのだと。
そのとき、私はようやく気づいたのです。
失敗ばかりの人生だったのではない。
失敗を繰り返しながら、学び続けてきた人生だった。
以前の私は、失敗の数ばかり数えていました。
でも、本当に見るべきだったのは、
その失敗から何を学んできたのかだったのです。
心理学では、人は過去の出来事そのものではなく、その出来事をどう意味づけるかによって、その後の考え方や行動が大きく変わると言われています。
過去は変えられません。
でも、過去の意味は変えることができると思っています。
私は、「失敗だった」と思っていた経験を振り返ることで、
「今の自分をつくってくれた経験だった」
と思えるようになりました。
もし今、
「自分の人生には誇れるものなんて何もない。」
そう思っているなら、一度だけ過去を振り返ってみてください。
あなたが失敗だと思っている出来事の中にこそ、
これからの人生を支える学びが隠れているかもしれません。
私にとって自己分析とは、
過去を後悔するためではなく、
人生の中にある学びを見つけるための時間でした。
そして、その学びの積み重ねが、今の私を支えてくれています。
