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1人TOUR DE EURO97 その15 地図にない癜い街 -モンテフリオぞ

    1997幎の倏。
    24歳の僕は、たった䞀人でペヌロッパを90日間かけお䞀呚する旅に出た。

    旅の名前は「䞀人ツヌル・ド・ナヌロ」

    フランスには「ツヌル・ド・フランス」ずいう有名な自転車レヌスがあり、それにちなんで、人生のレヌスずいう意味を蟌めお名づけたした。もちろん僕の旅はレヌスではない。誰かず競うわけでもないけれど過酷さだけは負けおいなかった。

    䌚瀟に人間関係に疲匊した3幎間を過ごし。僕はもう死にたいでも死ぬ勇気はない。最埌にせめお䞖界を芋おみたい。そう思っお䌚瀟を蟞めお党財産をバックパッカヌに詰め蟌んで日本を出たした。

    たった90日間の旅がその埌の人生を確実に倉えたした。
    この旅で、僕はたくさん迷っお、たくさん考えるこずになりたす。
    「自分の人生っお」
    「自分は䜕を求めおいるのか」
    「なぜ、こんなにも遠くたで来たのか」

    今になっお思う。あの頃の自分に䌝えたい蚀葉がある。

    䞖界は、広いようで意倖ず狭い。
    これは、24歳の僕が芋た䞖界の蚘録。

    旅のルヌトを知りたい方はこちらです。

    151997幎7月29日-モンテフリオスペむン

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    その日、僕は「地図にない街ぞ行く」ず決めた。

    聞いた話によるず、山の奥に絵に描いたような癜い街があるらしい。
    地図にも、ガむドブックにも茉っおいない。
    名前だけを頌りに、僕は無謀にも向かうこずにした。
    目的地は―モンテフリオ。
    最寄り駅はトコン。

    駅員さんに聞いたら「ここで降りろ」それだけを頌りに出発するこずにした。
    たぁ無謀な旅だず自分でも思った。
    だっお知らない囜の知らない土地の知らない街に向かうのだ。
    目的すらない。
    ただあるのは癜い街があるずいう本に蚘茉しおいた1行の文章だけだ。

    実はスペむンに行けば沢山癜い街があるず思っおいたけどあれはカタログだけの話で、実際に頭に描いたような街は盞圓田舎らしい。


    駅にすら、地図にもない堎所ぞ

    朝食なしのホテルを出お駅ぞ。
    地図には芋圓たらないトコン駅行きの列車に乗る。
    各駅停車の車窓から、ひず぀ひず぀駅名を確認するしかないから芋萜ずしたら終わり。ゲヌムのようなスリルだ。いや眰ゲヌムかも。

    でもこのゲヌムを絶察にクリアヌしないずいけない自分がた。だった乗り過ごしたら、どこに向かうか知らないから(笑)絶察に降りないずいけない。しかも1日1本しか列車は駅に停車しないのだ。他の列車は通過するので芋萜ずしお降りれないは絶察に蚱されないわけだ。

    高い緊匵感で窓から倖を眺め通りすぎる駅名をみおいる。
    駅員さんが教えおくれた通り5぀目の駅で「トコン」が目に飛び蟌んできた。

    駅名に反射的に立ち䞊がり、ドアが閉たる寞前に飛び降りた。

    降りた瞬間、静寂。誰もいない無人駅。
    列車はすぐに走り去り、砂がこりだけが残った。
    ただホヌムだけがある駅。

    もう戻れないな。ダバむ。
    そう芚悟した瞬間、ちょっずワクワクしおいた。


    道のない道ず、バスのないバス停

    駅前には、茶色い土の道が䞀本。
    右か巊か、どちらを向いおも地平線のように続いおいる。
    あるのは目の前に広がる広倧なオレンゞ畑だけ。

    欲芋るず駅門の暪に駅舎があり駅員のオゞサンが䞀人座っおいた。僕はモンテフリオぞの道を尋ねおみる。するずオゞサンは、
    「巊ぞ行け。十字路でバスを埅お」
    そんな感じのこずを匷いナマリのスペむン語で蚀っおいる。

    半信半疑で巊ぞ進む。たぁ道は右か巊かしかないので進むしかない。
    やがお珟れたのは、芋通しのいい十字路。
    暙識もバス停もない。オレンゞ畑の䞭にある十字路ずいう感じ。

    車が少し行き来する皋床。バス停もないから、十字路に腰を䞋ろしおバスを埅぀こずにしお30分、いや1時間 。バスは来ない。
    流石に遅いので心配になり間違えたかな~ず思い駅に匕き返すか考えだした時に、遠くから゚ンゞン音ず共にボロむ芳光バスが1台走っおきた。
    バスだず思っお、止たっおくれるず思った瞬間―バスは十字路を党力で通り過ぎおいき砂煙が舞い䞊がり僕は煙を払いながらバスをみお、

    「ちょ、埅っおぇぇ」
    思わず党力で手を振る。
    するず100メヌトルほど先で、バスがキキヌッず急停車。
    ドアが開いお運転手が手で「乗れ」ず合図しおくれた。

    バスに乗り蟌むが䞀切英語は通じない様子。
    でも「モンテフリオ」ず蚀った瞬間、かろうじで理解したのか運転手はうなずき無蚀でドアを閉めお、たた走り出した。たったそれだけで、ものすごく安心し、着いたら教えおくれるだろうずなぜか思っお䞀番前に座る。

    癜い街、そしお“地球最埌の人”の気分

    バスは山を越え、さらに山を越える。
    どこたで来たのか分からない。
    もし今、事故しお死んだら日本の芪に連絡がいくのだろうかそんなこずを考えおしたう。それほどの奥地感だ。

    1時間ほど走るず、突然、遠くの䞘に癜い街が芋えた。
    䞀際目立぀䞘があり、その䞘に教䌚が立っおいる。
    思わず声が出た。
    「おお  あれだ」

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    昌の2時半、モンテフリオ到着。村の入り口にバスは停車。
    芳光客はいない。䜏民が䜕人かバスにいお党員ここで降りた。
    村は静たり返っお静か。人の気配がほがない。
    ここにきお思ったのは、ここに宿があるのかずいうこず。ひょっずしお芳光客がくる堎所じゃないなら宿がないかもしれない。もし宿がなければどうしよう。ずりあえず、宿探しをするために村に入る。

    䜕人か遊んでいる子䟛や店番をする人がいお、尋ねるが英語は党く通じない様子。身振り手振りで宿はどこず尋ねおみる。

    青幎らいしき人に声をかけるず、僕の栌奜をみお旅行者だずみお、宿探しをしおいるず勘づいおくれたのか、こっちにこいず案内しおくれる。
    普通、こういう勧誘は危ないのだけど、この時は信甚しお぀いお行く。
    案内しおくれたのは、スヌパヌの2階。

    ホテルの看板はないし、あっダバむ。たたは勘違いされたか
    そしお2階に䞊がるず老婆が出おきお郚屋を案内されお宿泊斜蚭だず知った。
    気が付けば青幎はもういなくなっおお、隙したのではなく芪切に案内しおくれおいたようだ。党く蚀葉の通じない老婆ず亀枉が始たり䞀苊劎。

    ずりあえず、お金を支払い1泊するこずになった。
    宿が確保でき、倀段も激安だった。

    たぶしすぎる倪陜ず、静かすぎる昌䞋がり

    郚屋に荷物を眮いお、䞘の䞊の教䌚ぞ向かっおみた。
    静かな街で人もほがいないけど、店ずいうほどでもないけど出店みたいな感じで野菜が売られおいたので僕は荷台に乗っおあるトマトずキュりリを買い袋に入れおもらった。汚れおいるので埌ろにある村の䞭心らしき堎所の噎氎で野菜を掗う。たた袋にいれお䞘の䞊の教䌚を目指した。

    ゆっくり道を探しながら教䌚に向かい、䞘を登り蟿り着いたけど、倧きな教䌚の門は閉たっおいた。
    スペむン特有の“シ゚スタ”昌䌑みの時間らしい。

    街党䜓が昌寝しおいるように、誰もいない。
    颚の音ず、僕の足音だけ。

    䞘の䞊から芋䞋ろす癜い街ずオレンゞ畑の山。
    その颚景は、䜕癟幎も前から倉わっおいないように思えた。

    「地球から人が消えお、僕だけが残ったら――」
    そんな考えが頭に浮かんだ。

    以前、䌚瀟で毎日深倜たで働いおいたずき、
    「䞀人になりたい」ず願ったこずがあった。

    でも実際に“ひずりきり”の静寂に包たれるず、それは想像よりずっず寂しい。
    人がいない䞖界なんお、きっず息苊しいだけだ。そんな孀独、孀立の䞖界にいおもきっず楜しくないず思った。

    もし䞀人なら䜕のために生きる
    きっず生きおいく生きがいを芋倱い、ただただ生物的に寿呜が尜きるのを埅぀だけになるかもしれない。

    今日生きるための食糧を探し、䞀日を生き延びおいく。それを繰り返す。䜕十日、䜕癟日、䜕千日ず。そしお现胞が埐々に機胜しなくなるようになり死を迎える。それっお䜕のために生きおいる

    人は人ず共に生きるから生きおいける。
    もし二人ならきっず䞖界はかわる。
    アダムずむノのように、二人いるなら新しい䞖界を぀くれるのだ。

    そうやっお子孫を残し増えおいくなかで家族ができ小さなコミュニテヌが生たれ瀟䌚が圢成されおいく。

    でも増えすぎるず争いが生たれる。
    ちょうどいい芏暡。

    ちょうどいいコミュニテヌ。

    ちょうどいいサむズ。

    そんなこずを考えおいた。

    結局僕も、自分のサむズ感を越えた䞖界で苊しみ人間関係が嫌になり飛び出した偎の人間だ。どちらかずいうず䞊手くやっおいけなかった偎なのだ。
    あの時は、䞀人になりたい党郚が嫌になり逃げだしたいず思ったけど、この星で䞀人になりたいわけじゃない。

    自分のサむズをきっず求めおいたんだ。
    旅を通じお僕は自分を芋぀める時間を手にしたこずで、
    自分を取り戻すように自分のサむズを探しおいる気がした。

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    少女の笑顔ず、叀時蚈の音

    気が付けば倕方。随分ず長くこの堎所に座っおいた。
    埌ろの教䌚の鐘が倧きく鳎り響き山の䞭にこだたする。

    するず、たるで鐘の音が魔法を解くように玄関から人が出おきた。
    子どもたちの声が広堎に響く。さっきたで嘘のように人がぞろぞろず芋え出しお死んでいるような村が実は生きおいる村に倉わった。
    止たった血が流れだし心臓が蘇生するかのようにドクンドクンず村が動き出した。

    急に嬉しくなり僕は村に行こうず䞘を䞋りおいるず、数人の子どもが僕の前に集たった。旅行者が珍しいのか、僕に興味接々。
    「オラオラ」ず笑顔で話しかけおくる。

    その䞭のひずり、小さな女の子が僕の靎ひもを芋぀め、僕に近づいおしゃがんで、静かに結び盎しおくれた。

    䜕も蚀わず、結び終えるずニッコリ。照れながら友達の方に走り去り笑った。
    あの真っすぐな笑顔が僕は忘れられず今でも芚えおいる。
    玔粋っおこういうこずなのかもしれない。

    靎玐がほどけおいおは危ないから、それをそっず䜕も蚀わずに結んでくれる。
    少女の口は䜕も語らないけど、目で旅の無事を祈っおくれおいるように感じたからです。

    月明かりの倜ず、カチカチずいう音

    倜、宿に戻っお翌朝のモヌニングコヌルを頌もうずしたが、
    もちろん通じない。
    玙に時蚈の絵を描いたら、
    おばあちゃんが叀いれンマむ匏時蚈を持っおきた。

    たさかのアナログ骚董品屋でしか芋たこずがない品。

    ただ、動くのかそれが問題だ。
    れンマむを巻く手に力が入る。

    倜、䜕もするこずがなく早めに寝るけど月明かりが郚屋を照らし意倖ず明るい。カヌテンを閉めるず少し怖いので月あかりを取り蟌みながら眠りに぀くけど、カチッ、カチッ、カチッ ず時蚈の音がやけに倧きく聞こえ、党然眠れない。そしおたたにカチッず音が止たる。そのたた30秒ほど音が止たり、たたカチッず音が鳎るので時蚈が正確なのか心配になっおくる。

    僕は腕時蚈ず目芚たし時蚈を芋比べお䜕床かチェック。
    少し遅れおいるけど倧䞈倫か  。そんな事をしおいたから気になっお寝れなかった。

    この旅で孊んだこず

    1. 適圓に行っおみるず、奇跡が起きる。

    2. もし地球䞊で最埌の人になったら、きっず寂しい。

    3. れンマむ匏でもいいから、目芚たしは持っおいけ。

    次回は、その16 蚀葉が通じずドむツ人から〇〇をもらった話です。


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