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1人TOUR DE EURO97 その19 〇〇を泚文したのにムヌル貝が倧量に出おきた。

    1997幎の倏。
    24歳の僕は、たった䞀人でペヌロッパを90日間かけお䞀呚する旅に出た。

    旅の名前は「䞀人ツヌル・ド・ナヌロ」

    フランスには「ツヌル・ド・フランス」ずいう有名な自転車レヌスがあり、それにちなんで、人生のレヌスずいう意味を蟌めお名づけたした。もちろん僕の旅はレヌスではない。誰かず競うわけでもないけれど過酷さだけは負けおいなかった。

    䌚瀟に人間関係に疲匊した3幎間を過ごし。僕はもう死にたいでも死ぬ勇気はない。最埌にせめお䞖界を芋おみたい。そう思っお䌚瀟を蟞めお党財産をバックパッカヌに詰め蟌んで日本を出たした。

    たった90日間の旅がその埌の人生を確実に倉えたした。
    この旅で、僕はたくさん迷っお、たくさん考えるこずになりたす。
    「自分の人生っお」
    「自分は䜕を求めおいるのか」
    「なぜ、こんなにも遠くたで来たのか」

    今になっお思う。あの頃の自分に䌝えたい蚀葉がある。

    䞖界は、広いようで意倖ず狭い。
    これは、24歳の僕が芋た䞖界の蚘録。

    旅のルヌトを知りたい方はこちらです。

    191997幎8月2日-マルセむナフランス

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    情熱の囜スペむンを出囜する。

    僕は5時50分に起き、眠い目をこすりながら急いでチェックアりトした。
    向かうはサンツ駅。6時40分に到着し、6時50分発の列車にギリギリ滑り蟌んだ。

    バルセロナを出お、3぀の駅を経由しおフランスの南郚の枯町マルセむナぞ向かう。CERBERE駅で乗り換え、さらにNARBONNE駅ぞ。
    無事に乗り継ぎをしお目的地のマルセむナに着いたのは、午埌3時43分。
    ロヌカル線を䜕床も乗り継ぐ䞀日だった。

    ようやくスペむンを抜け、フランスぞ戻っおきた。
    「やっずあの暑さから解攟だ」
    灌熱のスペむンずポルトガルを思い出しながら、ホッず息を぀いた。
    それにしおもスペむンっお異垞に暑い囜。䞍思議なほど暑い(笑)

    バルセロナではいろんな人ず出䌚った。
    特に最埌の倜、同じ郚屋になった日本人旅行者ずは、深倜たで語り合った。䞍思議ずどこのナヌスホステルにも日本人がいるものだ。旅先でのほんの少しの日本語が、心を支えおくれる。情報を亀換し、それを元にルヌトが倉わるこずもあった。そういう出䌚いが旅を豊かにしおいく。

    ただ旅は序盀。
    宿探しに苊劎しながら、地球の歩き方だけを頌りに情報を集めおいた。
    口コミや噂が、唯䞀の新たな情報だった。今のようにスマホで怜玢ずかできない。本の情報も最新ずは限らないから結局珟地に行っおみないず分からないずいうのが本音だった。

    スペむンの総括をするなら――
    芞術の囜、果物の囜、そしお情熱の囜。
    物䟡も安く、旅の予算をしっかり抑えられた。
    駅でよく飲んだオレンゞゞュヌスは栌別だった。
    「日本の果汁100っお、やっぱり違うな」ず思ったほど。

    スペむン人はルヌズでいい加枛なずころもあるけれど、笑顔ず陜気さがすべおを蚱しおしたう䞍思議な囜。

    地䞭海の銙り ― コヌトダゞュヌルぞ

    次の目的地は地䞭海沿いのリゟヌト゚リア「コヌトダゞュヌル」
    マルセむナ、ニヌス、モナコ  。のあたりを指す呌び方らしい。
    気候もよく、芳光客も倚く、䞖界䞭の富豪が別荘を持぀華やかな堎所。

    スペむンの田舎を抜け、バルセロナの郜䌚を経お、
    今床はセレブな゚リアぞ。
    コヌトダゞュヌルその響きに、少し緊匵しながらもワクワクしおいた。

    マルセむナは枯町。
    矎しいペットハヌバヌず、名物のブむダベヌスが有名だずいう。
    本堎の味を食べるこずが、この街での楜しみのひず぀だった。

    ただ、最埌の列車は遅れ、満員で2時間立ちっぱなし。
    朝も早かった僕は、くたくたに疲れおいた。

    倕方4時半、ようやくマルセむナ駅に到着。
    だが旅人にずっお、䌑む前にやるべきこずがある――宿探しだ。

    地図を片手に地䞋鉄ずバスを乗り継ぎ、郊倖のYHを目指しお、駅や枯から離れたで䞍䟿だ。なんずか蟿り着きベッドがあるか聞くず空いおいたので本圓にホッずした。ここたで来お満宀なら、どうしようず思う。

    宿の人が泚意点を蚀いながら聞いおいるず小さな町だから倜9時には亀通機関が止たるらしい。倜は早めに戻るように蚀われた。バスがなくなるらしい。

    ずりあえず荷物を眮くず、バスに乗り芳光地の枯ぞ向かった。
    倜の街は灯りに包たれ、ペットのシル゚ットが矎しい。
    レストラン街は賑やかで、どこも楜しげ。
    けれど䞀人で入るのは、やっぱり勇気がいる。


    オむスタヌ事件 ― 異囜の誀解ず恥ずかしさ

    「せっかくだからブむダベヌスを食べよう」ず決意しお店に入る。
    ブむダベヌスだけを泚文するず、店員は「それだけ」ずいう顔。
    写真のないメニュヌを前に、正盎䜕が曞いおあるのか党く分からなかった笑

    出おきたスヌプは、濃厚で魚介の旚味が凝瞮された䞀杯。
    日本で食べたこずのない、たさに海の味ずいうか家庭の味で矎味しい。感動しながらスヌプをすすった。これだけで95フラン玄2100円予算的に少し高いけれど、その䟡倀はあった。でも1杯で店を出るのは気を䜿う。

    次に、呚りをみおもみんな「生ガキ」を食べおいる。どうも名物らしい。
    流石にブむダベヌス1杯では悪いので生カキを泚文するこずにしたけど名前が分からない。店前に行き、䞊んでいるカキを指さし泚文。カキの単語が分からず、ゞェスチャヌで䌝えた。
    15分ほど埅たされ、遅いなず思っおいたら、テヌブルの䞊にドンず運ばれおきたのは熱々のムヌル貝がぎっしり入ったバケツだった。

    「違う僕はカキが食べたいんだ」でも蚀葉が通じず、店員ず口論になる。
    指をさしおも、蚀葉も䜕も通じない。
    その時、隣の垭の䞭囜人が助け舟を出した。
    「オむスタヌ、っお蚀いたいんだろ」

    オむスタヌあっそうだ僕は思い出した。オむスタヌ゜ヌスだ
    日本のテレビでオむスタヌ゜ヌスの意味を説明しおいるのを思い出した。そうだ、カキはオむスタヌだ。

    「Yes! Oyster!」ず自信満々に叫んだが、時すでに遅し。
    店内は隒然、僕は完党に目立っおいた。
    お前はムヌル貝を頌んだ「いやオむスタヌだ」で口論。

    結局、ムヌル貝は䞋げられ、店員は怒っお戻っおいった。
    僕も怒っお店内は隒然。

    レゞに行き、店を出ようずしおブむダベヌスの倀段の95フランを支払うず、プラス75フラン請求されお、たた口論。

    氎代の15フランだけ眮いお、「食べおないし泚文もしおない」ず怒りず恥ずかしさの䞭、顔を赀らめお店を飛び出した。

    埌ろから远いかけられないか心配したけど远っおこなかったので助かったず思いながら、倧恥をかいた僕。本圓は僕が間違えおいたんだず思うけど、埌に匕けず喧嘩になった。

    それでもこの事件で、「カキオむスタヌ」を䞀生忘れない単語ずしお刻んだ笑

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     奇跡の分岐点 ― 呜を分けた右折

    YHに戻るために地䞋鉄に乗り駅を降りたのは倜9時。
    バス停に行くず、もう終了しおいた。ダバむ。本圓にもう終わっおいた。
    地図も曖昧なたた、勘だけを頌りに暗い田舎道を歩くこずにしおYHたで歩いお垰らないずいけない。ずりあえず方角はこっちずいうこずで進む。

    1時間ほど歩いた頃、絵にかいたような分岐点に差し掛かる。
    右か、巊かの分かれ道。
    どちらに進むべきか分からない。
    どうしよう。䞡方ずも䌌たような道。そこで少し悩みながら考えた。
    車が䜕台か右の方を走っおいる。巊は1台も車が走っおいかない。だから僕も右遞択しお進むこずにした。

    そしおたた15分ほど歩く。

    するず――
    僕の目の前で、車ずバむクが激突。
    バむクは滑り、りむンカヌの砎片が足元に飛んできた。そしお倧きなバむクがⅿほど前にズッヌヌヌヌず滑り向かっお岩にあたり止たった。

    あず3秒前を歩いおいたら 僕は確実に巻き蟌たれおいたかも。バむクにぶ぀かっおいたかも。

    倒れたラむダヌは倧きな怪我ではなさそうで、起き䞊がり車の運転手ずもめだした。僕は震えながら、その堎を離れYHぞ戻る。

    ここたで来おYHがなければ最悪だず思い、今曎駅に匕き返せないし、こんな暗い道で野宿も出来ないし、どうしようず思いながら進むず光が芋えお、それがYHの光だず気が付く。倜みるず党く景色がかわるので、こんな道だったのかず思いながらも無事にYHに蟿り着いた。

    心の底から「YHたで垰れおよかった」ず思った。

    シャワヌを济びながら、考えた。
    人生は無数の歯車でできおいる。噛み合えば奇跡が起こり、狂えば悲劇になる。もし巊を遞んでいたら、3秒前を歩いおいたら、僕の人生はどうなっおいたのかな生きおいるっお奇跡の連続なんだず思う。


    この日の教蚓

    1. カキはオむスタヌ。

    2. 怒っおも、自分が悪ければ玠盎に謝ろう。

    3. 䞀人旅の盎感は、案倖あなどれない。

    次回は、その20 マルセむナのビヌチで1日過ごしおみた話です。


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    はじめたしお。けんいち です。 海倖暮らしの䜜家noteで぀ながる「曞く」を愉しむコンセプトの電子文藝倶楜郚『月刊電子文藝』運営・線集長kindle曞籍57冊、ベストセラヌ15冊手曞き挫画パンダのパン子シリヌズTalesにも挑戊。䞖界35カ囜旅䞊海垂圚䜏

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