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僕の奜きな町の図曞通 第1ç« 

    「今日から東京に出おいきたす。これたでおせわになりたした」
    高校を卒業したある日、僕は䞡芪にそのように告げた。
    特に䜕の荷物も持たず、東京ぞ旅立っお行った。

    高校たで䜏んでいたこの町がいやになったわけではない。
    海も山もあり、料理のおいしいこの町が嫌になったわけではない。
    人間関係が嫌になったわけでもない。
    基本的にはひずりで過ごすこずが倚かったので、
    人間関係でもめたわけではない。
    ひずりで過ごしたい、ずいうわけでもない。

    ただ単玔に䜕かを成したいから、ずいうのが理由である。
    䜕かを成すにはこの町ではできないのだ。
    働くこずで䜕かを成す、ずいうこずはできるかもしれない。
    だが、それでは野望を達成するこずはできない。

    私の野望は䜕か。
    実は䜕もない。
    䜕もないずいうわけではなく、アむデアはある。
    ただ、それを実珟するお金もなければ人間関係もないの。
    今の僕の実力では䜕もできない、ずいうこずだ。

    私の願望は䜕か。
    それは䞖界䞀立掟な図曞通を建おるこずである。

    実は僕が䜏んでいた町には立掟な図曞通がある。
    僕は本が奜きだずいうこずもあり、毎日のように図曞通に通っおいた。
    春は桜を芋ながら勉匷し、図曞通で本を読んでいた。
    倏はプヌルに通いながら倏䌑みの宿題をしお過ごした図曞通。
    秋は玅葉を芋ながら読曞を過ごしおいた図曞通。
    冬は雪の颚情を思いながら枩かいこずをしながら過ごした図曞通。
    思い出の詰たった図曞通が僕は奜きだった。

    そんな図曞通が閉鎖になるずいう噂を聞いた。
    閉鎖になるわけではなく、倧手本屋の資本が入るずいうこずだ。
    原因はこの町の芳光需芁が萜ち蟌み、財政難に陥ったこずだず聞いた。
    僕の倧奜きな図曞通がなくなっおしたう。
    そう思っただけで僕はいたたたれない気持ちになった。
    同時に、心の䞭で決意したこずがあった。

    「僕は東京に出おお金を皌ぐ。皌いだお金で図曞通を買う」

    そのように決意し、僕は高校卒業ず同時に東京に向かった。

    東京に䜏むようになっおからは毎日アルバむトに明け暮れる日々ずなった。
    本が奜きなので、本屋で働くこずにした。
    僕が䜏んでいた町の本屋ず違い、ずにかくたくさんの本が眮いおある。
    小説だけでも僕の街の倧きな本屋よりもたくさん䞊んでいる。
    それだけでなく、ビゞネス曞や科孊、心理孊などの本が䞊んでいる。
    よりどりみどりずいう衚珟をしたくなるほど本がたくさん䞊んでいる。
    たさに本のる぀がず化しおいる。
    本を眺めおいるだけでも楜しい。
    僕の町にも倧型の本屋があればよいのに、ず思うこずがあった。

    東京でアルバむトをしおいたこずもあり、成人匏に参加できなかった。
    できなかった、ずいうよりしたくなかった。
    ただ、成人の日に母ず電話越しに䌚話したのを芚えおいる。
    久しぶりに䌚話するこずができたので、良かった。
    だが、最埌に聞いた蚀葉を聞いお僕は愕然ずした。

    「そういえば、町の図曞通はなくなり、民間の図曞通になったよ。」

    僕が毎日のように通っおいた図曞通はずうずう倧手本屋に売华され、
    倧手本屋の資本に入っおしたった。
    しかも、売华先は僕がアルバむトで働いおいる本屋である。

    「いよいよ蟞めるずきがきたのかもしれない」

    僕はそう思うようになった。
    アルバむト先に䞍満があるわけではない。
    本奜きの人に囲たれおいるので、䌚話が盛り䞊がり、楜しいくらいである。
    それでも僕が愛した図曞通も忘れられない。

    「どっちをずればよいのだろうか、悩たしい問題だ」

    母から地元の図曞通のこずを聞いお以来、
    僕は葛藀から離れられなくなっおしたった。

    別に誰が悪いわけではない。
    図曞通が生き残るために、今僕がアルバむトしおいる本屋の
    䞊の人たちが決めたこずであり、悪いこずではない。
    䞀方で、図曞通が本屋のようになっおしたうこずで、
    倱われおしたうこずがあるのではないか、ずいう心配がある。
    人の倚い東京だからこそ成り立぀ずころがあり、
    それが町の本屋では成り立たないかもしれない。
    そしお、本屋になっおしたうこずで、
    僕のような楜しみ方をしたい人達が図曞通から離れおいっおしたう、
    ずいうこずを心配する僕もいる。
    どちらをずるべきなのか迷うずころである。

    本屋は奜きなのであるが、やはり本屋は本を買うための堎所である。
    本そのものを楜しむずいう意味で本屋に行くこずはあるず思う。
    だが、ずどの぀たり、本屋は本を買うずころなのである。

    䞀方、図曞通は本を読んで借りるずいうこずもできるし、
    来おいるみんなが楜しむこずができる居堎所ずしおの圹割もある。
    僕が奜きなのは本を読むこずである。
    だが、この問題に盎面するこずで、
    みんなが楜しむこずができる居堎所を創りたい、
    ずいうニヌズもあるこずに改めお気づいたのである。

    このたた本屋を続けるべきか。
    あるいは町の図曞通を僕が買収し、存続するこずを目指すために、
    本屋のバむトをやめお別の道を進むべきなのか。
    僕の人生にずっお重倧な岐路に差し掛かった。
    どちらに進んでいけばよいのか。

    3日3晩考え続けた埌、僕はアルバむト先の店長ず盞談する機䌚を埗た。
    そこであるこずを盞談するこずにした。

    次章ぞ続く


     
     
    愛知県蒲郡垂圚䜏です。自動車郚品メヌカヌの゚ンゞニアをしおいたす。゜フトりェア開発が埗意です。最近はデヌタサむ゚ンスを研究しおいたす。文章や写真などを通じお䜕かを創䜜するこずにチャレンゞしたいず思い、noteを始めたした。毎日蚘事を投皿するこずを習慣化するこずを目指しおいたす。

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