見出し画像

失敗が怖くて始められないあなたへ――ケネディの言葉から考える、動かないことの代償

新しい仕事を始めたいと思って、本を買います。発信の方法を知りたくて、講座も調べます。それでも、いざ自分の文章や企画を人に見せようとすると、手が止まってしまうことがあります。

「まだ勉強が足りないかもしれません」「失敗したら、時間もお金も無駄になるかもしれません」。そう考えると、もう少し準備を続けるほうが安心できます。

私も、これからの仕事や学びについて考えるとき、うまくいかなかった場合のことが気になります。けれど、そのまま始めなかった場合に何を失うかは、つい後回しにしてしまいます。

今回は、ジョン・F・ケネディの言葉として伝えられる一文を手がかりに、この二つを考えてみたいと思います。

こんな人におすすめ

  • 定年前後の新しい仕事を考えながら、最初の一歩を踏み出せずにいる人

  • 本や講座で学んだことを、文章やサービスにして届けたい人

  • 失敗への不安から、企画を温め続けている人

  • これまでの経験を生かして、仕事や人とのつながりを増やしたい人

ケネディの言葉が問いかける、何もしないことの代償

アメリカの第35代大統領、ジョン・F・ケネディの言葉として、次の一文が伝えられています。

There are risks and costs to a program of action, but they are far less than the long-range risks and costs of comfortable inaction.

行動には危険や代償がある。しかし、安楽に何もしないことが長期的にもたらす危険や代償は、それより大きい。

米国雇用機会均等委員会(EEOC)の会議記録でも、ケネディの言葉として引用されている一文です。eeoc.gov

私が目を留めたのは、「何もしない」に添えられた comfortable という言葉です。「心地よい」「安心できる」という意味があります。

慣れた仕事や暮らしには、安心があります。手順が分かり、自分にできることも見えています。その安心を大切にしながら、これから育てたいものにも時間を使えているでしょうか。

私はこの言葉を、そんな問いとして受け取りました。

1.失敗の損失は見えるけれど、逃した機会は見えにくい

noteに記事を書けば、読まれないことがあります。新しい企画を人に話しても、思ったほど興味を持ってもらえないかもしれません。

文章を書く時間や、説明するための準備は、自分が使った時間としてはっきり見えます。反応が薄ければ、「やらなければよかった」と感じる日もあるでしょう。

一方、記事を書かなければ、感想をもらう機会は生まれません。企画を話さなければ、相手が何に困っているかを知るきっかけも逃してしまいます。

失敗した結果は目に見えますが、出会えたかもしれない人や、得られたかもしれない学びは、目の前には現れません。そのため、始めるときの負担だけが大きく感じられることがあります。

たとえば、長年の仕事で何度も聞かれた質問があるなら、その答えを短い記事にしてみます。多くの人に読まれなくても、一人から質問が返ってくれば、次に何を書くかを考えられます。

その反応は、さらに本を読むだけでは得られなかった情報かもしれません。

あなたが今、失敗を心配していることは何でしょうか。その心配と並べて、始めないまま逃している機会も一つ書いてみると、選び方が変わるかもしれません。

2.今のままでいることにも、時間の代償がある

50代・60代になると、仕事だけでなく、健康や家族との時間も大切になります。新しいことに使える時間は人によって違いますし、毎日を落ち着いて過ごしたい気持ちも自然です。

だからこそ、何を始めるかとともに、何を先延ばしにしているかを考えたいと思います。

「いつか英語で案内したい」「いつか自分の経験を記事にしたい」と思っていても、始める日は自然には決まりません。今の仕事を続けるうちに、半年、一年と過ぎることもあります。

その間に学べることはあります。一方で、実際に話す練習や、文章への反応を受け取る経験は、始めたところから少しずつ増えていきます。

もちろん、休養が必要なときや、家族の事情で動けない時期もあります。そうした時間まで「何もしない危険」と呼んで、自分を追い立てる必要はありません。

私が考えたいのは、準備に一区切りをつけられるかどうかです。

「本を一冊読み終えたら、300字書いてみます」「今月中に、企画を一人に話します」。始める条件と時期が決まると、準備の先に行動が見えてきます。

もし半年後も同じ準備を続けていたら、自分はどう感じるでしょうか。その問いは、今の時間の使い方を見直す助けになると思います。

3.引き受けられる大きさまで、挑戦を小さくする

行動に危険や代償があることも、この言葉の大切な部分です。

新しい事業に多くのお金を使ったり、今の仕事を急に手放したりすれば、暮らしへの影響は大きくなります。最初に試す方法は、自分が引き受けられる範囲で考えたいです。

発信なら、毎日更新を約束する前に、短い記事を一本書いてみます。サービスづくりなら、道具をそろえる前に、誰に何を届けたいかを一枚にまとめます。

試すための時間や費用に上限を決める方法もあります。週に一時間なら使えるのか。今ある道具でできるのか。反応が薄かったら、どこを見直すのか。

ここまで考えると、漠然とした「失敗への不安」が、具体的な準備に変わっていきます。

学んだことを小さく形にし、人に見てもらいます。その反応を受けて、また学びます。この往復によって、自分の経験が誰の役に立つのかも、少しずつ分かってくるはずです。

Kemmotsu's View

私の場合は、函館や道南での街歩きガイド、サイクリングガイドに、この言葉を重ねています。

地域の歴史や自然を学び、案内の内容を充実させたいと思っています。ただ、知識を増やすだけでは、参加する人がどこに興味を持つかまでは分かりません。

目の前の景色を見ながら、どんな言葉で説明すれば伝わるでしょうか。どこで立ち止まると、話を聞きやすいでしょうか。そうしたことは、現地で確かめながら考えていきたいです。

英語の学び直しでも、結果が思い通りになるとは限りません。TOEIC Speakingでは、目標の160点に10点届きませんでした。悔しさはありますが、次の練習を考えるための結果でもあります。

最近は、朝食やジムでの運動など、身近なことを英語で話す練習もしています。言葉が出なければ、短く言い直します。生活の中で少しでも使ってみることを、続けたいと思っています。

これまでの仕事や自転車に関わってきた経験に、新しい学びを重ねます。そして、案内や文章として人に届けてみます。

私もまだ途中にいます。将来の成果を確信できなくても、試したことで分かったことを、次の一歩に生かしていきたいです。

まとめ:今日からできるアクション

何かを始めるときには、時間や費用がかかります。思い通りにならないこともあります。それと同時に、始めないまま過ぎる時間にも目を向けてみたいと思います。

今日、次の三つを書いてみてはいかがでしょうか。

  • 始めたいのに、先延ばしにしていることを一つ書きます。

  • 始めた場合の負担と、半年間始めなかった場合に逃しそうな機会を並べます。

  • 今週、自分が引き受けられる範囲で試すことを一つ決めます。

大きな決断まで進まなくても、短い文章を書いたり、一人に相談したりするところから始められます。

これまでの時間を責めるより、これから使える時間に目を向けたいです。私も皆さんと一緒に、自分に合った一歩を選んでいきたいと思います。

関連記事


いいなと思ったら応援しよう!