30年間、大腸癌になると思って生きてきた私が大腸癌と告げられた
極端に記憶力が悪くなったのは、母が亡くなったからではないかと思っています。
今となっては、その前の記憶も朧げで、その仮説が定かであるかどうか検証できませんけれど。
辛いことは脳裏に留めず、前を向いて生きていくための知恵。そのおかげで、楽しかった記憶も同じように曖昧になってしまうという副作用つきの。
7月の末に受けた健康診断の結果が1ヶ月後にきて、それからあれよあれよと検査が進み、今、病院のベッドで手術に呼ばれるのを待っています。
「大腸癌でした」
生検の結果を聞いたときのことを記録しておこうと思ったのに、先生の表情もその後何を話したかも、もう思い出せません。
やっぱり大腸癌になったか。
よく、癌を告知されたとき、頭が真っ白になったとか、まさか私が癌なんてとか、聞くけれど、私は、来るときがきたなと思っただけでした。
小学生で母を大腸癌で亡くし、20代に父を同じ病気で失って、私もきっといつか癌になるんだと思いながら過ごしてきた30年間。
ついにそのときがやってきたんだ。
2020年に受けた健康診断で、便潜血が陽性になって、大腸検査の予約までしていたものの、世の中は既に医療が逼迫していて、病院に行くことすら憚られ、予約をキャンセルしました。
ここから既に予兆があったのか、今回の癌との関連性はないのか、その後の検診で要検査を指摘されることはありませんでした。
2022年には人間ドックで胃カメラを、2023年には全身CTスキャンを受けるなど、50代に入った私は、少しずつ、自分の身体を丁寧に診てもらおうという気持ちになっていました。
CTスキャンで腎臓の腫瘍を指摘され、2024年にも検査しなかったことに指摘を受けたので、病院を受診し、左の腎臓の腫瘍をとる手術をしました。
結果は良性。
時々感じていた左腹部の違和感は、腎臓手術によるものだと考えて理解するようにしていました。
今年の健康診断で便潜血陽性。
ちょうど少し前に、夫が近所のクリニックで大腸検査を受けたばかりだったので、すぐに検査の予約をしました。
内視鏡カメラを入れたその日のうちに、大腸の画像を見ながら説明を受けました。
まず、奥の方に大きなポリープがありますね。
それから、小さなポリープがいくつか。
一枚目の画像には、素人でもわかるできものがいくつか写っていました。
問題はこちらです。
二枚目の画像は、明らかに色味が違い、おどろおどろしい雰囲気。
内視鏡だけでは判断できませんが、癌の疑いが見られます。これは大きな病院で診てもらった方が良いでしょう。今日明日を急ぐ話ではありませんが、早めの受診をお勧めします。仕事より優先してください。
家に帰って夫に話すと、根掘り葉掘り聞かれたけれど、私がお医者さんから得た情報はザッツオール。
え?もっと詳しく聞かなかったの?
だって、今は生検の結果がわかっていないし、大きい病院の紹介状だって書いてくださるっていうし、大腸検査時間押してて先生忙しそうだったし。
そう言えば、腎臓手術のときも、あまりにも何も聞いてこない私に、夫がイラついていたなぁ。
20代のころから病院通いが続いていた私は、この辺りの神経も鈍い仕様に変化しているのかもしれません。
大きい病院は、かかりつけの病院があったおかげで、すぐに診察の予約が取れ、タイミングよく、受診の前日に生検の結果が出たと連絡がありました。
仕事を早めに切り上げ、結果を聞きに。
「大腸癌でした」
内視鏡検査の後の話で薄々わかっていたので、検査結果を聞くまでの方が、不安定だったと思います。
私死ぬのかな?
今年の初めに念願叶ってヨーロッパ旅行に行っちゃったりしたから。
父の後妻さんの依頼で、遺言について考えてたりしたから。
父も再婚後10年足らずで後妻さんを遺して亡くなってしまったから。
えーーーーー、あと一年しか生きられないとかやなんだけど。
そんなことを考えたりもしたけれど、ふと思ったのです。
私は大腸癌では死なない!
だって、両親が大腸癌で、妹まで大腸癌で死んだら、遺された姉はどんなに絶望することか。
それだけは嫌だ。
大腸癌になってしまったことは仕方がないけれど、なんとしてでも生きてやる!
そう決めました。
その強い意志を持って、これから手術に臨みます。
どうか、悪いところ根こそぎとれますように。
