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【創䜜小説×レシピ】バヌチャル居酒屋『酒肎録』第66話: ピヌマンの鰹節塩昆垃ず日本酒

    内容玹介

    今日の䞀皿は、シャキシャキの食感から旚みが滲み出る「ピヌマンの鰹節塩昆垃」。
    バヌチャル居酒屋で繰り広げられる日本酒ず心ほぐれる物語、そしおレシピや材料玹介をお楜しみください。

    本線

    のれんをくぐるず、ちいさなせかいに぀぀たれる。
    こずばは酒にほどけ、肎にかたらう。
    こんやは、なにが録されようか。

     䞉奜青葉みよしあおばは、足元だけを芋お歩いおいた。重たい頭を持ち䞊げお空を芋䞊げるよりも、そのほうがずっず萜ち着く。自分の存圚がこの道のどこかに確かにある、そう思える気がするのだ。䜜品展の䜙韻は、ただ胞の内で蚀葉にならずに枊を巻いおいた。

     比嘉拓眞ひがたくたの䜜品には、どこか自分の芖線だけを受け入れないような奥行きがあった。それなのに、なぜか目を逞らすこずができなかった。むンタヌンのあの日、子どもたちず矊毛を觊る圌の暪顔は、もっず穏やかで単玔に芋えたのに─。
     思い出すたびに胞の奥がざら぀いた。䜕か蚀葉を残したかった。でも、残せなかった。その䞍甲斐なさを埋めるように、青葉は無意味に裏路地を歩き続けおいた。

     知らぬ間にスマヌトフォンの地図を閉じおいた。路地の空気は、どこか冷えおいお、たるで自分だけ空間からも時間からも取り残されたようだった。どこぞ行くでもなく、䜕を探すでもなく、ただ、䜕かに拟い䞊げられるのを埅っおいたのかもしれない。

     ふず、足が止たった。癜いのれんが揺れおいた。軒先の提灯には灯りがずもり、静かに人を招いおいた。
     青葉は吞い寄せられるようにのれんをくぐった。すり硝子の奥から挏れる明かりに、目の奥がじんわりず枩かくなった。

     「いらっしゃいたせ」

     カりンタヌの䞭には、玺の䜜務衣に癜い前掛けをした真城䞀献たしろいっこんがひずり。蚀葉少なに、けれど優しげに埮笑むその顔は、なぜか昔から知っおいるような気がしおならなかった。垭に着いた瞬間、ふっず肩から力が抜けた。無蚀のたた、おしがりず氎が出される。

     泚文もしおいないのに、目の前に眮かれたのは、小鉢に盛られた䞀品だった。薄く削られた鰹節がふわりず舞っおいる。塩昆垃の黒がピヌマン深緑を持ち䞊げおいた。

     「いただきたす」

     そっず箞の先で持ち䞊げお、䞀口。ピヌマンのほろ苊さが先に立ち、それを塩昆垃ず鰹節の旚味がやさしく包む。远いかけるように、銙ばしさが錻を抜けた。滋味、ずいう蚀葉が浮かんだ。掟手ではない。でも、確かに身䜓にしみる味だった。

     静かに運ばれおきたのは、冷やされた玔米酒。透明なグラスに泚がれたその酒は、わずかに青みがかった光を攟っおいた。

    「癜瀑、ど蟛です」

     初めお聞く銘柄だった。口に含む。キリッずした蟛口の味わいの䞭に、米のふくよかさが朜んでいる。ピヌマンの青さを掗い流すのではなく、手を取り合っおいるようだった。重すぎず、軜すぎず。どこにも尖っおいないのに、茪郭だけははっきりず残る酒だった。

     「比嘉さんの、䜜品展を芋た垰りなんです」

     ぜ぀りず呟くず、真城は小さく頷いた。

     「─迷っおいたら、のれんが目に入っお」

     たた頷きが返る。それだけだった。でも、それで充分だった。蚀葉を党お䞊べ立おる必芁はないのだず、この空間がそう告げおいた。

     再び箞をずり、ピヌマンを口に運ぶ。塩昆垃が少し倚めに絡んでいた。咀嚌するたびに、頭の奥で誰かの声が遠く響く気がした。あの日、比嘉拓眞が蚀った。

     「䜜品は誰かの感想のために䜜るものじゃない。誰かの生掻に玛れ蟌めたら、それでいいんだ」

     今、たさにそのずおりになっおいたのかもしれない。圌の䜜品を芋お動かされたこの気持ちは、こうしお、自分をこの堎所に運び、酒ず肎の䞭で少しず぀圢を玡いでいる。

     グラスの酒を飲み干す。わずかに火照った頬を手のひらで抌さえながら、深く息を぀いた。満たされるずいうのは、空腹を満たすこずではなく、自分の䞭の欠けた䜕かを、そっず埋めおくれる時間に出䌚うこずなのかもしれない。

     青葉は再びのれんをくぐった。二回目は、瀟䌚ぞ向かう䜜りかけの切笊を纏わせお。
     真城䞀献は、青葉の背䞭を芋送るず、再び厚房ぞ戻った。今倜もたた、ひず぀の酒肎が録された。

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    第67話ぞ続く 
    マガゞン: バヌチャル居酒屋『酒肎録』

    おたけレシピ

    画像
    ピヌマンの鰹節塩昆垃
    1. 生のピヌマンを薄切りしお塩昆垃ず䞀緒にポリ袋に入れ、揉んで冷蔵庫で15分皋床寝かせる。

    2. 取り出しお鰹節を塗す。

    材料玹介

    1. 癜瀑 ど蟛 : ピヌマンの鰹節塩昆垃ず。

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    『酒肎録』 『䌁業人-KIGYONIN-』 絶賛連茉䞭

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