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【䞖界の党おの囜の小説を読む蚘録#7】アメリカ『魚が存圚しない理由』䜜ルル・ミラヌ【䞖界䞀呚読曞】

    ヵ囜目、アメリカ。メゞャヌな囜のも読んでいく。

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    䞖界䞀呚読曞の個人的なルヌル

    ・長線、短線は問わないが、ちゃんず䞀冊の本を読み切るこず。短線を䞀぀だけ読んで、その囜の小説を読んだこずにする、ずいうのは無し。
    ・珟代小説でも叀兞でも可。
    ・これたでに読んだこずのある囜の小説も改めお読むこず。ただし、これたでに読んだこずのある䜜家・䜜品は遞ばない。
    ・倚重囜籍や移民しおいる䜜家の堎合は、その䜜家が「どこの囜の䜜家」ずしお扱われおいるかでどの囜の小説かを刀断するこず。
    ・䜜家・䜜品に敬意を衚するためにも可胜な限り本を賌入するこず。
    ・読んだらNoteに感想をたずめるこず。ちゃんず読みたした、ずいう蚌明のため。
    ・䞖界地図を䜿っお、読んだ囜を色で塗っおいくこず。わかりやすく可芖化するため。

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    赀色がこれたで読んだ囜。青色がアメリカ。

    ※以䞋、ネタバレを含む個人的な感想です。



    読んだのはこちら。

    ▷楜倩で芋る魚が存圚しない理由


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    装䞁が矎しい。ペヌゞの暪にも䞊にも絵が珟れおくる。
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    ルル・ミラヌずいうサむ゚ンスゞャヌナリストが曞いた、実話を元にしたサむ゚ンスドキュメンタリヌ小説。

    あらすじ
    1851幎〜1931幎に実圚したデむノィッド・スタヌ・ゞョヌダンずいう生物分類孊者がいた。䞖界䞭の生き物、海の魚たちの新皮を芋぀けおぱタノヌルの入った瓶に保存し、名前を぀けおいった人物だが、萜雷・地震・火灜などによっお圌のコレクションは砎壊されおいった。それでも執念深く名前のない生き物に名前を぀ける、ずいう行為をやめなかった  、そんな人物のお話。

    考えおみれば圓たり前のこずだが、生き物䞀぀䞀぀に名前があるずいうこずに今曎ながら驚く。

    皮が違うずいうこずは、䜕かしらの「差異」が明らかになっおいるずいうこずであり、その「差異」を生物分類孊者は解剖なり芳察によっお明確にしおいるずいうこずだ。

    䌌たような怍物は生き物は倥しいほどいる。それを䞀぀ず぀䞁寧に芋極めお分類しおいく  、おそろしいほどに緻密で繊现で、か぀途方もない行為だ。

    本䜜は、そんな行為に魅せられた䞀人のアメリカ人男性、デむノィッド・スタヌ・ゞョヌダンの物語だ。

    「分類されおいない」ずいうこずは、この䞖界が「混沌」であるこずだ。䜓系化されおいない、䜕が䜕なのかがわかっおいない䞖界。

    そんな䞖界においお、「分類しお名前を぀ける」ずいうこずは、この䞖界に「秩序」を䞎える、ずいうこずになる。

    䞖界を「混沌から秩序」ぞ導こうずしたデむノィッド。

    物心぀いた頃から、自然ぞの興味関心が匷く、たた目の前にいる生き物はなんなのか、倜空に浮かぶ星々の䞀぀䞀぀はなんなのか  、などそう蚀う事柄に匷い執着を持っおいた少幎は、生物分類のために生たれおきたような子だった。

    そんなデむノィッドは、やはりその手の道に進み、䞀人の生物分類孊者ずしお名を銳せおいく。

    初めのうちは、どんな困難や苊難に遭遇しおも決しお心の折れないデむノィッドの姿が、䞀皮の偉人倧袈裟に蚀えばヒヌロヌのように描かれる。

    これは30幎かけおデむノィッドが䞖界䞭から魚を集め、゚タノヌルの入った瓶に保管し、䞀぀䞀぀に名前を぀けたコレクションが、地震によっおあっけなく厩壊したあずに、デむノィッドが自ら曞いた蚀葉だ。

    人類が䜕かを蚈画し、䜕かを䜜るずいうこずを始めおから、その努力の結果がこれほどたでに壊滅的に螏みにじられたこずは過去になかった。しかし、この甚倧な惚事が人に味わわせた萜胆など、どれほどちっぜけなものであるこずか。人は垌望に満ち、勇気に満ち、圓人ず未来ぞの自信をみなぎらせる。人は生き残るのだ。運呜を決めるのは人の意志なのだ。

    地震は人を揺るがすこずはできない。火灜は人を焌き぀くすこずはできない。建おた家がもろく厩れおも、その者は家の倖に立ち、もう䞀床家を建おる。偉倧な街を䜜るのはすばらしいこずだが、それよりもさらにすばらしいのは、それが街であり、街は人で成り立぀ずいうこずだ。人は぀ねにみずから䜜り出したものの䞊に立぀。人が行いうるあらゆるものごずよりも、人の内にあるものは倧きい。

    30幎間の自分の努力の結晶がたった䞀回の地震によっお厩壊された埌に、こんな蚀葉を曞くこずのできるデむノィッドの芯の匷さには恐れ入る。これが蚀葉だけでないのは、デむノィッド自身の行動にもあらわれおいる。デむノィッドは厩壊した自分のコレクションを前に絶望するこずなく、䞀匹でも倚く埩元するべくすぐさた行動に移したのだった  。

    初めのうちは、デむノィッドの目的を果たそうずする異垞なたでの執着心がいい方向で描かれる。が、その異垞性が悪い方向ぞ進んでいっおしたうこずになるきっかけがあった  。

    それは「優生孊」ずいう考え方だ。

    簡単に蚀うず、皮には優劣がある、ずいう考え方の䞀぀だ。

    悪い䟋を挙げれば、ヒトラヌのホロコヌストもこの優生孊の考え方に類䌌しおいる。

    芁するに、悪い皮を滅がさなければ人類は悪くなる、ずいう思想にデむノィッドは染たっおしたった。

    デむノィッドは人間こそ皮の頂点だず思い蟌んでいた。そしおその皮の頂点である人間のなかにも、優劣がある、ずした。

    それはデむノィッドだけの発想ではなかったが、圓時の䞖界では人間のなかにも優劣がある、ずいう考えが蔓延っおいた。

    その結果、「䞍適圓」ずいう烙印を捺された人たちぞの「迫害」の歎史が始たる。

    おぞたしいこずだが、倚くの人々に匷制䞍劊治療が行われた歎史があり、デむノィッドもそれを支持しおいた。

    最初は䞖界を「混沌から秩序」ぞ導くために生物を分類しおいたデむノィッドが、人類を分類し始めた結果、悲惚な歎史を産み出す䞀員ずなっおしたい、デむノィッドは人生の幕を閉じる  。

    そしお、ここからが本曞の面癜いずころなのだが、ネタバレが嫌な人や、この本を自分でも読もうかず思っおいる人は、これ以䞊先に進たない方がいいず、改めおお䌝えしおおく。


    デむノィッドは自分の人生を費やしお、䞻に魚類を分類しおいった。

    しかし、埌䞖にお、デむノィッドの人生を翻すような事実が発芋されるのである。

    なんず、

    魚類ずいう皮は存圚しない

    ずいうこずが刀明するのだ。

    僕たちがいわゆる「魚類」だずか「魚」だず呌んでいる生き物は、分類孊䞊は存圚しない。

    僕たちはサメやマグロやタむをひずたずめにしお「魚」ず呌んでいる。しかし珟代の分類孊では、それらをひず぀の自然なグルヌプずしおたずめるこずができない。

    なぜなら、魚ず呌ばれる生き物たちの䞀郚から、䞡生類や爬虫類、鳥類、そしお哺乳類たでもが進化しおいるからだ。

    極端な話をすれば、「魚」ずいう分類を成立させようずするなら、魚から進化した人間たで魚に含めなければならなくなっおしたう。

    そのため珟代生物孊では、「魚類」ずいうたずたった分類矀は存圚しないず考えられおいる。

    ぀たり、デむノィッドが人生をかけお分類しおいた「魚」ずいう存圚そのものが、埌䞖になっお芆されおしたったのである。


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    䞖界を秩序立おようずした男の人生が、
    「そもそもその秩序は存圚しなかった」
    ずいう事実によっお揺さぶられる。

    それが、
    「魚が存圚しない理由」ずいうタむトルの意味に繋がっおくるのだ。

    最埌に

    分類するこず。名前を぀けるこず。䞖界を理解しようずするこず。

    それらは人間にずっお必芁な営みであり、同時に危うさも孕んでいる。

    デむノィッドは䞖界を理解しようずした。そしお䞖界に秩序を䞎えようずした。

    しかし、その秩序ぞの執着は優生孊ずいう圢で暎走し、さらには人生をかけお分類しおいた「魚」ずいう抂念そのものが埌䞖によっお芆されおしたった。

    䞖界は思っおいるほど単玔ではないし、人間が䜜った分類もたた絶察ではない。

    それでも人は、混沌ずした䞖界を理解しようずする。

    本曞を読んでいるず、その営みの矎しさず危うさの䞡方に぀いお考えさせられる。

    個人的には、生物孊や科孊に興味がある人はもちろん、「人間はなぜ䞖界に意味を芋出そうずするのか」ずいう問いに興味がある人にもおすすめしたい䞀冊だった。

    これから「魚」を芋るたびに、僕はデむノィッドの人生ず本曞のこずを思い出すのだろう。


    次回は䞭東文孊、むランを読んでいく。読曞で䞖界䞀呚シリヌズ、次回もお楜しみに。

    ▷楜倩で芋る魚が存圚しない理由

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    愛知県田原垂にある「自分を芋぀けるブックカフェ」の店䞻。 田原垂議䌚議員立候補者 18〜21歳にかけお本を1000冊読み、それからも読み続けおいる。 音楜・アヌト・自然・動物を愛する。ゎミ拟い掻動 小説家。↓著䜜『消え行くたでのせめおもの間に』

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