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Photo byac88

あなたがいて

    けい

    産まれてすぐの小さくて壊れそうなあなたを
    おそるおそる抱きしめた手

    泣いて泣いて寝てくれない夜は
    寝てくれるまで抱いて揺らした手

    幼稚園に歩いて着くまでずっと繋いだ手
    園庭で転んで泣くあなたの涙を拭った手

    りんごの皮むきを教えた手
    文字の書き方を教えた手

    そのうち  この手はあなただけでなく
    片方は弟のためにあって

    あなたはそれを喜んで譲ってくれた

    いつの間にかあなたは大きくなって
    テニスの大会でいい成績をとるようになって
    何度この手で抱きしめて一緒に喜んだことか

    でも突然、学校に行けなくなって
    打ちひしがれるあなたを抱きしめた手

    いなくなってしまうのではないかと
    生きる価値さえ見失ってしまったのではないかと
    毎日心配して
    あなたの頬をこの手でよく撫でた

    そんなあなたが
    いま、行ってきます!と
    わたしを抱きしめて
    笑顔で遠くに旅立っていく

    わたしはあなたに手を振ることしか出来なくて

    近くで触れることの出来ないこの手は
    スマホ片手に言葉で繋ぐ

    あなたの幸せを
    いつも願っているよ  と
    いつでも帰っておいで  と

    伝えても伝えても足りない想いを
    いくつも抱えながら
    でもシンプルに
    単純に

    待っているよ  と
    あなたに送る



    くりすたるるさんの「#手」にまつわる記事の企画にに参加します。

    #手
    #くりすたるるさん

     
     
     

    けい

     
     
    何となく、連ねたくなって文字を連ねます。呟きたくなって呟きます。誰宛てでもなく、何となく。

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