
私たちが「リカバリー」や「IPS」という言葉を前に出さない理由
私たちの事業では、IPSやリカバリーといった言葉を、あまり表には出していません。
それは、それらの考え方を大切にしていないからではなく、むしろ支援の方向性として内側では大事にしているからこそ、外側では少し慎重でありたいと思っています。
同じ言葉が、人によって違う意味を持つ
同じ経験でも、人によって受け取る言葉は違います。誰かにとって支えになる言葉が、別の誰かにとっては、つらかった記憶やうまくいかなかった経験と結びついていることもあります。
「回復」や「自立」といった言葉に、どこか置いていかれたような感覚を持っている人もいるかもしれません。だから私たちは、特定の概念や言葉を前面に出すよりも、その人が実際に感じていることや、日々の生活の中で起きていることに、丁寧に触れていくことを大切にしています。
関わりの中に、考え方はにじんでいく
たとえば、働くことだけでなく、生活のリズムや人との関係、体調の波のことも一緒に考えること。急がせず、その人のタイミングを尊重すること。うまくいかない時も、「なぜできないか」ではなく、「どうすれば続けられるか」を一緒に探すこと。
そうした一つひとつの関わりの中に、私たちが大切にしている考え方はにじんでいると思っています。
内側では言葉を共有し、外側では開かれた形で伝える
一方でスタッフ同士の間では、まったく言葉がないわけではありません。どのような方向性で関わっていくのか、何を大事にしているのか。それらを最低限共有しておくために、コアコンピテンシーのような形で言語化を進めています。
ただ、それはあくまで内側の話です。外に向けては、専門的な言葉や枠組みをそのまま伝えるのではなく、その人の経験や感覚に近い言葉で、できるだけ開かれた形で届けたい。専門性を隠しているわけではなく、押しつけない形を選んでいる、という感覚に近いかもしれません。
「正しさ」よりも「関係のあり方」を問う
支援の現場では、「正しさ」よりも「関係のあり方」が問われる場面が多くあります。だからこそ、私たちは言葉の扱いにも少し慎重でありたいと思っています。
見えにくいかもしれませんが、私たちが大切にしているものは、関わりの中にちゃんと存在しています。それが少しでも伝わるように、これからも言葉を選びながら発信していきたいと思います。
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