
“棚の上”を下ろすこととは
前回の記事で、「自分の棚の上に問題を乗せてしまう」という話を書きました。
働く中でうまくいかなかった経験や、関係性の中で生じた違和感。
本来であれば、自分の外側にあるはずのものまでを、いつの間にか自分の棚の上に置いてしまう。
そして、「これは自分の問題だ」として抱え込み、動けなくなってしまう。
そうした構造があるのではないか、という話でした。
では、その棚の上に乗っているものを「下ろす」とは、どういうことなのでしょうか。
これは単純に、「人のせいにする」ということではありません。
むしろ、自分の中で起きていたことと、環境や関係性の中で起きていたことを、少しずつ分けていく作業に近いように感じています。
たとえば——
その場で何が起きていたのか。
自分はどう感じていたのか。
相手はどのような状況だったのか。
その環境にはどんな特徴があったのか。
そうしたことを一つひとつ言葉にしながら整理していくと、
「すべてが自分の問題だったわけではない」と気づく瞬間が訪れることがあります。
そのとき、棚の上に乗せていたものの一部を、そっと下ろすことができる。
その積み重ねによって、少しずつ身動きが取りやすくなっていくのだと思います。
就労支援の現場では、こうした整理のプロセスを、対話を通して一緒に行っています。
急いで結論を出すのではなく、
何が起きていたのかを丁寧に見ていくこと。
それ自体が、次の一歩につながることもあります。
もし今、自分の棚の上にたくさんのものが乗っていると感じている方がいたら、それを一度、すべて抱え続ける必要があるのかどうか。
少しだけ立ち止まって考えてみてもいいのかもしれません。
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