半透明ハイキング|毎週ショートショートnote|400字
本殿の奥、大きなしめ縄のある岩。
明け方、ちょうどいいもやの日。
亡くなった子に会える伝説のこの場所を
ハイキングしませんか?
本ツアーはフィクションです。
当日は、熟練のスタッフが随行し、
安全にそれっぽい体験ができるようになっております。

赤い鳥居、巨石のしめ縄、濃密な静寂。
針葉樹の隙間から射し込む朝日。
青白いもやは黄金にそまっていく。
いかにもそれっぽい。
仕掛け人が鳴らす木工音が小さく山に溶け、岩肌には影が映される。

二匹は顔を見合わせ、木漏れ日の中へと同時に踏み出した。
カサ、コン、コーーーン。
演出の音に紛れ、
枯葉をふみ散らし、
大好きな母の周りをくるくる回る。

光が交差する場所に落とした影。
一頭は大きく凛と立ち、
もう一頭は耳をぴんと立てて見上げている。
── そこに、いるの?
母の震える手に、冷たい鼻先をそっと寄せる。

半透明の僕たち。
気づかないお母さん。
でも、届いている。
今日は、何をしても怖がられない。
kei
先代ゴールデンのペロさんと
初夏に亡くなったコーギーのみーちゃん
ふたりに登場してもらいました。
二人の姿も立ち位置も、仕草も
本当にそっくりで嬉しかったです。
エンディング曲、可愛いのでぜひ
聴いてください😊✨
田原にかさんのお題で、書かせて頂きました。
いつもありがとうございます🥰✨✨✨
同じお題でもうひとつ、
切なくて美しいハイキングをどうぞ🥰✨✨✨
