
業績不良支店を上昇支店にするまで 最終話 私が支店長になって、一番変わったこと
29歳で支店長になった日。
悪口も聞こえました。
毎日、頭の中は汗びっしょりでした。
会社からは難しい課題が次々と降ってきて、思い通りにならないことばかり。
正直、何度も逃げたくなりました。
でも今振り返ると、一番変わったのは支店ではありません。
私自身でした。
支店長になって身についたもの。
それは、忍耐力です。
仕事は、自分一人ではどうにもならないことばかりでした。
社員それぞれに考え方があり、お客様にも事情がある。
会社からの方針もある。
思い通りにいかない毎日でした。
だからこそ、感情で動くのではなく、一度立ち止まって考える癖がつきました。
「今、本当に言うべき言葉は何だろう。」
「このタイミングで伝えて大丈夫かな。」
そう考えることが、いつの間にか当たり前になっていました。
この忍耐力は、今の家庭でも役に立っています。
あの頃の経験がなかったら、もっと感情的になっていたかもしれません。
そして、もう一つ。
私は社員のみんなが、本当に好きでした。
新人も。
ベテランも。
契約が取れる人も。
苦戦している人も。
一人ひとり個性があって、面白くて、愛おしかった。
だから、誰か一人だけを見ることはありませんでした。
支店全体が少しでも良くなるように。
その気持ちだけは、最後まで変わりませんでした。
あるベテラン社員から、こんなことを言われたことがあります。
「支店長っていうより、支店のお母さんみたいですね。」
思わず笑ってしまいました。
でも、その言葉はとても嬉しかった。
管理職として見てもらえたことも嬉しかったけれど、一人の人として信頼してもらえたような気がしたからです。
このシリーズでは、成功したことだけではなく、失敗や焦りも、そのまま書いてきました。
完璧な支店長ではありませんでした。
毎朝リポビタンDを飲んで出勤していたし、帰りたくなくてスーパーを歩き回る日もありました。
それでも、「今日も頑張ろう」と思えたのは、一緒に働く仲間がいたからです。逃げる勇気もありませんでしたし…笑
業績不良支店は、結果として定着率、業績共に1位になりました。
でも、私にとって一番の財産は順位ではありません。
一緒に笑って、一緒に悩んで、一緒に喜んだ仲間との時間です。
あの経験があったから、今の私があります。
ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。