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犬と旅するアプリのピッチ資料をAIに自律で作らせた

    私は犬と旅するためのアプリを個人で作成し、現在あるコンテストに応募中です。そろそろ一次審査なのでその発表用のピッチ資料を、AIと一緒に作ってみました。

    今日は、その手順の話です。最初に白状すると、私は一度「全部AIに任せる」をやって、見事に失敗しました。

    「全部AIに作らせる」を試して、つまずいた

    資料が必要になりました。事業の中身を、限られた枚数で伝える——いわゆるピッチ資料です。

    最初に頭をよぎったのは「AIに丸ごと作らせれば速い」でした。内容を渡し、構成を組ませ、グラフも文字も画像も生成させて、最後に整える。理屈では一瞬で終わります。

    試しに、あるスライドの文字をAIに生成させてみました。結果は、和紙の繊維のような乱れ方でした。日本語の文字が断片的に混ざり合い、意味をなさない模様になって出てくる。数字を任せれば、今度は「それらしい数字」が、根拠のないまま並びます。

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    怖かったのはここです。見た目は完成しているのに、中身が壊れている。審査の場に、出典のない数字とにじんだ文字を持っていくわけにはいきません。「全部AIに」は、速いどころか、いちばん危ない作り方でした。

    道具を3つ用意して、役割を振り分けた

    そこで方針を変えました。「AIに作らせる」のをやめて、「何をAIに任せ、何を自分で持つか」を先に決めることにしたのです。手元には、ちょうど道具が揃っていました。

    ひとつめは、前回入れた画像生成の道具(MCPという、AIに外部の道具をつなぐ仕組みです)。スライドに必要だった「旅をしている犬」の写真は、これに任せました。同じ犬種・同じトーンで何枚も、撮影に行かずに揃います。雰囲気が問われる部分は、AIの得意領域です。

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    ふたつめは、Pythonのライブラリ。スライドの骨格と、数字・文字は、これで自分が一行ずつ直接置きました。インタビューで聞いた声の類型も、手元で計測したデータも、私が持っている事実です。「それらしく」作ってもらうものではありません。

    役割は、たった一本の線で引けました。正確さが命の部分はAIに描かせない。AIに任せるのは、正確さより雰囲気が問われる部分だけ。

     できた資料を、もう一つの道具に「読み返させた」

    線を引いても、不安は残ります。自分で置いた文字も、コピーの順番がずれていたり、古い数字が紛れていたりするかもしれない。人間の目視は、何十枚も見ると必ず見落とします。

    そこで、三つめの道具を用意しました。プレゼン資料を機械的に読むためのMCPです。完成した資料を渡すと、全スライドの文字をそのまま抜き出してくれる。私はそれを、手元の「正しい原稿」と機械的に突き合わせました。一字でも違えば、すぐ分かります。

    「作る」のはAIと自分、「確かめる」のはまた別の機械。自律生成で一度つまずいたぶん、最後にもう一段、機械の目を通す工程を足したわけです。

    「作らせる」ではなく「分業を設計する」

    資料が仕上がって振り返ると、「AIに作らせる」という言葉に、二つの意味が混ざっていたと気づきました。ひとつは「丸投げして自律的に作ってもらう」。もうひとつは「得意なところとそうでないところを分け、適材適所で使う」。

    私が最初にやって失敗したのは前者で、結局うまくいったのは後者でした。ひとりで全部やるより速くなりましたが、その速さは「全部任せたから」ではなく、「任せていい線を見極めたから」生まれたものです。

    道具を増やすほど、どこに何を任せるかを決める仕事が増えます。少し面倒で、少し面白い。

    私が作っているのは、犬と一緒に旅をするためのアプリです。犬がいるからと旅を諦めたり、行ける場所を探すのに疲れてしまう——その「諦め」を減らしたい、というのが原点です。今日は中身の話はしませんでしたが、どのスライドで何を言うか、その問いにだけは、AIに渡せる答えがありませんでした。作るものへの理解を持つことは、今のところ人間の仕事です。そこさえ握っていれば、AIは頼れる分業の相手になります。

     
     
    ソロで AI(Claude Code)と組んで、個人開発を進めています。 本職は事業企画 & エンジニアリング。 『ソロ × AI 個人開発』で、何が機能して、何が機能しなかったかを少しずつ書いていきます。

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