
そんなの、ムリ|シロクマ文芸部|ショートショート|423字
炭酸のような告白で良かったのに。
シュワっと相手に刺激が伝わって、跡形もなく消えてしまうような。
帰り道に友人が呟いた。
彼女は同じクラスの男子に告白をした。
体育館裏に呼び出して告白するという昭和世代もビックリな方法。
見事に撃沈。
そのことが学校中に知られ、彼女は好奇の視線に晒されている。
まあ、そういう方法をとれば、そうなる。
「人の噂も七十五日と言いますし、みんなも忘れてくれるよ。」
慰める言葉を伝えたが、私も平成生まれとは思えない発言。
「二か月半も耐えられない、みんなが忘れてくれるとは限らないし。」
彼女はウンザリした顔で言った。
私は彼女の横顔を見つめていた。
そして、慰めるフリをしながら別のことを考えていた。
私も、炭酸のような告白をしたい。
シュワっと貴方に刺激が伝わって、跡形もなく消えてくれるような。
女の私が、貴方にこんな気持ちを抱いても叶わない。
本心を告白したい。
貴方に嘘をつくのは嫌だから。
そして、跡形もなく忘れ、元の友人に戻れたらいいのに。
シロクマ文芸部さんの「炭酸の」から始める企画に初参加しました。
皆様に読んで頂けると嬉しいです。
他にも色々なショートショートをぼちぼち書いています。
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