【企画参加】【王子×orivie コラボ】あなたの秋で繋がろう。|秋読コレクション🍁🌙
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秋と言えば、そう焼き芋♪
焼き芋を、書画とエッセイのコラボでお送りします。

土の匂いをまとった芋を、両手で持ち上げる。
まだ少し冷たい。
ずっしりと重くて、表面には畑の名残がついている。
秋というものは、案外こういうところから始まるのかもしれない。

水で土を洗い流す。指でこすると、土がゆっくり落ちていく。
濁った水の向こうから、赤紫の皮が少しずつ顔を出す。
冷たい水に触れているのに、不思議とこれからの温かさを想像してしまう。

濡らした紙で包み、その上からもう一度くるむ。
芋の姿は見えなくなる。けれど、隠れてしまった途端に、かえって中身が気になる。
この中で、これからゆっくり甘くなっていくのだ。
よろしく頼むぞ、本当に!

庭の隅に集めた落ち葉を抱える。
乾いた葉と、まだ少し湿った葉。赤、黄、茶色。
踏むたびに、しゃり、と音がする。
いつもは邪魔だった葉が、今日は焼き芋のための燃料になると思うと嬉しくなるな。

小さな火を入れる。最初は頼りない炎が、落ち葉の端を舐める。
ぱち。
ぱちぱち。
火が生き物みたいに広がり始める。
少し離れていても、頬に熱が届く。
煙も目にくるけどな!

芋を落ち葉の中へ埋める。すぐには何も起こらない。
待つ。
ただ待つ。
時々、葉が崩れる音がする。
煙が風に流れる。
急げばできるものばかりの時代なのに、焼き芋だけは、急がせると少しもったいないでしょ。

しばらくして、煙の匂いが変わる。焦げた葉の向こうから、甘い香りが混じり始める。
誰かが「もういいんじゃない?」と言う。
でも、その言葉を聞いてしまうと、あと少し待ちたくなる。せっかちちゃんめ!

熱い芋を取り出す。
紙をほどき、皮に指を入れる。
ぱか、と割れた。
中から白い湯気が立ち上る。
黄色い身が、夕方の光を受けて少しだけ金色に見えた。
その瞬間だけ、みんな黙る。
食いしん坊め!

ひと口食べる。
熱い。そして、甘い。
砂糖を足したわけでもないのに、ちゃんと甘い。
火と落ち葉と時間だけで、芋はこんな味になる。
指先は少し黒くなっている。服にも煙の匂いがついている。
それでも、その匂いごと秋だった。
最後のひとかけらを食べ終えたころ、落ち葉の火はもうほとんど消えていた。
けれど口の中には、まだ少しだけ、秋の甘さが残っていた...…



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