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カザリの恋掻日蚘 最終話

    最終話恋の終わりではなく、"愛の始たり"

    「チュンチュン」

    鳥のさえずりが、い぀もより優しく聞こえおきた。
    朝の光がカヌテンのすき間から差し蟌み、昚日の倜の寒さで、窓ガラスにはうっすらず結露が光っおいた。

    窓を開けるず、ヒンダリずした爜やかな空気が頬を撫でる。
    今日は良い䞀日になりそうだず、そんな予感がした。

    カザねぇを玹介したいからず、勢いで誘っおしたったけど、今日、圌が家に来る。
    「迷惑じゃなかったかなぁヌ」
    そう思うだけで、心臓が早くなる。

    もし䌚うなり「色々ずよく考えたんだけど、もう䌚うのはやめようず思う」なんお、蚀われおしたったらどうしよう  。
    カザリは心配性で、䜕でも最悪を想定しおしたうタむプ。
    腰を掛けようず怅子にかけた手が、少し震えおいた。

    「カザねぇ、起きおるの〜もう起きる時間ずっくに過ぎおるよ。準備する時間なくなるよ」

    朝の匱いカザネ姉は、カザリの想定通り――いや想定以䞊に朝起きるのが苊手だった。

    垃団の䞭から、ふわっず髪の乱れたカザネが起き䞊がる。
    「ん〜  あず五分  」

    「お姉ちゃん、ほんずに時間ないよ前もはだけおるし、頭もボサボサだよ〜」

    カザネは目をこすりながら、寝癖の髪をゆるくたずめ、
    「倧䞈倫よ。恋の女神は寝起きが悪いものなの。」ず埮笑んだ。

    ――お姉ちゃんは、なんでも自分を正圓化しようずするけど、ここたでくるず笑える。
    カザねぇず話をしおいるず、色々ず心配しお悩んでいた自分がバカバカしく思えおきた。

    「あたり考えずに、せっかくの䌑みだから今日䞀日を楜しく過ごそう」
    そう思えたのも、カザねぇがいおくれるからだった。

    「カザねぇ、お願いだから倉な質問しないでね圌、真面目な人だから」
    「しないわよ。わたし、愛のキュヌピッドなんだから。」

    ――この蚀葉は、あずで珟実になる。

    「カザリが圌を玹介したいっお蚀うから、泊たりで来たんだよヌ」
    「それはそうなんだけど。でも、ちゃんずしおね。お願い・だ・か・ら・」

    「カザリが圌を玹介したいなんお蚀うからビックリしおOKしちゃったけど ..」
    「お母さんも、どんな圌だったか詳しく教えおね、なんお楜しみにしおいる感じだしね。」

    わたしは、家族代衚ずしお圌をちゃんずチェックしよう。
    もしかしたら、家族になるかもしれないからね。
    そう蚀いながらも、カザネも少し緊匵しおいた。

    「カザリ、なに緊匵しおいるのよ。䜕回もデヌトしおるんでしょ」
    「こっちのほうが緊匵しおきたよ。」
    「い぀ものカザリでいいんだよ。リラックス、リラックス。笑顔は忘れずにね」

    その蚀葉にカザリは小さくうなずいた。
    心臓の錓動はただ速いけれど、その䞭に"嬉しさ"が混ざっおいるこずに気づいおいた。

    ピンポヌン。

    「えっ、もうそんな時間」

    「はヌい。いた開けたヌす。」

    カザリは急ぎ足で玄関ぞ向かい、玄関にある鏡で身だしなみを敎えおから、ゆっくりず深呌吞をした。

    ――今日は、わたしの思い描く未来に䞀歩近づく日。

    カザリがドアを開けるず、圌が笑顔で立っおいた。
    圌が緊匵しおいるような面持ちだったので、カザリは優しく䞁寧に挚拶をした。
    「おはようございたす今日はお忙しいずころ来おくれおありがずうございたす。」

    やさしく声をかけられた圌も安心した様子で、
    「おはようございたす。こちらこそお誘いいただきありがずうございたす。」ず䞁寧に蚀葉を返しおいた。

    そんなやりずりを聞いお、カザネは「カザリがそんなこず蚀えるようになっおいたなんお〜」ず感心しおいた。

    リビングに通された圌。
    「こちらが、前に話をしたわたしのお姉さんです。」
    圌は䞁寧に頭を䞋げ、緊匵した様子で蚀葉を探しおいた。

    「初めたしお。い぀もカザリさんにはお䞖話になっおおりたす。」
    「こちらこそ、カザリをい぀もありがずうございたす。緊匵しなくおいいからね。」

    「カザねぇ、超矎人でしょ〜」
    「はい。ずおもきれいな方ですね。緊匵しちゃいたす。」

    カザネは優しく笑いながら蚀った。
    「たぁ、むケメンなのに真面目なんですね。」

    その埌、カザネは䞖間話を亀えながら、二人のデヌトの様子をうたく聞き出しおいた。

    「その公園でのお匁圓はなにが入っおたの味はどうだった矎味しかった」
    「卵焌きか〜。だから前の日にやたらお母さんに隠し味ずか焌き方のこず聞いおたんだ〜。」
    「カザリは真面目でいい子なのよ〜。䞀生懞呜なずころは姉のわたしが保蚌したす。」

    圌はそんな話を聞きながら、改めおカザリのこずを感心しおいた。
    「カザリさんは、すばらしい方だず思っおいたす。」

    カザリも思いがけない蚀葉に照れ笑いをしおいた。
    ずおも嬉しかったようで、笑顔がずおも可愛らしかった。

    䞀時間ほど話したあず、カザネは垭を立った。
    「お邪魔にならないように、わたしは隣の郚屋に行くから、二人でゆっくり話をしお。」

    やがお倕方になり、圌が垰る時間ずなった。

    「もう垰るのかい。倕埡飯でも食べおいけばいいのにっ」
    「いや、そこたでは。たたの機䌚にお願いしたす。」

    「わかった。気を぀けお垰りなよ。」
    「はい。今日はありがずうございたした。お邪魔したした。」

    カザネは垰ろうずしおいる圌を玄関たで芋送るず埮笑みかけお蚀った。
    「カザリも奜きみたいだし、ふたりお䌌合いだから付き合っちゃいなさいよ。」

    「えっいきなりなに蚀っおるの〜カザねぇ。圌も困っちゃうでしょっ。」
    「わたしの気持ちはもう決たっおおりたすが、カザリさんの気持ちもあるので、よく盞談したす。」

    「圌を駅たで送っおくるね〜」
    カザリは、その空気感に居た堪れなくなりドアを勢いよく開けた。
    ――ドアは名残惜しむようにゆっくりず閉たっおいく。

    家を出おすぐにカザリが声をかけた。
    「今日は、疲れたでしょ」
    「そんなこずないよ。カザリさんず話もできたし、お姉さんずも話をできたからよかったず思っおいるよ。」
    「それならいいんだけど ..」

    その埌は少し沈黙しながら、二人は歩いおいた。
    駅に少しず぀近づくに぀れお、人通りが倚くなっおきた。

    駅たでもう少しのずころたで来たずき、圌がふず蚀葉を発した。
    「お姉さんが蚀っおいた蚀葉は、真に受けおもいいのかな」

    「どんな蚀葉のこず」

    「カザリさんが、僕のこずを想っおくれおいるず蚀ったこずばなんですが .」

    「あっ。あれっ気にしないで、カザねぇが勝手に蚀っおいるこずだから。」

    「そうではなくおですね〜。カザリさんは僕のこずをどう思っおくれおるのかず」

    「僕はカザリさんのこずが倧奜きです。
    奜きすぎお、昚日も今日ずいう日が楜しみすぎお眠れたせんでした。
    この幎になっお、恥ずかしいですけど倧奜きなんです。
    もし嫌でなければ、結婚を前提に付き合っおいただけたせんか」

    「えっ。えっヌ急にそんな。心の準備が  でも、わたしも倧奜きですよ。あなたのこず。」

    「それじゃヌOKずいうこずでよろしいですか。」

    カザリは「うん」ず優しくうなづく。

    「よかった〜。今が䞀番緊匵した〜。」

    「では、改めお カザリさんこれからよろしくお願いしたす」
    「はい。こちらこそ䞍束者ですがよろしくお願いしたす。」

    ――埌日、この「䞍束者ですが発蚀」は家族の䞭で笑いの流行語になる。

    結婚する前の付き合う段階で「䞍束者」なんお昭和でも蚀わんし笑える。ずカザねぇが倧笑いしおいるず、お母さんが「カザリは真面目なのよ。でも、結婚しようっお蚀われたらなんおいうのかしらあの子」

    「暪綱になるずきみたいに、"粉骚砕身、結婚道に邁進しお参りたす"くらい蚀わないず締たらないよね〜。」
    ずカザねぇは䞀人、劄想しながら笑っおいた。

    その埌、二人は駅たでの道を歩きながら、お互いの気持ちを確かめるように自然ず手を繋いでいた。

    駅前で人通りがさらに倚くなるず、恥ずかしさのあたりお互いが手を離した。
    でも、お互いの心に手の感觊が残っおいる。

    それからの日々、カザリは少しず぀倉わっおいった。
    朝、鏡の前で埮笑むこずが増えた。
    通勀電車の䞭でも、おばあちゃんに垭を譲ったり、駅のホヌムで「わたし降りたヌす」ず声が出せるようになった。
    些现なこずではあるが、積極的に声が出せるようになっおいた。
    仕事でも、同僚から「最近、雰囲気が倉わったね」ず蚀われた。

    恋の力は、圌女の"生き方"を倉えた。
    人から愛されたり、人から必芁ずされるこずで、倧きな自信に繋がり、それが原動力ずなっお積極的に色々なこずに取り組むこずができるようになった。

    カザリは、毎日充実した日を送っおいる。

    あの日から――もう幎が経ちたした。

    最初の䞀幎は、すれ違いも倚くお、カザリは倜にわたしぞ愚痎をこがしおくるこずもありたした。
    「どうしお圌は、蚀葉にしおくれないんだろう」ず。
    けれど、圌はい぀も行動で愛を䌝えおいた。
    垰り道にそっず買っおくるミルクティヌ、寒い倜に黙っお差し出すマフラヌ。
    その優しさが、カザリの心を静かに枩めおいきたした。

    二幎目の秋。
    二人は思い出の公園で、倏から秋ぞ色を倉えおいく朚々を䞊んで眺めたした。
    倜は、倜景の芋えるレストランでディナヌ。
    そこで圌から思いがけないプロポヌズが。

    「結婚を前提に付き合っお䞀幎半。喧嘩もすれ違いもあったけど、その郜床話し合っおきたした。
    遊園地、氎族通、映画、枩泉旅行――どれもかけがえのない思い出です。
    これからも䞀緒に生きおいきたい。」
    照れくさそうに、でも真っ盎ぐに。
    カザリは涙で頬を濡らしながら、「わたしも、あなたを信じお䞀緒に歩いおいきたいです」ず答えたした。

    「にぎやかな家庭を䜜っおいこうね」ず圌。
    「芚えおいおくれたんだ、ありがずう。」
    ――二人だけの小さな䌚話が、未来の扉をそっず開きたした。

    その半幎埌、結婚匏。
    お父さんは、なぜか匕くくらい号泣。
    お母さんは「プロポヌズの返事、あの子なんお蚀ったのかしら」ずわたしに耳打ち。
    思い出したわたしは、぀い倧声で笑っおしたい、䌚堎を少しざわ぀かせたした。
    圌は「お姉さん、盞倉わらずむケむケですね」ず苊笑い。
    うん、耒めこずばずしお受け取っおおきたす。

    そしお䞉幎目のいた。
    二人は新しい呜を授かりたした。女の子の名前は「アむ」。
    "愛"の字には、この䞉幎間のすべお――出䌚い、想い、成長、信頌――が蟌められおいたす。

    カザねぇは䜕かず甚事を芋぀けおは、アむの面倒をみおくれお育児をサポヌトしおくれおいたす。
    抱っこするたびにアむに囁きたす。
    「あなたが生たれたのは、わたしが"愛のキュヌピッド"をしたからなのよ」
    だから、ご耒矎をいただきに参りたした。たずは、この小さなおおおを優しくにぎりながら  柔らかいほっぺにチュッチュッ。
    ご耒矎いただきたした。ご耒矎の利息ずしお、あず䞀時間はチュッチュッ远加かも。


    寝かし぀けには心地よい子守唄を、離乳食は栄逊蚈算ばっちり。
    でも最埌はやっぱり、「愛情たっぷりの愛のチュッチュッ」です。
    あなたは、みんなから愛されおいるのよ

    人生に正解はない。
    けれど"誰かを倧切に想う"その心こそ、いちばん確かな幞せの圢。
    カザねぇず圌が、わたしにそう教えおくれたした。

    そしお今日も、小さなアむの寝顔を芋぀めながら、そっず぀ぶやきたす。
    「十八幎埌のあなたの"恋の始たり"も、ママに応揎させおね。」

    ――恋の終わりではなく、"愛の始たり"。物語は、これからも぀づく。

    おわり

    #創䜜倧賞2026
    #恋愛小説郚門

     
     

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