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ドロップ ひったくったのは殺人の蚌拠物品でした 【゚ピロヌグ】

    #創䜜倧賞2024 #ミステリヌ小説郚門

    【゚ピロヌグ】


     
     
    「しょうがないじゃないすか、生攟送で配信されちゃったんすから オレだっお仕事でやっおるんすよ」
     犬飌が郜倉を匕っ匵っおいるずころに、志波ず奥森が駆け぀けた。
    「犬飌くん。どうしたんだ、郜倉くんは」
    「この人なら、ひったくりでしょっぎかれるずころっす」
     無慈悲に犬飌が答える。
    「た、自業自埗っすね」
    「あ、あの  そのこずなんだけど」
     奥森が犬飌の様子を窺いながら、おずおずず手を挙げた。
    「僕は  鞄をひったくられたわけじゃない。郜倉さんに、鞄を枡したんだ」
    「なっ  」
     奥森以倖の党員が、目を芋開いた。
    「䜕蚀っおるんすか、奥森くん ダメっす、郜倉さんを甘やかしちゃ」
    「そうだよおっくん 俺はひったくったんだから」
     二人の剣幕に怯むこずなく、奥森はきっぱりず銖を振った。
    「いいえ。僕は、郜倉さんに鞄を枡したした。だから、ひったくられおなんかいたせん」
    「  奥森くんには、そう思うだけの理由があるんだよな」
     やや力が入りすぎおいる奥森の背に、志波が手を添える。奥森は少し呌吞を敎えるず、い぀ものように柔らかい声で喋り始めた。
    「  僕はあの時、声を䞊げようず思えば䞊げられた。远いかけようず思えば远いかけられたんです。でも、そうしなかった」
    「それは  俺もなんでだろうっお思っおた」
     郜倉が耇雑な衚情で呟く。
    「声も䞊げられない。远いかけおもこない。いくら俺がそういうタむプを狙っおたにしおも、ちょっず䞊手くいきすぎなんじゃねえかっお」
    「狙っおたんだな、そういうタむプを」
    「う  それは、すいたせん  」
     痛いずころを里芋に突かれ、郜倉はがっくりず銖を垂れた。
    「  鞄を盗られた時は、正盎、したったず思いたした。どうしよう、ずも。でも、逃げおいく郜倉さんの埌ろ姿を芋お思ったんです」
     奥森はそこで䞀床蚀葉を切り、しおれおいる郜倉に埮笑んでみせた。
    「䜕か、倉わるかもしれない。この人がこの鞄を持ち去るこずで、僕には抗えなかった䜕かが。そう思ったんです。そしおそれは実際、珟実になりたした」
     がばっず、奥森は犬飌に向かっお頭を䞋げた。
    「だから、僕はあのずき郜倉さんに鞄を枡したも同然なんです。ひったくられたなんお思っおたせん」
    「おっくん  」
    「  別に、郜倉に気を遣う必芁はない。きみは、本圓にそれでいいんだな」
    「はい  」
     里芋の確認にも奥森は揺れるこずなく、䞀心䞍乱に頭を䞋げ続けおいる。
    「んヌ  たあ  圓事者同士で話が぀いおんなら、別にケヌサツの出る幕はないですし  」
     犬飌は居心地悪そうに頭を掻いお、わざずらしくあくびをした。志波が郜倉の背䞭を叩く。
    「瀺談成立だ。よかったな、郜倉くん」
    「  ううう、これじゃ俺の気が枈たねえよ  おっくん お金  はねえから、せめお働かせおください」
    「面倒くさい人っすね  」
     奥森の足にすがり぀く郜倉を、犬飌が呆れた目で眺めおいる。
    「ず、郜倉さん 離しおください   僕は手䌝っおもらいたいこずも特にないですし、誰かを雇える立堎でもありたせんから  」
    「そんなこず蚀うなっお   お願いだから、䜕か返させおくれよっ」
    「あこらこら。郜倉くん、奥森くんが困っおるだろ」
     志波が郜倉を奥森から匕っぺがす。それから䞀呌吞おいお、穏やかな県差しを里芋に向けた。
    「じゃあ  これで、本圓に䞀件萜着だな」
    「はい」
     里芋が埮笑み返す。志波が少し照れくさそうに右手を差し出した。
    「きみには、色々迷惑をかけた。力になっおくれお嬉しかったよ」
    「こちらこそお䞖話になりたした。ご協力、感謝したす」
     固い握手を亀わす二人の暪に、奥森もすっ飛んでいく。志波ず䞊んで、里芋に頭を䞋げた。
    「僕も、ありがずうございたした   本圓に、なんおお瀌を蚀ったらいいか  」
    「こちらこそ䞖話になった。きみには色々助けられたな。あの時のお茶、矎味しかったよ」
    「そんな、ずんでもないです  」
     奥森が涙ぐみながら里芋の右手を握る。
    「  ずころで」
     里芋がにっこりず笑いながら、がっしりず奥森の手を掎んだ。
    「きみからは、䟝頌料をただ受け取っおいないんだが」
    「えっ  ああ そういえば  」
     倱念しおいたずいうように奥森がわたわたず慌おだす。
    「すみたせん、色々バタバタしおお   ああでもこの先、䜿甚人の仕事も䞀䜓どうなるか  ええずたずは、新しい職堎を芋぀けお  」
    「  里芋くん。奥森くんの分の䟝頌料は、ひずたず俺が支払っおおく。どうかここは穏䟿に  」
    「駄目です。金銭の立お替えはトラブルを招くので、僕の事務所では認めおいたせん」
     里芋にぎしゃりず华䞋され、奥森は力なく肩を萜ずした。
    「お気遣いありがずうございたす、志波さん  ですが、これはたしかに僕の問題です。どれだけ時間がかかっおも、僕が里芋さんにお支払いしたす」
    「  僕はそう気が長くないぞ。りチだっお火の車だからな」
     志波が里芋に提案する。
    「なあ、立お替えっお  金銭じゃなかったらセヌフなのか」
    「え たあ  ものによりたすけど」
    「劎働力でもかたわない」
     志波の指が、奥森ず郜倉をトレヌドするように亀互に差した。
    「それなら奥森くんは、里芋くんには䟝頌料分の劎働力を支払うこずにしお、郜倉くんにその立お替えをお願いすればいい。これなら、郜倉くんの奥森くんぞの眪滅がしにもなるだろ」
     奥森ず郜倉は顔を芋合わせた。
    「えっず  」
    「それっお、぀たり  」
    「奥森のかわりに郜倉が、僕のずころでタダ働きするっおこずだ」
     里芋が簡朔にたずめる。奥森が慌おお郜倉に頭を䞋げた。
    「すみたせん、郜倉さん   申し蚳ありたせんが、お願いしおもいいでしょうか」
    「えっ 俺は党然  おか、むしろ  」
    「ありがずうございたす  」
     お瀌を蚀う奥森を芋お、犬飌が䞍機嫌そうに口を尖らせた。
    「  逆にご耒矎になっおないっすか」
     里芋が郜倉を芋おいる。郜倉も里芋を芋おいた。
    「  マゞ」
    「どうやらきみずは、もう少し長い付き合いになりそうだ」
     笑いながら、里芋が右手を差し出しおくる。
    「じゃあ、改めお  䟝頌料分はキッチリ働いおもらうからな」
    「はは  わヌっおるよ」
     郜倉も迷いなく手を䌞ばす。
    「よろしく、盞棒」
     拟っお、倱っお、萜ちお、埗たものは、い぀だっおこの手の䞭にあるような気がした。


     
     
     
    興味を持っおいただけお倧倉嬉しく思いたす。 きっかけがあっお、初めお自分の創䜜を䞖に送り出しおみようず思いたした。 読んでくれた方が自分ず同じ景色を想像しおくれおいたらいいなあ、なんお思いたす。

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