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Photo bydreamy_frog1554

また会えるかな〜あとで話を聞かせて〜

     私はこの五月の末に二人との別れを経験した。
    そして、また一人、別れを経験することになっている。

     二人目は仕事の元同僚だ。
    部署は違うが、ロッカーが近かったり、部署間の関わりも深かったので、仲良くなった。

    歳は私よりも十くらい上だが、優しく、可愛らしいお母さんだ。

    お子さんはもう成人されている。

    彼女とのエピソードで一番笑わせてもらったのは、冷蔵庫に入れないといけないはずのカレーを戸棚に入れてしまったというもの。

    朝、冷蔵庫に入れるのを間違って、戸棚に入れてしまい、仕事から帰って戸棚を開けたら、冷蔵庫に入れたはずのカレーが入っていた。


    「確かに冷蔵庫に入れたはずなのに……」


    真剣な顔をして、ロッカーで話している彼女を見て、私は吹き出してしまった。

    少し抜けてる。

    たまに、慌ただしさでパニックって、おろおろしている彼女に遭遇すると、助けずにはいられない。


    「ありがとう〜!助かった〜!」


    いつもそうやって言って、ニコニコ笑いかけてくれた。


    私はそんな彼女が好きだった。


    私が転勤してからも、大きな会で再会すると、いつもの笑顔で笑いかけてくれた。


    「久しぶりだね〜。元気してた〜?」


    そう話しかけてくれる彼女を見て、私も笑顔になれた。


     そんなうっかり者の彼女の笑顔は今日、遺影の中にあった。

    数日前に彼女は交通事故で亡くなってしまった。

    その訃報を知った時、私はしばらく動けなくなった。


    ​──何があったのか。
    ​──事故?
    ​──病気?
    ​──そもそも本当に彼女なのか?


    詳しく話を知ることができた私はその事実を理解したくても、受け付けない状態になった。

    あまりにも早すぎた。
    あまりにも突然すぎた。


    ​──もう彼女に会えない。
    ​──彼女の笑顔にも会えない。


    その事実は私の胸をキュっとさせた。

    その帰り道、私は通夜式に参列することを決めた。


    もう会えない。

    でも、まだ会える。


    棺の中の彼女を見ることはできなかった。


    遺影の中でいつものように笑う彼女がいる。

    最後に一目、会いたかった。
    でも、私の中の彼女は笑顔の彼女。
    眠る彼女ではない。


    それだけで…その記憶だけで十分だと思い、私は斎場を後にした。


    明日の告別式には残念ながら参列できないが、きっと安らかに旅立てると信じている。


    ねぇ、早すぎだよ。
    でも、そっちで笑って待っててよ。
    いつになるかは分からないけど。
    そのうち行くからさ。
    そっちで会えたら、色々また話を聞かせてよ。

    それまで元気で頑張るからさ。
    そっちから見守っててよ。


    ありがとう。
    出会えて良かった。

     
     
     
    理系出身だけど、残念ながら本人にはその自覚はありません。 人生には理不尽だな〜とか納得いかないな〜とか思うことがたくさんあるけれど、常に「僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる」の気持ちを忘れずに、歩みを止めず生きていたい。 私の経験がいつか、どこかで、誰かの役に立つといいな。

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