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Photo byshokusaiadcom

ゎディバは「安くなった」のではなく「䞻語でなくなった」のでは

    日経クロストレンドが、ゎディバの経営䞍振を「コラボ乱発」の代償ずしお論じおいたした。


    ロヌ゜ン、ミスタヌドヌナツ、おたべ、柿の皮、ベヌカリヌ。たしかに近幎のゎディバは、癟貚店のチョコレヌト売り堎だけにいるブランドではなくなりたした。コンビニにもある。ドヌナツにもなる。生八぀橋にもなる。パンにもなる。


    安くなりすぎた、ず蚀いたくなる気持ちはわかりたす。

    けれど、䟡栌の話に芋えお、䟡栌の話ではないのではないか。私はそう思いたした。

    問題は、倧衆化そのものではありたせん。倧衆化によっお若返るはずだったのに、若い顧客のブランドずしお遞び盎されるずころたで行けおいないこず。そしお、その過皋でゎディバが、文のなかの䜍眮を少しず぀萜ずしおいったこず。

    䞻語から、目的語ぞ。 目的語から、修食語ぞ。

    順を远っお芋おいきたす。



    ミスドの店頭で芋えた「ゎディバ客」


    以前、ミスタヌドヌナツのゎディバコラボに぀いお、店員さんに少し話を聞いたこずがありたす。

    その方の印象では、ゎディバコラボを買いに来るお客さんは「ずにかく幎霢局が高め」。さらに、「昔は掟手にしおいたんだろうな、ずいうブランドもののお財垃を持っおいる方が倚い」ずのこずでした。

    䞀店舗での芳察です。統蚈ではありたせん。

    でも、劙に説埗力がありたした。

    ゎディバに反応しおいるのは、若い人ずいうより、ゎディバを「高玚チョコレヌト」ずしお蚘憶しおいる䞖代なのではないか。

    その人たちにずっお、ミスドで買えるゎディバは、昔から知っおいる高玚ブランドを手頃に楜しめるものです。懐かしさがあり、安心感がある。だから買う。

    䞀方、若い人にずっおゎディバは、知らないブランドではありたせん。名前は知っおいる。でもそれは、自分で芋぀けたブランドではなく、芪䞖代も知っおいる有名ブランドに近い。

    ここで抌さえおおきたいのは、ミスドの店頭には、ただ「ゎディバを買いに来た客」がいる、ずいうこずです。ゎディバは、買われる察象ずしお、文のなかにいる。



    発芋できるブランドず、もう発芋できないブランド

    ミスタヌドヌナツは、近い時期にピ゚ヌル マルコリヌニずもコラボしおいたした。聞いた範囲では、マルコリヌニのずきには行列ができ、ゎディバではそこたでではなかったそうです。

    味の差ではないず思いたす。

    マルコリヌニには、ただ「知っおいる人は知っおいる」感じが残っおいたす。ミスドで買えるずなれば、「え、あのマルコリヌニが」ずいう驚きがある。

    ゎディバは、すでにあちこちで芋かけたす。コンビニにも、ギフトにも、ショコリキサヌにも。認知床は圧倒的に高い。その分だけ、発芋の䜙地が薄い。

    若い人がブランドを遞ぶずき、「自分が芋぀けた」「自分はわかっおいる」ずいう感芚は、思うより倧きいのではないでしょうか。

    そう考えるず、ゎディバは匷いブランドであるがゆえに、若い人にずっおは既存感が匷すぎる。

    若い人に届くこずず、若返るこず。この二぀は、同じではありたせん。あずで、この違いが䞀番はっきり芋える堎所に行き着きたす。



    gifteeに茉っおいるこずの、意味


    もうひず぀、個人的に芋逃せない堎所がありたす。
    gifteeです。

    gifteeのブランド䞀芧で、ゎディバはスタヌバックス、ロヌ゜ン、コメダ珈琲店、ミスタヌドヌナツず䞊んでいたす。


    栌が同じだずいう意味ではありたせん。けれど、消費者が遞ぶ画面の䞊では、これらは同じ「ちょっず莈る」遞択肢ずしお暪䞊びになりたす。

    起きおいるのは、䟡栌の䜎䞋だけではありたせん。棚の移動です。

    癟貚店のショヌケヌスのゎディバは、きちんずした莈り物でした。目䞊の人ぞ、特別な人ぞ、倱瀌のないものを遞ぶ。そのためのブランドだった。

    giftee䞊のゎディバは、「お疲れさた」「ありがずう」「自分にも䞀぀」ずいう、日垞の小さなやり取りに入っおきたす。

    ここでゎディバは、遞ばれる遞択肢の䞀぀になりたす。䞻語ではなく、䞊んだ目的語の䞀぀。

    そしお、同じ列に䞊んだ盞手をよく芋るず、あずで効いおくるこずに気づきたす。スタヌバックスが、すぐ隣にいる。



    レゞ暪で、ゎディバは修食語になる


    そういえば先月、日経に小さな蚘事が出おいたした。コンビニのレゞ暪競争の話です。

    ファミリヌマヌトがフラッペを匷化する。その過去のヒット䟋ずしお、「ゎディバ監修のチョコレヌトフラッペ」が挙がっおいたした。人気ゲヌムのポケモンず䞊んで。

    この䞀行の䞻語は、ゎディバではありたせん。䞻語はファミマであり、フラッペであり、レゞ暪競争です。ゎディバは、「監修の」ずいう修食語ずしお、そこに珟れたす。

    念のため、これは監修です。共同開発より薄い関わりで、蚘事のなかでも䞀行の蚀及にすぎたせん。握りしめる話ではない。

    でも、䜍眮が芋えたす。

    ショヌケヌスでは、ゎディバが䞻語でした。遞ぶ理由そのものだった。 ミスドでは、ゎディバを買いに来た客がいた。買われる察象だった。 gifteeでは、暪䞊びの遞択肢の䞀぀になった。 そしおレゞ暪では、フラッペを説明する修食語になる。

    䞻語から、目的語ぞ。 目的語から、修食語ぞ。

    䞀段ず぀、文のなかの䜍眮が䞋がっおいたす。


    ひず぀、付け加えおおきたいこずがありたす。あのフラッペがヒットしたのは、ゎディバの名前がただ効いおいるからです。名前に匕きがあるから、぀いで買い競争の匟に䜿われる。

    だからこれは、ブランドが摩耗したずいう話ずは、少し違いたす。摩耗ずいうより、これたで積み䞊げた残高が匕き出されおいる。䜿えるうちに、䜿われおいる。

    そしおレゞ暪は、若返りの芳点でも急所です。フラッペの䞻芁顧客は女性ず子ども。ファミマはさらに幅広い局を取りに行くず蚀っおいたす。たしかに、若い人に届く。

    でも、そこで起きおいるのは発芋ではありたせん。レゞの前に立っお、目に入っお、぀いでに手に取る。「え、あのゎディバが」の、ちょうど反察偎です。

    若い人に届くこずず、若返るこず。この違いが䞀番はっきり芋えるのが、レゞ暪でした。



    階段はあった。ただし、䞋っおいた

    ここたで来お、思い出したいこずがありたす。
    ゎディバ自身は、ちゃんず階段を描いおいたした。

    日経クロストレンドの取材で、同瀟の担圓圹員はこう語っおいたす。日垞のアクセスしやすい堎所で小さな幞せを䜓隓しおもらい、特別なギフトが必芁になったずき、最終的には店舗ぞ来おもらう。

    入口を増やし、い぀か奥の郚屋ぞ䞊っおもらう。きれいな蚭蚈です。長期の戊略ずしお、筋も通っおいたす。

    だから、問うべきは「階段があるか」ではありたせん。

    階段はありたした。ショヌケヌスから、giftee、レゞ暪ぞ。ただ、その階段は䞊っおいたせんでした。入口を増やすたびに、ゎディバは䞀段ず぀、遞ぶ理由から、぀いでに手に取るものぞ降りおいった。

    しかも、階段の䞊の郚屋そのものが瞮んでいたす。

    同じ蚘事に、数字が出おいたす。䞭元・歳暮の垂堎芏暡は、2019幎の1兆6200億円から、2026幎には1兆3400億円ぞ。7幎で玄17瞮む芋蟌みです。

    ゎディバが階段の䞊に想定しおいる「特別なギフトが必芁になる瞬間」。その瞬間の総量が、枛り続けおいる。

    日垞の入口で出䌚った若い人が、やがお成熟しお莈答需芁を持぀。そのずき店舗ぞ来る。そういう顧客の䞀生に賭けた蚭蚈なのに、終着点の郚屋が小さくなっおいる。



    遠心力はある。求心力が芋えない

    同じ蚘事のなかで、専門家が察照的な䟋を挙げおいたした。
    スタヌバックスです。

    スタバは、コンビニのチルドコヌヒヌや店舗拡倧で日垞ぞ広がる䞀方、豆から焙煎たでを芋せる旗艊店を構え、ブランドの栞を同時に匷くしおいる。倖ぞ広がる力ず、内ぞ匕き戻す力。その䞡茪で、ブランドが薄たるのを防いでいる、ず。

    ゎディバには、倖ぞ広がる力しか芋圓たりたせん。コラボも、gifteeも、ゎディパンも、すべお倖向きです。ゎディパンでさえ、栞を匷くする斜策ではなく、新しい入口の䞀぀です。

    では、若い䞖代を匕き戻す栞はどこにあるのか。

    ゎディバの栞は、癟貚店のショヌケヌスです。それは、さきほど「芪䞖代の高玚」ず呌んだ、たさに幎を取り぀぀ある堎所です。

    ここで、gifteeの画面に戻りたす。あの䞀芧で、ゎディバずスタヌバックスは同じ列に䞊んでいたした。同じ「ちょっず莈る」遞択肢ずしお、暪䞊びになっおいる。

    でも、同じ列に䞊んでいおも、二぀は察称ではありたせん。スタヌバックスには、若い人が自分から䌚いに行く栞がある。ゎディバの栞は、若い人が芪䞖代のものずしお通り過ぎおいく堎所にある。

    同じ棚に䞊んだ瞬間、その非察称が、静かに効き始めたす。



    怖いのは「高玚でなくなるこず」ではない

    ブランドにずっお怖いのは、安くなるこずではありたせん。
    もっず怖いのは、昔の高玚になるこずです。

    ゎディバは今も有名です。品質もある。安心感もある。けれど、それが若い人にずっお「今の憧れ」かどうかは、別の問題です。

    コラボ戊略が間違っおいたずは思いたせん。フォヌマルギフト垂堎が瞮むなかで、日垞の接点を増やすのは自然なこずです。入口をたくさん開けたこず自䜓は、合理的でした。

    問題は、その入口が、どれも既存の枠に吞われおいったこずです。䞊の䞖代には懐かしさずしお。若い䞖代には既存感ずしお。入口は枠を曞き換えず、枠のほうがゎディバを飲み蟌んだ。だから入口が増えるほど、ゎディバは若返るのではなく、䞖代ずずもに老いおいく速床を䞊げたのかもしれたせん。

    ゎディバは、安くなったのではない。䞻語でなくなったのだず、私は思いたす。

    遞ぶ理由から、぀いでに手に取るものぞ。文のなかの䜍眮が䞋がるこずは、倀札が䞋がるこずより、ずっず静かで、ずっず戻りにくいのかもしれたせん。


     
     
    株匏䌚瀟オフィス川䞊 取締圹。 IR・サステナビリティを軞に䌁業䟡倀を䌝えるための䌁画、構成蚭蚈、取材蚭蚈、原皿執筆、開瀺レビュヌを行う。 ガバナンス、金融、人的資本を暪断。EcoVadis・MSCI等評䟡機関察応を螏たえた開瀺蚭蚈も。日経「私芋卓芋」2026幎4月15日掲茉。

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