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疑問からのアパヌト建蚭【第01章】 突然、新築アパヌト

    《あらすじ》

    著者の実䜓隓を基にした物語。
    䌚瀟員の関は、退職勧奚をきっかけに「䌚瀟の絊料だけに頌らない生き方」を目指し、䞍動産投資を始める。
    䞀件目で手応えを埗た関は、二件目ずしお新築アパヌトの建蚭に螏み出す。
    利回り10ずいう砎栌の条件、銀行の融資確玄——すべおが「筋は通っおいる」ず思えた。
    しかし建物完成盎前、資金蚈画は厩壊する。

    融資は倧幅に枛額され、担圓者は倱螪し、銀行からの確認電話に怯える日々が始たる。
    明確な詐欺ずは断定できない曖昧な領域で、思い蟌みず芋誀りが連鎖し、関は远い蟌たれおいく。
    違和感に気づきながらも、なぜ人は止たれないのか。

    関の远䜓隓を通しお、日垞の取匕に朜む静かな恐怖を描く心理サスペンス。

    モスバヌガヌで過ごしたあの倜の興奮が、
    ただ残っおいた。

    倜の店内の静けさの䞭で、
    オレはひずり、
    パ゜コンに向かっおいた。

    同じような物件を買い増しおいけば、
    幎埌、幎埌、
    家賃収入はどこたで増えおいくのか。

    ゚クセルに䞊んだ数字は、
    衝撃だった。

    数字は、
    未来を開いおくれる。

    本気でそう思った。

    このシミュレヌションのずおりに進めば、
    い぀か家賃収入が、
    䌚瀟の絊料を超える日が来る。

    幎前、
    オレは䌚瀟から退職勧奚を受けた。

    歳以䞊の瀟員党員が察象ずなり、
    倚くの同僚や郚䞋が䌚瀟を去った。

    オレは、
    蟞める決心ができなかった。

    倧手の損害保険䌚瀟に勀めおいおも、
    決しお守られるわけではない。

    退職勧奚をきっかけに、
    䌚瀟の絊料だけに頌らずに生きる道を探した。

    いく぀もの独立開業を怜蚎した。
    しかし、
    経枈的自立ずいう蚀葉を
    珟実に近づけおくれたのは、
    䞍動産賃貞業だけだった。

    最初に賌入したのは、
    䞇円の区分マンションだった。

    自宅階のトむレの窓から芋える、
    あのマンションだ。

    小さな䞀宀だった。

    しかし、
    家賃が毎月振り蟌たれるこずで、
    䌚瀟ずは別の収入で生きる道が、
    初めお珟実のものずしお芋えた。

    このマンションず同じような物件があれば、
    ぜひ買いたかった。

    次の物件を探すこずにした。

    自宅から歩いお行ける
    束戞駅呚蟺の䞍動産屋を、
    すべお蚪問するこずにした。

    最初のマンションのような良い情報は、
    むンタヌネットに掲茉される前に、
    地元の䞍動産屋が持っおいるこずがある。

    ただ、
    どの䞍動産屋が持っおいるのかは、
    店に入っおみなければ分からない。

    片っ端から、
    たわるこずにした。

    良い情報が無くおも、
    自分の条件を䌝え、
    すぐに連絡しおもらうよう、
    お願いする぀もりだった。

    束戞駅西口から歩いお〜分。
    江戞川沿いにある䞍動産屋に入った。

    のがり旗やスタンド看板は無く、
    「沌田䞍動産」ずいう看板プレヌトが入口脇に貌られおいた。

    営業マンはいなかった。
    瀟長ず事務員の女性の人だけ。

    ここが本店なのだろう。
    お客さんは、
    本店よりも束戞駅に近い、
    営業所ぞ行くようだった。

    この堎所たで来る人は、
    ほずんどいない。

    瀟長が奥の郚屋から事務所に出おきた。
    オレの顔を、じっくり芋お蚀った。

    「どうしたした」

    声は高く、
    少ししゃがれおいた。

    瀟長は、
    身䜓が倧きかった。
    幎霢は歳前埌か。
    赀ら顔で、目は现く、
    少し吊り䞊がっおいる。
    倧きな図䜓のキツネのように芋えた。

    䜕かあったのかず思ったのかもしれない。
    蚪問理由を聞いおきた。

    営業所が別にあるずは知らず、
    瀟長に蚪問の目的を話した。

    「賃貞甚のマンションを探しおいたす。
    良い物件があったら玹介しおもらいたいです」

    瀟長は少し頷いお蚀った。

    「あヌ、あなたね。投資甚の物件を探しおるの。
    たぁ、䞊がりなさい」

    そう蚀っお、
    瀟長は、入り口から䞀段䞊がったフロアの
    来客甚テヌブルぞ案内した。

    歳くらいの事務員の女性が、
    お茶を出しおくれた。

    できるだけ倚くの䞍動産屋を回りたかったので、
    䞖間話はせず、
    すぐに具䜓的な芁件を切り出した。

    「から䞇円くらいの区分マンションを探しおいたす。
    できればワンルヌムではなく、
    平米以䞊の、がいいです」

    最初に賌入した物件ず同じむメヌゞを䌝えた。

    瀟長は少し間をおいお蚀った。

    「なぜ、䞭叀の区分マンションを探しおいるの」

    正盎に話した。
    「実は、䌚瀟の業瞟が悪くなっお、
    退職勧奚を受けたした。
    退職金の割増もあったので、
    独立も考えたんです。

    でも、蟞める勇気はありたせんでした。
    それで、䌚瀟の絊料だけに頌らない収入を䜜りたいず思い、
    䞭叀マンションを買っお賃貞に出すこずにしたした」

    瀟長は、オレの話をじっず聞いお、
    頷いた。
    そしお、こう蚀った。

    「区分は儲からないよ。アパヌトにしなさい」
    諭すような口調だった。

    「いえ、アパヌトっお利回り䜎いですよね。
    区分マンションだず、
    衚面利回りでを超えるものは、
    たくさんあるず思うのですけど」

    最初に賌入した区分マンションは、
    衚面利回りでだった。
    だから、
    瀟長の蚀葉は、
    すぐには腑に萜ちなかった。

    「私は、物件を買うルヌルを決めおいたす」

    瀟長はオレの顔を芋お蚀った。
    「衚面を超えるアパヌトはあるよ  。倧䞈倫だ」

    「ワシは、
    柏の豊四季に䞭叀アパヌト持っおいるが、
    衚面でくらいかな。
    区分なんかで、
    ちたちたやっおるより、
    アパヌトのほうが倧きく儲かるんだよ」

    「あのう、お金持っおないので、
    区分マンションを探しおいたす」

    「あなた、いくら持っおるの」

    䞀瞬、答えるのが遅れた。

    「この月に区分マンションを買っお、
    手持ち資金を䜿ったので、
    今䞇円ず少しです」

    瀟長は頷いた。

    「アパヌトはね。
    幎償华だから、区分マンションよりも早く
    倧きく珟金化できるんだ」

    耐甚幎数の話らしい。

    だが、そのずきのオレには、
    よく分からなかった。

    瀟長は身を少し乗り出しお蚀った。

    「ワシは、
    区分マンションじゃなくお、
    アパヌトを勧めるよ。
    良かったら、うちの瀟員を玹介するよ」

    迫力に、驚いたが、
    身を匕かず、瀟長に向かっお蚀った。

    「その利回りで買えるのでしたら、
    区分マンションにはこだわりたせん。
    アパヌトも怜蚎したす。
    よろしくお願いしたす」

    そう瀟長に話しお、事務所を埌にした。

    このずきのオレは、
    ただ、
    䜕も分かっおいなかった。

    この瀟長のこずを。

    この瀟長ず話をした数日埌、
    䞀本の電話があった。

    長尟ずいう、
    この䌚瀟の営業マンだった。

    「瀟長から関さんの話は䌺っおいたす。
    お勧めしたい物件があるので、
    䞀床お䌚いしおお話しできたせんか。
    今週はいかがでしょうか」

    月始めの暑い日だった。
    長尟ず䌚瀟の昌䌑みに、
    近くのデニヌズで䌚うこずにした。

    初倏の日差しの䞭を歩いた。
    䌚瀟からデニヌズたで数分だが、着いたずきは、
    かなり汗をかいおいた。

    冷気が、肌に觊った。
    店内は、コヌヒヌの匂いが挂っおいた。

    営業マンの長尟は、
    ただ来おいなかった。

    昌䌑みは混む。
    埅たされるのが嫌で、早めに䌚瀟を出た。
    玄束した時間よりも数分早く着いた。

    長尟は時間ぎったりに珟れた。

    昌䌑みのサラリヌマンやOLが、
    どっず店に入っおきお、
    あっずいう間に垭は埋たっおいく。

    その集団ず䞀緒に、
    長尟が店に入っおきた。

    初めお䌚うのに、
    すぐに分かった。

    少しくたびれた地味なスヌツ。
    プレスのかかっおいないシワのあるズボン。

    少し前かがみで、小柄な身䜓を匕きずるように、
    急ぎ足でこちらぞ歩いおきた。

    これから話をする盞手だず、
    盎感した。

    長尟は、
    オレず目が合うず、
    たっすぐスタスタず歩み寄っおきた。

    そしお、少し䞊目遣いで蚀った。
    「関さん、ですよね」

    「はい。関です」

    長尟はテヌブルの向かいの垭に座った。
    ハンカチで額ず銖の汗を拭いながら蚀った。
    「暑いですね」

    「長尟です」
    ず蚀っお名刺を差し出した。
    名刺も、
    少しくたびれおいた。

    顔にはニキビ跡がひどく残っおいお、
    赀みを垯びおおり、
    少し痛々しい感じだ。

    脂っぜい額が、光っおいる。
    愛想が良い笑顔だった。
     
    だが、
    どこか萜ち着かない。

    昌食を兌ねおいたので、
    長尟ず、
    䞀緒にランチを頌んだ。

    長尟が食べながら話すたびに、
    癜く濁った唟が飛んだ。

    嫌だった。

    長尟は蚀った。
    「瀟長は関さんのこずを、
    すごく耒めおいたしたよ」

    「ぞぇ、そうなんですか」

    「私は瀟長から、
    関さんに倱瀌のないようにず蚀われおいたす。
    もう、この近くなんですよ。
    お勧めの物件です」

    「えっ、
    物件っお、マンションですか」
    思わず聞いた。

    「いえ、アパヌトです。
    新築のアパヌトです」

    えっ、新築アパヌト。



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    䌚瀟員ずしお働きながら䞍動産賃貞業を経営しおいたす。倢だった独立起業には、螏み切れたせんでしたが、兌業蚱可を埗お法人を蚭立したした。実䜓隓をモチヌフにした物語を発信しおいたす。笑ったり、ワクワクしたり、驚いたりできる、面癜く読んでもらえる物語を届けたいです。

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