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クリスマスに贈る、ピアノと「脱力」の話

    クリスマスですね(画像はベルギー・ブリュッセルのグランプラスのクリスマスの様子です)。

    ということで今回は、皆さんにプレゼントの代わりに一冊の本を紹介したいと思います。

    ブログ「ちび理系男子の独学ピアノ・ライフ ~『脱力』は敵だ!~」を運営されているリトピさんが、
    このたび
    ピアノにおける「脱力」に悩んだら読む本 -脱「脱力」のススメ-
    を出版されました。


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    by 楽天ブックス

    リトピさんは、いわゆる感覚論ではなく、理系的な思考を軸にピアノ奏法を捉え直している方です。
    自分自身、もともとは感覚に頼って音楽を捉えてきましたが、
    その限界を感じるようになってから、構造や理屈を通して音楽を見直すようになりました。
    その点で、リトピさんの視点には強く共鳴するものがあります。

    本書の中でも、とりわけ印象的なのが重量奏法に関する考察です。
    「脱力=力を抜くこと」と単純化されがちな議論を、
    身体構造や物理的な視点から組み立て直していくそのアプローチは、
    これまであまり科学的に奏法を考えてこなかった学習者や指導者にとって、
    まったく別の角度からピアノを見るきっかけになるはずです。

    今回の書籍は、これまでブログで紹介されてきた内容を整理・再構成したもので、
    図や写真も多く、非常に読みやすい一方で、内容はかなり濃密です。
    ページを追うごとに、ピアノに対する本気度がひしひしと伝わってきます。

    個人的な話になりますが、わたしが今春に活動を再開した際、
    「もしかすると、もうブログは閉じられているかもしれない」と思ったことがありました。
    それだけに、変わらず発信を続けられているのを見て、
    同じくピアノと向き合う者として、大きなエネルギーをもらいました。

    最近は、音大出身でなくとも活躍されているピアニストの方が増え、
    音楽とは異なる世界から得た視点を、言葉や音に落とし込む試みも珍しくなくなりました。
    そうした「別の場所から音楽を見つめる眼差し」は、
    音楽だけをやってきた人間にとってこそ、実はとても貴重なのではないかと思います。

    「脱力」という言葉に、少しでも違和感を覚えたことのある方には、
    ぜひ一度、手に取ってみてほしい一冊です。


     
     
     
    鍵盤楽器奏者。音楽を通して、「言葉にならないもの」に耳を澄ませています。演奏することも、教えることも、書くことも、すべては「音にならない問い」を手放さないため。日々感じたこと、音のこと、沈黙のことを綴っています。ごく静かに響くような言葉を置いていけたらと思います。

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