
終章 定価を決める順番が逆なのである ゲーム機メーカーよ、定価をやめろ。〜「抽選ではなく「価格」で売るという提案〜(全11章)
終章 定価を決める順番が逆なのである
私は転売屋を擁護したいわけではない。
転売屋を叩きたいわけでもない。
ましてや、
ゲーム機メーカーを批判したいわけでもない。
言いたいことはひとつだけである。
転売屋は原因ではない。
結果である。
問題は、
定価と市場価格の乖離だ。
メーカーが5万円と言う。
市場は8万円と言う。
その差額が利益になり、
その利益を求めて人が集まる。
私はそれを見て、
転売屋を責める気にはなれない。
むしろ、
なぜその価格差が生まれているのか。
なぜ市場価格を無視しているのか。
そちらの方が気になるのである。
私は希望小売価格そのものを否定しているわけではない。
むしろ必要だと思っている。
しかし、
希望小売価格には本来の役割がある。
発売直後の供給不足の中で、
市場価格を無視して価格を決めることではない。
市場に商品が行き渡った後、
価格の目安を示すことだ。
まず市場に価格を決めさせる。
需要が供給を上回るなら価格は上がる。
需要が満たされれば価格は下がる。
それが市場である。
そして、
ゲーム機が十分に普及し、
Amazonや家電量販店、
ゲームショップなどで通常販売が始まる。
その頃になれば、
市場価格も見えている。
需要も落ち着いている。
そこで初めて、
メーカーは希望小売価格を設定すればよい。
私は本来、
希望小売価格とは価格を押し上げるためのものではなく、
価格の下落を支えるためのものだと思っている。
市場価格が下がり過ぎないようにする。
流通価格の目安を示す。
メーカーが考える適正価格を示す。
希望小売価格が最も機能するのは、
商品が不足している時ではない。
商品が市場に十分行き渡った後なのである。
現在は順番が逆だ。
最初に定価を決める。
抽選を行う。
転売対策を行う。
そして市場価格は別の場所で決まる。
私はその仕組みに違和感を持っている。
まず市場に価格を決めさせる。
需要が満たされる。
価格が落ち着く。
その後で希望小売価格を設定する。
私はその方が自然だと思う。
ゲーム機は独占商品である。
PlayStationはソニーしか作れない。
Nintendo機は任天堂しか作れない。
だからこそ、
競争市場の商品以上に、
市場価格を無視してはいけないのではないだろうか。
転売屋対策を考える暇があるなら、
価格設定そのものを見直した方が早い。
私はそう思っている。
ゲーム機メーカーよ。
定価をやめろ。
いや、
定価を最初に決めるのをやめろ。
そして市場に聞いてみてほしい。
そのゲーム機はいくらなのかを。
私は、その答えを市場だけが知っていると思っている。