
脳ラジ再放送の由来
ひまだったころ、一人ラジオとか、一人YouTuberという遊びをやっていた。
毎回みなさんの質問やお悩みに私が答えていくコーナーがある。
みなさんも架空だし、悩みも架空である。
架空をいいことに私は過激で雑な回答をバンバン繰り出していく。
架空のオーディエンスもそういった適当なものを求めているようである。
疲れると「北方謙三も言ってたよ。ソープへ行けって」みたいな回答が乱発される。
疲れるまでやるものでもなかろうと今にして思う。
その中で毎回質問を送ってくる奴がいて、そいつは高校生で夢は一人暮らし、とにかく早く高校を卒業して一人暮らしがしたいそうな。
一人暮らしができるなら働こうが進学しようがどうでもよい。
それで勉強もせず賃貸情報誌を眺めては未来の自由な生活に思いを馳せているのだった。
そんなあほに私は一人暮らしの奥義を伝授していった。
東京は池袋の北西あたりが家賃が安いよ、中央線沿いに住むのは一生他人のカモになることを宿命付けられた悲しき馬鹿しかいないよ。
家具調度のたぐいは最初から買わないで、どうしても必要になったら買い足していったほうがいいよ。
休みの日はヨーカドーに置いてある椅子にずっと座っていると快適だよ、スーパーのイートインは店員さんに見られてて、長時間占領しているといつかボコされるよ。
野菜食って十分に寝ないと医療費が高くつくよ、それがわからないで「自分は体が弱いから入っておかないと」とか言って医療保険つき生命保険に入るのがこの世で一番愚かな行為なんだよ。
ポストに入っているチラシとか漫画を床に放置しているとトルネコの大冒険の巻物みたいに床に貼り付いて何しても取れなくなるよ、そうなったらもう建物を爆破して更地にする以外解決できなくなるから本当に要注意だよ。
一人暮らしのバイブルは「魔女の宅急便」だよ、小さいラジオがあれば人はさびしくないことがわかる、ただ毎日ホットケーキだけは健康を害するから魔女にしか許されないよ。
はたしてこれらのカスTIPSがあほ高校生の役に立ったのかわからない。
やつは本当に独り立ちできたのだろうか。
たぶん、あほすぎておとなになっても一人暮らしはできなかったんじゃなかろうか。
あるいは実家のそばに賃貸を借りて、毎日親に飯を作りに来てもらったりしているのかもしれない。
それはともかく、今も毎年3月には「一人暮らしスペシャルPresented by SUUMO」と題してあのころの再放送を流している。
もちろん脳内で、である。
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