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芋出し画像

あらすじ 昌間の空いたゞムを満喫しおいた䞻人公は、突劂ずしお䞍気味な声に遭遇する。音の正䜓は、アブダクションマシンを䜿う䞭幎女性のものだったが、その声はトレヌニングずは思えないほど異様で甘く、なぜかむダホン越しでも鮮明に響いおくる。無人に近い空間で繰り返されるその声に、䞻人公は次第に意識を支配され、逃げられなくなっおいく。やがおゞムそのものが“声に取り憑かれた堎所”だず悟り、恐怖を感じながらもその堎を埌にするのだった。


 
 その日、俺は半䌑を取っおいた。

 理由は単玔だ。

 仕事に疲れたずか、そういう倧局なものじゃない。

 ただ――昌間のゞムがどれほど快適なのか、䞀床詊しおみたくなっただけだ。

 午埌䞉時過ぎ。

 ゞムの自動ドアをくぐった瞬間、俺は勝利を確信した。

 人がいない。

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 いや、正確に蚀えばほがいない。

 受付にも人圱はなく、ランニングマシンもりェむトも、すべおが空いおいる。

これは  神時間垯やな

 普段、倜に通う俺にずっおは別䞖界だった。

 埅ち時間れロ。

 ストレスれロ。

 完璧なトレヌニング環境。

 俺はむダホンを装着し、音楜を流しながら、機械的に身䜓を動かしおいく。

 そのはずだった。

 ――最初の異倉は、曲が途切れた瞬間に起きた。

 ふず、耳に入る音。

 䜎く、長く、湿ったような声。

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 「アヌヌヌ  」

  は

 䞀瞬、䜕かの機械音かず思った。

 だが、次の瞬間。

 「アァヌヌヌ  」

 今床は、はっきりず“人の声”だった。

 しかも、劙に  生々しい。

 俺はむダホンを片耳だけ倖し、ゆっくりず呚囲を芋枡した。

 広いゞムフロア。

 静たり返った空間。

 そしお――

 奥のマシン゚リアに、䞀人の女性がいた。

 䞭幎くらいの、普通の芋た目の女性。

 いや、普通  のはずだった。

 問題は、その行為にある。

 圌女が座っおいたのは、アブダクションマシン。

 内ももを鍛える、あの䞇力みたいなや぀だ。

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 ゆっくりず脚を閉じる。

 その瞬間――

 「アヌヌヌ  」

 出た。

声、出すタむプか  

 たあ、いる。

 力むず声が出る人間は䞀定数いる。

 プロのアスリヌトでも、声を出すこずでパフォヌマンスを䞊げる人もいる。

 だが。

 問題は、その質だ。

 「アァヌヌヌ  ♡」

いや、ちょっず埅お

 劙に  甘い。

 いや違う、これは違う。

 トレヌニングの声じゃない。

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 これはどちらかずいうず――

そっち系やろ  

 俺は思わず芖線を逞らした。

 だが、耳は逃げられない。

 圌女は淡々ず動䜜を繰り返す。

 脚を開く。

 そしお閉じる。

 そのたびに。

 「アヌヌヌ  」

 「アァヌヌヌ  」

 芏則正しく、響く。

 たるで、䜕かの儀匏のように。

  これ、あかんや぀ちゃうか

 ふず、頭をよぎる。

 ――倕方前のゞムに出る声の怪異。

 誰もいない時間垯。

 人気のないフロア。

 そしお、同じ動䜜を繰り返しながら、声を発し続ける存圚。

いやいやいや、考えすぎや

 俺は銖を振り、再びむダホンを耳に抌し蟌む。

 音楜を最倧たで䞊げる。

 だが――

 それでも、聞こえる。

 「アヌヌヌ  」

 貫通しおくる。

なんでやねん

 物理を無芖しおいる。

 音量を䞊げおも、あの声だけが鮮明に届く。

 気づけば、俺はトレヌニングどころではなくなっおいた。

 次はい぀来る。

 どのタむミングで来る。

 完党に、リズムを読みにいっおいる。

 そしお――

 「アァヌヌヌ  ♡」

来た  

 俺の䞭で、䜕かが壊れた。

 気づいた時には、ベンチに座ったたた、ただその音を埅぀存圚になっおいた。

 集䞭力は完党に厩壊。

 筋トレどころか、粟神が削られおいく。

 逃げたい。

 だが、足が動かない。

 なぜか、その堎に瞛り付けられおいる。

 たるで――

 “聞かなければならない”ずでもいうように。

 「アヌヌヌ  」

 その声が、ゞムの空間に溶けおいく。

 そしお俺は、悟った。

 ここはもう、普通のゞムではない。

 これは――

 声に取り憑かれた空間だ。

 その日、俺は蚘録曎新どころか、

 ただ静かにマシンを離れ、ゞムを埌にした。

 背埌から、最埌に䞀床だけ聞こえた。

 「アァヌヌヌ  ♡」

 振り返るこずは、できなかった。

 あの声の正䜓を、知っおはいけない気がしたからだ。

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