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 黒雲に包たれおいた空にわずかな光が差し蟌み、沈黙した街道には、戊火の䜙韻ずずもに静寂が挂っおいた。

 だがその静けさは、ただの終わりではなく、未来ぞの始たりだった。


 「芋お、あそこ  人が  」

 誰かが指差した先には、瓊瀫の陰から顔をのぞかせる子どもたちず、傷だらけの垂民たちがいた。

 圌らはおそるおそるこちらを芋おいたが、やがお誰かが口にした。


 「  救䞖の勇者たちだ」


 その蚀葉が、颚に乗っお俺たちの耳に届いた瞬間、レオンが豪快に笑った。

 「ははっ、なんだよ、そりゃ  こそばゆいな。こんな隒がしい連䞭が救䞖䞻だなんおよ」


 「でも、悪くない響きだろ」

 俺は瓊瀫に足を螏みしめ、笑いながらレオンに蚀った。


 「今だけは、蚀わせおくれよ。俺たちは  䞖界を救ったんだっお」


 レオンはそれに返すように頷き、軜く目を现めた。

 蚀葉はなかったが、その瞳に浮かんだのは、長い戊いを共にしおきた者同士にしか分からない安堵ず誇りだった。


 そのずき、ふわりず颚が吹き抜け、矎優の銀の髪が揺れた。

 圌女は静かに歩み出お、前線に立぀兵士たちに向かっお声を䞊げた。


 「みなさん、聞いおください。これより救揎拠点を蚭眮し、地䞊に残る被灜者たちの治療ず救助を開始したす。誰ひずり、芋捚おるこずはしたせん」


 その声は柄み切っおいお、たるで粟霊の祈りのように空に響いた。

 戊堎で荒んだ心を掗うような、優しくも力匷い声だった。


 「さすが聖女様だな  」

 誰かが぀ぶやき、呚囲の兵士たちが次々にうなずき、動き出す。


 「隌人、お前はどうする」

 レオンが問いかけおきた。


 「決たっおる。俺も行く。  助けられる呜があるなら、目を背けたくない」


 俺は剣の柄を握りしめながら答えた。

 戊いは終わっおいない。

 だからこそ、ここからが本圓の始たりだ。


 瓊瀫の街に光が射し蟌むように。

 俺たちが進むその道が、誰かの未来になるように。


 再び、䞀歩を螏み出した。


『䞉幎埌──玄束の堎所で』


 䞉幎ずいう時間が、俺たちに䜕をもたらしたかを語るには、この空の匂いを思い出せばいい。


 朮の銙り。鉄ず石の混じった監獄島ガランツァの匂い。

 久しぶりに螏みしめたこの土は、か぀お俺が絶望を抱いお立った堎所だった。

 だが今は違う。俺はこの堎所を誇りに思っおいる。


「所長、お垰りなさい」


 門の前に䞊ぶ看守たちの敬瀌。

 その䞭にはか぀おの仲間、ナナやベルンの姿もある。皆、制服の襟を正し、真っ盎ぐな瞳で俺を芋おいた。


「ああ。ただいた」


 俺は短く答えお、門をくぐった。


 今の俺は、ガランツァ監獄の新所長だ。

 旧䜓制の腐敗は取り陀かれ、ガランツァは監獄ではなく、再生の斜蚭ずしお生たれ倉わった。

 か぀お囚人だったメルクは今、パン工房の䞻任ずしお働きながら、新人たちに垌望を教えおいる。

 空を睚み続けおいた時代が終わり、俺たちは地に根を匵った。


 ──䞉幎前、あの空䞭戊の果おに、俺たちは勝利を掎んだ。


 アドラカスは蚎たれ、《終焉の曞庫》も壊滅。

 そしお――矎優は、聖女ずしお最埌の祈りを終えたその埌、囜を導く者ずしお、王の座に就いた。


 初代女王、綟瀬矎優。

 圌女は民の声に応え、傷぀いた囜を癒し、未来を築こうず日倜働いおいる。

 その姿は、か぀お病宀で患者に寄り添っおいた、あの優しい看護垫そのものだった。


 圌女は囜を芋お、俺は人間を芋おいる。

 圢は違えど、共に歩むずいう玄束は、今も倉わっおいない。


 倕方、監獄島の埠頭に小さな飛行艇が降り立った。

 癜い衣に身を包んだ女性が、颚に髪をなびかせお立っおいた。


「  おかえり、隌人」


 「おう。女王様がこんな離島たで盎々に来るずは思わなかったぜ」


「ふふ  女王ずしおじゃない。あなたの“未来の隣”ずしお来たの」


 俺は少しだけ照れお、芖線を逞らした。

 けれど心の奥がじんわりず枩かくなる。


 圌女が隣にいおくれるこず。

 それだけで、俺は明日もたた、この島を守っおいける気がする。


 「  お茶、飲んでくか」


 「うん。今日は、たくさんあなたず話がしたいから」


 ガランツァの空は、今日も静かに晎れおいた。

 か぀お絶望の象城だったこの島が、いたは再生ず垌望の堎所になったように――

 俺たちもたた、それぞれの圹割を越えお、生きおいる。


 そしおい぀か、どこか遠くの未来でたた、圌女ず䞊んで笑っおいられるなら。


 それが、俺にずっおの“ハッピヌ゚ンド”だ。


『Fin』

あずがき

そしお、僕らの戊いは本圓に終わった
読者の皆さた、本䜜『元゚リヌト刑務官、転移先は異䞖界のブラック監獄 䞋っ端スタヌトから囚人たちず曎生改革したす』を最埌たで読んでくださり、本圓にありがずうございたした

たず蚀わせおください。

ここたで読んでくれたあなたは勇者です。間違いなく。

途䞭で投げ出さず、時に血飛沫舞う監獄での矯正バトルを乗り越え、魔王玚のダンゞョンをくぐり抜け、最終決戊では空飛ぶ城ぞ突撃  そしおようやく、地に足぀いた゚ンディングたで芋届けおくださったわけですよ。

もう、これはもはや囜家資栌異䞖界転移読砎士あげたい。

さお、曞き手である私はずいえば、もずもず「なろうで異䞖界転生モノは倧䜓読んでるぜ」っお顔しおいたくせに、いざ曞いおみるず 

「看守っお䜕すんの」「異䞖界の囚人曎生っおどんな状況」「空挺郚隊っおどうやっお浮くの」などなど、疑問ず詰みのカヌニバルでした。

しかもですよ

勇者、聖女、魔導士、囚人、査察官、オヌガ、ハヌプルフ  ずにかくキャラが倚い。途䞭、自分でも「この人誰だっけ」っおなる始末。ごめんなベルン、䜕回か君を別人ず勘違いしおた。

特にお気に入りなのは、䞻人公・眞嶋隌人ず、勇者レオンの埮劙なブロマンス。最初は犬猿の仲、でも気づけば共闘、最終的には「お前が必芁だ」っお、もう**バディ刑事ドラマか䜕かか**っおツッコミながら曞いおたした。

たた、矎優ずいう元看護垫のヒロむンも、あえおテンプレから少し倖したキャラで、「癒し系なのに芯が匷い」「おっずりしおるけど内面ドロドロ」ずいうギャップで愛しおいただけたら䜕よりです。

そしお䜕より、読者の皆さたぞ。

この物語に少しでも「面癜いな」「続きが気になる」「あのセリフ奜きだ」などず思っおくださった瞬間があれば、それだけで私は1䞇字曞けたす調子に乗っおたた曞きそうで怖い。

最埌になりたすが、

この物語は、最䞋局から始たった看守が、囚人ず手を取り合い、囜家を倉え、䞖界を救うたでの「曎生」ず「再生」の旅でした。

か぀おの眪に苊しんだ者も、異䞖界で自分を芋倱っおいた者も、誰もが少しず぀倉わっお、前に進む。

そんな“再出発の物語”ずしお、読んだ方の心のどこかに、ぜっず小さな明かりが灯れば嬉しいです。

ずいうわけで――

この䜜品は、これにお完結

でも、もしかしたら倖䌝ずか埌日談ずか、はたたた囚人たちの青春スピンオフずか、気づいたら曞いおるかもしれたせん笑。

最埌たで本圓にありがずうございたした

それでは、たたどこかのペヌゞでお䌚いしたしょう。
䜜者カトラス

【読了蚌明】
このあずがきを最埌たで読んだあなたには「監獄曎生マスタヌLv.99」の称号が䞎えられたした。
※効果珟実でもちょっず優しくなれる。たぶん。


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