
どこでも風を感じたい|藤井風の『きらり』をライブ会場のトイレで聴いた
シリーズ「ちょっと聞いてくださいよ」
カフェで、飲み屋で、しょうもない話をしたい。
ちょっと聞いてくださいよ。
藤井風、ご存知ですか?
岡山県出身のべらぼうにピアノが上手いシンガーソングライターです。
私は以前3か月入院したことがあるのですが、家に帰ったらなぜか家族の中で空前の藤井風ブームが起きていたんです。
リビングでは藤井風のCDがかかり、当時小学生にもならない子どもが『死ぬのがいいわ』という曲を歌いながらトランポリンで飛んでいました。
なにか宗教にはまったのかなという程、夫と子どもが藤井風にどっぷり。
3か月は人の嗜好が変わるほど長かったんやと驚いたものです。
そして家族に勧められるまま、1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』を聴きました。
え?!この曲を20代の子が作ってるの?
この歌詞を?
初めて聴いた時は、男女のドロドロした物語の曲だと思いました。
メロディーは少し昭和のテイストを感じさせるのに、音とリズムは生き生きとして新しい。
すごい違和感。でも気持ちいい。
はい、速攻で私も入信完了でした。
その後、2ndアルバムを聴いて、藤井風が歌っているのは男女の物語とちゃう、なんか広い、すべての人に向けられた愛のようなものなんだと、なんとなく感じました。
最初の違和感はするするとほどけていきました。
そして期待せずに申し込んだスタジアムでのライブ。
思いがけず家族席が当たりました。
幼児連れでの参戦で心配していましたが、家族席は周りに同じようなご家族がたくさん。
子どもも全部の曲を予習していたので、なんとかぐずることなく一緒にライブを聴けました。
が、ライブも終盤、盛り上がりをみせる中『きらり』という曲が始まった時です。
「おしっこ行きたい」
まじかー、今かー。
聴きたい気持ちを抑えつつ、席を立ち周囲に頭を下げながら、子どもをトイレに連れて行きました。
どうしても少しイライラして、周りの音がうるさく感じてしまう。
そんな中でのスタジアムのトイレ、ライブの音が流れてるんです。
トイレの中で聴く、今そこで歌われている『きらり』。
…あれ?全然うるさくない。
なんか聴いてて、楽。
ライブを見なくても、風はそこにいる。
スタジアムのトイレで、子どもと手を洗いながら『きらり』を歌いました。
大きな愛に包まれたくないですか?
怪しい宗教みたいなことを言ってすみません。
でも藤井風の曲を聴くと、何か自分の外の一段違う場所から、自分自身を大事にするような感覚になるんです。
私の中では推しというより薬です。
ひとまずアルバム全3枚持ってきました。
疲れている時によく効くと思います。
よかったらどうぞ。

観客のスマホが星のように光っていた
シリーズ「ちょっと聞いてくださいよ」#24
久しぶりに誰かとごはんに行っても、うっかり子どもや仕事、健康の話をしてしまう。
もっとしょうもない話がしたい。
カフェや飲み屋で、ダラダラおしゃべりする感じでお付き合いください。
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