新しい神話。
アダムの妻のイヴが、幾度目かの出産か何かの戦か、なんだったかで、死線を彷徨った。
そして、とうとう、イヴはステュクス川のほとりに辿り着いてしまった。
ステュクス川の中で、舟を漕ぐ全身黒づくめの老いた男が、ゆっくりと櫂で水面を動かし、イヴのいるあたりまで舟を近づけてくる。カロンだ。
舟を岸につけて、カロンは、イヴの側に立ち、「おや!?」と言いたげな顔をした。
「君が死ぬとは……。」というのか、それよりは、そもそも死んだあとに神々が行く場所は別にあるというのに、何の用なのかと口を開こうとでもしたのか。
イヴの大きな瞳を、カロンはじっと見つめながら、イヴの言葉を待つようにも思えた。
「私、どうも迷ってしまったみたいでして……。」
さすがに、イヴを、ハデスのところに引き渡すわけにもいかず、イヴの帰る場所までカロンは送り届けねばならないのに、カロンは慟哭を隠しきれず、イヴのことを抱き寄せてしまった。
そのまま、イヴはカロンの口づけを受け入れてしまい、アダムの目の届かぬところ、ステュクス川のほとりで、そのまま、男の果てるまで受け入れてしまった。
そうして、イヴの中に、カロンとの子が生まれてきてしまった。
この新しい神様の名前を、どうしましょうね!?