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Photo byiwa_nori

BL小説3つのお題チャレンジ!【noteでBL第10弾】その2

    かし子

    おはようございます(もう昼)!

    というわけで予告していた通り、調子に乗って書いちゃった2作目を投稿します✨

    企画の概要はこちら🔽

    その1はこちら🔽

    ぐだぐだになりそうでしたが、何とか3555文字で着地。
    うん、こっちも良い感じの文字数です😆

    今回はnoteでBL第5弾に登場した海里に再登場してもらいました。

    まずは人物紹介から。

    ■早乙女 海里(さおとめ かいり)
    真面目で良い子な高校男子。
    遥夏のことが好き。
    多分思い込みが激しいタイプ。

    ■市媛 遥夏(いちひめ はるか)
    ハル君。
    市媛家の末っ子。
    海里視点だとスパダリのように見えるが、noteでBL第7弾の完全版ではかなりヤバい妄想をしていた。

    ■市媛 信夫(いちひめ しのぶ)
    ハル君の異母兄。
    海里から見ると気さくで優しいお兄さん。間違ってはいない。
    不憫。
    久我先生に振り回されている。

    ■久我先生
    海里と遥夏の日本史の先生。
    信夫の片思い相手。
    そして遥夏&信夫の兄である飛鳥の元カレ……いや、元カノか?
    どっちかは不明。
    現在、信夫が一番のからかい相手らしい。

    役に立つかわからない登場人物紹介

    久我先生は名前しか登場しないけど一応人物紹介に入れておきました。

    では、2作目をどうぞ!!

    ゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚

    嫌な天気だと思っていたけれど、結局降ってきてしまった。
    好きな人に日直の仕事を手伝ってもらえてラッキー、なんて思っていたのに。

    ダンボールを畳んでまとめてゴミ捨て場に持って行くという簡単な仕事だったけど、たまたま通りがかったハル君が手伝ってくれたのだ。

    仕事をやり終えて教室に戻ると、すでに電気が消えていて誰もいなかった。
    ただ薄暗い中で雨の音だけが聞こえている。
    ほんの少し不気味だ。

    「海里はこの後何か予定ある?」

    「特にないけど……」

    「少し待ってから帰るか。雨、止むかもしれないし」

    予想外の申し出に心が跳ねた。
    さっきまでは憂鬱だった雨に感謝したいくらいだ。
    とりあえず2人で宿題をやることにした。

    ハル君は授業をサボることもあるけど、成績は良い。
    今も黙って宿題を進めている。
    真面目なところと不真面目なところの使い分けが上手なのだろう。

    精悍な顔立ちをじっと見つめる。
    ずっとこの時間が続けばいいのに。

    黙々とハル君は数式をといているけど、僕はまったく宿題に集中できていない。
    中学の時は家にお邪魔して勉強会もしていたのに、今になってこんなに意識してしまうなんて。
    情けないやら恥ずかしいやら。

    「海里」

    「な、何!?」

    突然名前を呼ばれ、心臓が飛び出るかと思った。
    見つめていたのがバレたのかと思ったがそうではないらしい。

    「勉強してると甘いもん欲しくなるだろ。これやるよ」

    渡されたのは紫色の包装紙の有名なお菓子だった。
    生地が薄いから崩さずに食べるのが難しくて、いつも敬遠している。
    これを持ってるということはハル君の好物なのだろうか。

    そういえば家に遊びに行った時にも出されたような気がしてきた。

    「これさ、何か知らないけどいつも家にあって。別にお袋が作ったわけじゃないけど、家庭の味って感じがするんだよな」

    渡されたルマンドは半分崩れていて、袋を開けただけでぼろぼろとこぼれてしまった。
    食べる前からこのありさまだ。
    僕はこれを上手に食べられる日がくるのだろうか。味は美味しいのだけれど。

    窓の向こうではまだ雨が降っている。

    「雨、やみそうにないな」

    「降る前に帰れれば良かったね。ごめん、手伝わせちゃって」

    「別にいいよ。どっちにしろ帰る途中で降られてただろ。……あ」

    ハル君は何かに気付いたのか、自分のロッカーを漁り出した。

    「置き傘してたの忘れてた。それ使えよ」

    ポンと渡されたのは、ネイビーの折りたたみ傘だった。

    「え? ハル君は?」

    「俺は走って帰るからいいよ。家そんなに遠くないし。折り畳み傘だから、男2人で使うには狭いだろ」

    僕に1つしかない傘を渡して自分は走って帰るなんて、男前が過ぎる!!
    でも、それだとハル君は濡れてしまう。

    「駄目だよ、一緒に使おうよ」

    「別にいいよ、これくらいの雨」

    「だったら僕が走って帰る!」

    いつもは意見を強く言えなかったり、その場の空気に合わせたりしてしまう僕だけど、これは譲れなかった。

    「わかったよ。じゃあ、途中まで」

    しかたないな、とでも言うような顔でハル君が承諾してくれた。
    僕は心の中でガッツポーズをする。
    今までの人生の中でガッツポーズをとったことはないけれど。

    校門を出てしばらく歩いた辺りで、1人の男性が僕たちに近づいてきた。

    「あー! 遥夏! 良かった、行き違いにならなくて!」

    「兄貴じゃん」

    久しぶりに見た信夫さんはすっかり大人びていた。
    学ラン姿だった時の面影はあるけれど、別人みたいだ。

    この人、久我先生にラブレター渡して撃沈したんだよなぁ……なんて情報を思い出してしまった。
    あと、詩を書いていたことも。
    本人にとって不本意な情報を僕が一方的に知っているのは申し訳ない気がする。でも、脳にしっかりとインプットされてしまっていて消えそうにないのだ。

    「あれ!? 早乙女くん!? めっちゃ久しぶり!」

    「お久しぶりです」

    信夫さんは僕に気付くと満面の笑みで再会を喜んでくれた。
    中身は変わっていないようで気さくな人柄に安心する。

    「んで、兄貴はどうしたんだよ。俺を探してたんだろ」

    「そうそう! お前、傘忘れて言っただろ。石崎さんが迎えに行くとか言い出したから、俺が代わりに持ってきてやったんだぞ」

    「え、折り畳みのやつ持ってたからいいのに」

    そうは言いつつも、信夫さんが持ってきてくれた傘をちゃんと使っているあたり、兄弟仲は良いのだと思う。
    石崎さんは、おそらく市媛家のお手伝いさんだ。
    中学の時と同じ人だとしたら、確かに高齢の女性に雨の中を歩かせるのは申し訳ない気がする。
    そこを放置せずに迎えに来てくれる信夫さんは弟思いの良いお兄さんだ。

    「いや、男2人でそれ使うのはきついだろ!? ほらー!早乙女くん濡れちゃってるじゃん!」

    確かに濡れてるけれど大したことはない。
    それにハル君も濡れてるだろうし。

    「僕が傘忘れたのが悪いので。これくらい大丈夫です。」

    「傘、うっかり忘れちゃうよな。迎えに来て良かったよ。あ、そうだ。これお詫びにあげる。家出る前に食べてたから持って来ちゃったんだよ。おやつに食べて」

    全く悪い事なんてしていないのに、そう言って信夫さんが手渡してくれたのは紫の包装のお菓子。もしかして……。

    やっぱりルマンドだった。
    本日2つ目である。

    まさか同じお菓子を別の人からもらうことになるとは。というか市媛家のルマンド率が高いのだ。

    もしかして市媛家の人に認められるには、ルマンドを綺麗に食べられるようにならないといけないのではないだろうか。
    それは困る。

    「渡しておいてなんだけど、俺はラングレイスの方が好きなんだよね」

    「ルマンドと大して変わらねーじゃん。俺は断然バームロール」

    あ、信夫さんもハル君もルマンド別に好きじゃないんだ。
    ちょっとだけ安心した。

    「え? お前ルマンド好きじゃないの!? じゃあ何でいつもルマンドがあるんだよ」

    「飛鳥か親父じゃね?」

    「親父、そもそも甘いもん食べねーじゃん。兄貴はエリーゼ派だろ」

    え、これは誰もルマンド好きじゃないのでは。
    市媛家の謎が深まった。

    2人はあーでもないこーでもないと、ルマンドが常に家に置かれている謎を議論している。

    僕はハラハラしつつも兄弟の会話を傍観するしかできなかった。
    そんなヒートアップしそうな勢いの2人を止めたのは、僕のくしゃみだった。

    「くしゅんっ」

    濡れたから体が冷えたのだろうか。
    家に帰ったら紅茶とかココアで体を温めた方がいいかもしれない。

    そんな僕のことを、目の前の2人は僕以上に心配してくれる。

    「ほら、やっぱり濡れたから冷えちゃったんだよ」

    信夫さんがハンカチで肩を拭いてくれた。
    カバンを持っていなくてもちゃんとハンカチ持っているところとか、育ちの良さを感じる。

    すでに制服に水分は浸透していて、ハンカチの意味はあまりなかった。
    その様子を見ていたハル君が盛大な溜息を吐く。

    「あーーー、もう、俺ん家に寄ってけ。濡れた服着てたら風邪ひく」

    予想外の申し出に僕は目を丸くした。

    「え!? いいよ、大丈夫だよ」

    「海里、バス通学じゃん。濡れたままバス乗るの嫌だろ。それくらいならすぐ乾くし」

    「そうしなよ、岩崎さんも喜ぶよ。ガタイがデカいのしかいないから」

    信夫さんがこの場にいない岩崎さんまで引き合いに出してきた。
    これは断れない雰囲気だ。
    ハル君の家に行くのは初めてじゃないけど、ちょっと心の準備が……。

    「久我先生が来た時とか、すごく喜んでたもんな」

    「久我先生来てたの!? いつ!?」

    「いや、飛鳥と付き合ってた時にしょっちゅう来てたじゃん……何でお前は知らねーんだよ……あ、そっか。信夫は反抗期であまり家にいなかった時か」

    「やめろやめろ、早乙女くんがいる前で俺の黒歴史を語るのはやめろ!」

    反抗期は普通のことだし、久我先生にラブレター渡した話とか詩を書いてた話に比べればどうってことないような気がするけど、言わないでおこう。
    慰めようとして別の傷口を抉りそうだ。

    また兄弟の会話がヒートアップしそうだったので、その場を収めるために勇気を振り絞って声を出した。

    「あの、じゃあお邪魔します……」

    僕の一言に2人はピタっと止まり、一気に歓迎モードになった。

    「おう、ルマンドあるぞ」

    「ルマンドはいいかな……」

    美味しいけど、すでに2つもらっているし。
    人の家でルマンドの欠片をこぼしてしまうのも申し訳ないし。

    「でもルマンドしかないよ」

    「ルマンドしかないんですか!?」

    普段はツッコミとは縁のない僕。でも、今この時ばかりはいつもより大きな声で叫んでしまった。
    しかも大したことない内容で。ツッコミなのだろうか。

    「海里が大きな声出すの珍しい」

    穴があったら入りたいくらいだ。
    でも、ハル君の笑顔が素敵だからいいか。

    僕の恋を後押ししてくれたような雨には感謝しかないけど、話題を提供してくれたルマンドにも一応感謝しておこうかな。

    僕はホワイトロリータ派だけど。

    《ここからあとがき!》


    まーたルマンド食べさせてる~!!
    でもルマンドは食べるものですからね。仕方ない。

    え、他の皆さんはルマンドをどう処理していらっしゃる……?
    後ほど皆さんの作品を読んで勉強させて頂きますね!!

    ダンボールは今回捨てました。ゴミ扱いです。ごめんね。

    1作目が不穏だったので、こっちは頑張って明るい感じにしました😚
    アオハルコメディ(?)です。

    今回は1作目も2作目もわりと安産ですんなりと書けました。
    いつも人数多い上に場面転換が多いから大変だっただけですね。
    でも詰め込みたくなっちゃうんだよなぁ。なんでだろう?

    そんな反省点が見つかったところで、あとがきを終わりにしたいと思います。

    他の参加者さんの作品は仕事の合間にちまちまと読み進めているところです!
    いつも力作揃いで本当に楽しませて頂いてます✨
    なみさん、参加者の皆様、いつもありがとうございます~!!

    ではでは、また次のnoteでBLでお会いしましょ~!

    #noteでBL

     
     
     
    会社勤めの傍ら執筆してます。エブリスタへの投稿がメイン。 オフラインでは文学フリマに出没します。次回は2026年11月の文学フリマ東京43に参加予定! noteでは気ままに日々の雑記を綴っていくつもりです。 疲れない程度に更新します。

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