
出張中の夫のタブレットを、つい見てしまった話
ピンポーン。
私じゃないLINEの通知音が聞こえた。
家にいるのは私だけ。 あたりを見回すと、出張中の夫が置き忘れたタブレットから音がしている。
最初は気にしないようにしていた。 でも何度も、何度も鳴る。
さすがに気になって、タブレットの画面を確認しに行った。
どうやらこのタブレット、夫のスマホと連携されているらしい。
ロック画面に通知が並んでいる。
パスワードを試してみた。 夫がいつも使っていて、私にも教えてくれている番号。 あっさり入れてしまった。
LINEの相手は職場の人、たぶんおじさん。
内容は業務連絡だった。
浮気を疑っていたわけじゃない。 そんなつもりは、本当になかった。
ただ——夫が普段どんなLINEのやりとりをしているのか、純粋に気になってしまった。
好奇心って、止められない。
少し罪悪感を感じながらも、指は動いてしまった。
内容を見て、最初に思ったこと。
なんだ、こんなことか。
仕事の話、事務的なやりとり、特別なことは何もない。 拍子抜けするくらい、普通だった。
でも同時に、胸のどこかでほっとしている自分もいた。
何かを疑っていたわけじゃないのに、ほっとしている。
その自分に気づいて、少し笑えてきた。
結局どこかで、気にしていたのかもしれない。
ちなみに調べてみたら、パートナーのスマホを無断で見るのは犯罪になる場合もあるらしい。
不正アクセス禁止法や、プライバシーの侵害。
最悪、慰謝料を請求されることもあるとか。
バレたら慰謝料請求されるかもしれない。
夫よ、見てしまってごめん。 でも、何もなくてよかった。
そして次からタブレットは、ちゃんと持って行ってください。