
ぬいぐるみに魂はあるのか
家には、たくさんのぬいぐるみたちがいる。
以前はテディベアばかりだったが、そのあと犬が増え、今は猫が一番多い。
フェルトとレース、ビーズを使って服を縫う。
手芸店で買ったプラスチックの宝石をチョーカーにする。
ブラシで毛並みを整える。
気づけば、猫たちはこの家で暮らしていた。
テレビの前のソファは、猫たちが占領している。
人間の座る場所は、ほとんどない。
お気に入りの白いクッションを床へ移し、
「こっちに移ってくれる?」
とお願いする。
みんな美形だけれど、和風のハチワレ猫は不思議と人気がある。
抱っこされることが多くて、少し痩せてしまった。
今日は寝そべってもらう。
これ以上痩せないように、両手で抱き上げる。
顔をくっつけたまま、しばらくじっとしている。
「どうしたんだにゃ。」
少しだけ話す。
「まぁ、気にするにゃ。」
「……それだけ?」
思わず笑う。
夜になると、それぞれソファやクッション、座布団へ戻っていく。
けれど、ときどき、
「今日は一緒に寝てやる。」
そんな顔をして、人間のベッドへやってくる猫もいる。
枕元へ寝かせ、
落ちないように少し真ん中へ寄せる。
潰さないように、今度は私が端へ寄る。
どんなに疲れて帰ってきても、猫たちはお構いなしに体当たりしてくる。
「お土産は?」
そう聞かれている気がする。
ときどき、目が合う。
じっと見つめ合う。
本当に、何もないのだろうか。
魂があるとかないとか、
どうやって分かる。
本当のことは、分からない。
それでも、
家へ帰ると、猫たちが待っている。
抱き上げる。
顔を見つめる。
指で毛並みを整える。
ふんわり抱きしめる。
喉を鳴らす音が、
聞こえたような気がする。
*
この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
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