
祖父が撮った写真 ──部屋の片付けで見つけた、違う方向を向いていた私たち
部屋を整理していたら、一枚の写真が出てきた。
小学校のミニバス時代のものだった。
祖父の家は電車で2時間ほどの距離にあった。
一度、祖父が遊びに来たことがある。
全員で出かけるとき、私は祖父に話しかけようとした。
けれど、祖父は兄を隣に呼び、歩きながら習い事のスポーツのことを尋ねていた。
兄を、ひとりの男として見ているようだった。
私は、その後ろを、何となくついて歩いた。
その後、ミニバスの練習試合で、遠くの小学校に遠征した。
祖父の家から、電車で30分ほどの場所だった。
昼休憩に入り、体育館から移動するとき、体育館の外側の通路から祖父の声がした。
カメラを首から下げ、黒い鞄をたすき掛けにして、立っていた。
こんなところで、何か用があるのかと思った。
少し言葉を交わした後、祖父は私と友達に並ぶように言い、写真を撮った。
後日、その写真が郵送されてきた。
手紙があったような気がするが、覚えていない。
祖父と私は、少し離れた場所から、違う方向を向いていた。
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この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
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