
あのとき、ドアを閉めた
小学生の頃、地域のコミュニティで集まることが多い時期があった。
その中に、スター性のある上級生の女の子がいた。
明るく快活で、魅力があった。
その子を中心に子供たちは遊び、大人たちは何かあると、まずその子に声をかけた。
私はその子が大好きで、特別に仲良くなりたかった。
その子と仲の良いひとりの下級生がいた。
私はその子に、なぜか優しくできなかった。
ある日、目の前でドアを閉めたとき、その下級生は、もうやだ、と言ってうずくまった。
その上級生の子がその子を連れて行き、私はその家の階段でひとり座った。
長い時間が経った気がした。
やがて、その上級生の子が私のそばを通りかかり、あの子はもう怒っていない、と言った。
私はその子たちが遊んでいる公園に行った。
バドミントンをしているところだった。
その下級生の子は、私に一緒にやろう、と笑いかけた。
私はほっとしてラケットを手に取った。
時が経ち、大人同士として会うこともあった。
あのときのことを、
忘れたことはない。
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この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
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