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あのとき、ドアを閉めた

    小学生の頃、地域のコミュニティで集まることが多い時期があった。
    その中に、スター性のある上級生の女の子がいた。
    明るく快活で、魅力があった。
    その子を中心に子供たちは遊び、大人たちは何かあると、まずその子に声をかけた。
    私はその子が大好きで、特別に仲良くなりたかった。

    その子と仲の良いひとりの下級生がいた。
    私はその子に、なぜか優しくできなかった。
    ある日、目の前でドアを閉めたとき、その下級生は、もうやだ、と言ってうずくまった。

    その上級生の子がその子を連れて行き、私はその家の階段でひとり座った。

    長い時間が経った気がした。
    やがて、その上級生の子が私のそばを通りかかり、あの子はもう怒っていない、と言った。

    私はその子たちが遊んでいる公園に行った。
    バドミントンをしているところだった。
    その下級生の子は、私に一緒にやろう、と笑いかけた。

    私はほっとしてラケットを手に取った。

    時が経ち、大人同士として会うこともあった。
    あのときのことを、
    忘れたことはない。

    *

    この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
    他の作品もよろしければ。


     
     
    日常の薄皮をなでるように。 どう生きれば、自分の人生を生きたと言えるのか。 そんなことを考えています。

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