家には誰もいない。
久しぶりの、ひとり時間だった。
ベッドに横になる。
しばらくスマホを眺め、
枕元に放り出して目を閉じる。
ドアが開く。
誰かがリビングに入ってくる。
びくん、と身体が跳ねる。
起き上がろうとして、目を開ける。
誰もいない。
静かだった。
ヒーリング音楽を流す。
もう一度、目を閉じる。
トイレのドアを開ける。
目の前が、冷蔵庫の棚になっている。
どくん、と心臓が鳴る。
目を開ける。
白い天井が見える。
横になってから、二時間経っていた。
*
この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
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